AAR/ヘカトンケイルの門番/王国の統一
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*王国の統一 [#wb5e1de9]
**前史 [#q5aab21a]
***セルビア王国 [#j37fdfab]
セルビア人が現在のセルビアの地にやってきたのは７世紀初頭...
9世紀にはキリスト教を受け入れ東ローマ帝国の影響下に入った...
セルビアの社会はジューバとよばれる部族共同体から成り立っ...
12世紀後半、６つの部族集団の中で最も強大な勢力を誇るラシ...
ステファンは東ローマ帝国の権威を巧みに利用しながら競合す...
更には衰退期にあった東ローマ帝国からも独立し、1171年には...
セルビア王国の事実上の建国である。（国際的な承認を得るの...
晩年は修道士となり、末子ラストコ（聖サヴァ）と共にセルビ...
その努力は次代に実を結びセルビアは聖俗ともに独立国となる...
ステファン・ネマニャには３人の息子がいたが、彼が後継者に...
長男のヴカンはゼタの地を与えられ、ドゥウリャ公として弟ス...
末子ラストコは僧籍に入り、後にセルビア正教会の創始者とし...
***第二次ブルガリア [#v52929fa]
1018年に英主バシレイオス２世によって滅ぼされたブルガリア...
その間、独立を求めるブルガリア貴族たちの反乱は幾度と無く...
しかし12世紀半ばを過ぎた頃から状況は変わってくる。
マヌエル１世の失政もあり帝国は急速に衰退し、周辺諸民族が...
1185年、ペタルとアセンの兄弟は帝国からの独立を掲げ挙兵。...
後世、第二次ブルガリア帝国と呼ばれる民族国家である。（こ...
しかし独立間もない王国は内紛が絶えず、1196年にはアセンが...
ブルガリアがバルカンの強国として台頭するのは後を継いだ末...
**第四回十字軍 [#zce434a4]
1198年、教皇インノケンティウス３世が呼びかけた第四回十字...
しかし海上輸送を請け負うヴェネツィアはエジプトと通商協定...
それに加え、実際に現地に集合した諸侯は当初の３分の１に留...
協議の結果、十字軍はクロアチアの都市ザダル（ハンガリー領...
この時点ですでに聖戦の大義など失われているのであるが、そ...
アレクシオスは皇帝イサキオス２世の息子であったが、父帝は...
アレクシオスの提示した破格の条件に釣られた十字軍はコンス...
しかし即位したアレクシオス４世には十字軍との約束を履行す...
1204年、先帝アレクシオス３世の娘婿ムルヅフォロスは市民の...
５世は十字軍との協定を反故にする事で市民の支持を得るが、...
市内に住むヴェネツィア人が十字軍側についた事もあり帝都は...
コンスタンティノープルは略奪・暴行の限りを尽くされここに...
#ref(020_1204.jpg,nolink)
コンスタンティノープルの陥落
**王国の現実 [#f8aa710a]
>「犠牲者は数百人と見られます。他にも家畜や農産物、それに...
1204年5月16日、この日の顧問会議も主な議題は跳梁する野盗へ...
ここ数年、王国全土で野盗被害が拡大し続けている。その原因...
エジプト征服を目的に出立したはずのこの武装集団は、目的地...
この日も王国領ドゥブロヴニク州で修道院が略奪にあい近隣住...
家令ヴラディスラフの報告に苦渋の表情を浮かべるのはセルビ...
父王の指名により８年前に即位したものの、その政権基盤は脆...
#ref(001_1204.jpg,nolink)
セルビア王ステファン２世ネマニッチ
>「元帥、守備隊は何をしておったのだ？ドゥブロヴニクは商業...
>「襲撃された修道院は王領とフム伯領の境界に近く、防衛の任...
伯は兵を出さなかった。
フム伯ペータルは王の従兄弟であるが、主従とは名ばかりで封...
また、ステファンの兄ドゥクリャ公ヴカンも私的に王を名乗り...
父王が王国を統一してからまだ30年しか経っておらず、地方で...
ヴカンもペータルも王族であり王を助けるために兵を出しても...
また、兄弟を殺して王位に就いた父王や兄を差し置いて王位を...
#ref(012_1204.jpg,nolink)
ネマニッチ王家系図 ステファン２世は一族の末流にあたる
#ref(009_1204.jpg,nolink)
ドゥクリャ公ヴカン ステファンの長兄 史実では弟と王位を...
こんな小さな国もまともに統治出来ていないのが現実であった。
それでも独立が維持できているのは東ローマ帝国の後ろ盾があ...
ステファンの前の王妃エウドキアは廃位された東ローマ皇帝ア...
帝国は往時の力を失って久しいが、それでもバルカン諸国に対...
しかしその僅かばかりの影響力もこの日をもって終わりを迎え...
この日、コンスタンティノープルが陥落し東ローマ帝国は滅亡...
**ラテン帝国とビザンツ亡命政権 [#j456db7d]
コンスタンティノープルを征服した十字軍はエジプトに向かう...
旧東ローマ帝国領にはラテン帝国が建国され、フランドル公（...
ラテン帝国はギリシャのビザンツ残存勢力（アテネ・アカイア...
また、旧ビザンツ皇族たちも各地に亡命政権を建て帝都奪還の...
その代表はトレビゾント帝国（ゲームでは専制公国）、エピロ...
#ref(000_1204.jpg,nolink)
1204年のバルカンとその周辺世界
#ref(004_1204.jpg,nolink)
ラテン帝国皇帝ボードゥアン 本命のモンフェラート侯ボニフ...
#ref(005_1204.jpg,nolink)
ニカイア帝国皇帝テオドロス アレクシオス３世の娘婿でステ...
帝国の滅亡は東欧・バルカン半島における秩序の崩壊を意味し...
すでに自立していたセルビアやブルガリアは元より、ブルガリ...
また、十字軍に便乗して地中海の覇権を確保したヴェネツィア...
特にドゥブロヴニク州の都市ラグーサはセルビア王領内にあり...
#ref(002_1204.jpg,nolink)
ハンガリー王イムレ 東欧の大国ハンガリーはクロアチア貴族...
#ref(003_1204.jpg,nolink)
ブルガリア王カロヤン セルビアと同じく新興国だが、こちら...
#ref(006_1204.jpg,nolink)
ヴェネツィア共和国元首エンリコ・ダンドロ 第四回十字軍の...
#ref(007_1204.jpg,nolink)
シチリア王フリードリヒ シチリア王国も地中海世界と深い繋...
13世紀初頭のバルカン周辺地域はまさに激動の時代であった。
このような時代に小国が生き延びる為にはどうすればよいので...
**粛清 [#w8de8a2e]
1204年5月22日
帝都陥落の報を受けたステファンは顧問団を招集した。
大臣ブラズ、元帥シメオン、家令ヴラディスラフ、密偵長スラ...
いずれも低い身分から王に取り立てられた者である。
新興の小国にも１つだけ利点があるとすれば、宮廷内に限って...
特権を享受する門閥層というものが形成されていないのである。
#ref(008_1204.jpg,nolink)
1204年5月現在の顧問団 ランダム生成にしてはまずまず。た...
>「反逆者ペータルからフム伯領を剥奪しこれを王領とする」
ステファンの唐突な発言は顧問たちに動揺を与えた。
>「陛下、お考え直し下さい。伯ペータルにどのような落ち度が...
家令ヴラディスラフの諫言は中世においては常識的な反応であ...
野盗退治に兵を出さないくらいで所領を剥奪するなどあり得な...
顧問団の中で唯一、王の真意を理解したのは大臣ブラズであっ...
反逆罪などといっているがそれは口実に過ぎない。王は諸侯を...
>「修道院を襲ったのはただの野盗にあらず。帝都を陥落させた...
大臣の賛同を受けて、元帥と宮廷主教もそれに続く。
密偵長と家令は未だ迷っていたが、もとより顧問団は王の助言...
王の意思を覆す事は出来ないのだ。
#ref(011_1204.jpg,nolink)
フム伯領剥奪の陰謀が組まれた
賛同者は顧問たちだけで十分だ。
さっそく使者が派遣され、伯領没収の王令が伝えられた。
>「王は気でも狂われたのか！？」
誇り高きフム伯が理不尽な命令を甘受するはずがない。
伯は領内の小領主たちに召集令を発したが手遅れであった。
伯を予測していた王軍は既に伯の居城近くまで迫っていたので...
#ref(010_1204.jpg,nolink)
フム包囲戦
包囲戦は１年以上続いたが、外部との接触を絶たれた状況でい...
1205年11月28日
フム伯ペータルは降伏し、伯領は王領に統合される事になった...
#ref(014_1205.jpg,nolink)
フム伯の乱終結
**セルビア正教会 [#c55f87e9]
1206年2月26日
王はデカニ司祭ニコディムの所領と聖職禄を剥奪した。
ニコディムは宮廷主教でもあり、フム伯領剥奪の陰謀にも加担...
功臣をも排除する非情な判断は家臣たちの反感を招く恐れがあ...
9世紀にキリスト教を受け入れて以来、セルビア人は敬虔な正教...
カトリックとは異なり正教には全信徒を導く宗教指導者は存在...
セルビアの教会も長年その権威に服してきており、帝国の崩壊...
しかしステファンはこれに異を唱えた。
セルビアが真に独立する為には、王権だけでなく教会も独立す...
保守的なニコディムはそれに反対していた。
1206年2月28日
ステファンは次兄ラストコをデカニ司祭に叙し、更にはセルビ...
勿論これは一方的な僭称であり、実態は王家の宮廷主教以上の...
#ref(016_1206.jpg,nolink)
セルビア総主教ラストコ 史実でも初代セルビア総主教となり...
教会の独立は多くの人民に支持された。
これで精神的にもギリシャ人支配から解放されたのである。
1206年3月9日
ステファンの長男ラドスラヴが13歳で夭折した。
#ref(017_1206.jpg,nolink)
後継者の死
長男の死は王に大きな悲しみをもたらしたが、それ以上に政治...
王には他に男子がおらず、このままでは長兄ヴカンの家系が王...
ステファン個人からすれば、実子がいない以上兄が後を継ぐこ...
しかし兄はドゥクリャ公としてゼタを統治している。
王家の権力基盤はラシュカとドゥブロヴニクの部族であり、ゼ...
>「陛下は一日も早く再婚なさるべきです」
大臣たちの請願はこうした部族対立をも背景にしていたのであ...
**王国の統一 [#c15de052]
>「ヴカン殿下の横暴は目に余ります」
王の元には兄を糾弾する声が次々と寄せられていた。
兄はむしろおとなしい性格であり、この糾弾は部族間の対立を...
しかしヴカンは王国最大の諸侯である。
正攻法では多大な犠牲を伴うことを覚悟しなくてはならない。
>「身柄を抑えるしかありますまい」
密偵長スラヴコの意見は卑怯には違いないが、犠牲は最小です...
王は決断した。
1206年6月20日
王は宮廷を訪問していたヴカンを逮捕し、全ての称号を剥奪し...
実の兄に対するにしてはあまりに酷い仕打ちである。
ステファンは兄に対して憎しみの情など持ってはいないし、人...
しかし王国の統一を果たすためには、王と対等の存在など許さ...
ヴカンは激昂したが囚われてしまった以上はどうすることも出...
#ref(018_1206.jpg,nolink)
ヴカン逮捕
ヴカンの失脚によって王国から諸侯は一掃された。
反対派の抵抗を気にする必要の無くなった王は王権法の改正を...
#ref(019_1206.jpg,nolink)
強力な王権を施行（当時のバージョンでは王権を何度も上げる...
同時に、王城の地を先祖伝来のラシュカから経済先進地域ドゥ...
東ローマ帝国の崩壊から僅か2年にして、ステファン２世は王国...
しかしセルビアの歴史に残るこの大王の治世は決して平坦なも...
尚、余談になるがこの兄弟は後年和解し、ヴカンはゼタ伯に叙...
ステファン２世の治世・前編へ[[AAR/ヘカトンケイルの門番/ス...
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*王国の統一 [#wb5e1de9]
**前史 [#q5aab21a]
***セルビア王国 [#j37fdfab]
セルビア人が現在のセルビアの地にやってきたのは７世紀初頭...
9世紀にはキリスト教を受け入れ東ローマ帝国の影響下に入った...
セルビアの社会はジューバとよばれる部族共同体から成り立っ...
12世紀後半、６つの部族集団の中で最も強大な勢力を誇るラシ...
ステファンは東ローマ帝国の権威を巧みに利用しながら競合す...
更には衰退期にあった東ローマ帝国からも独立し、1171年には...
セルビア王国の事実上の建国である。（国際的な承認を得るの...
晩年は修道士となり、末子ラストコ（聖サヴァ）と共にセルビ...
その努力は次代に実を結びセルビアは聖俗ともに独立国となる...
ステファン・ネマニャには３人の息子がいたが、彼が後継者に...
長男のヴカンはゼタの地を与えられ、ドゥウリャ公として弟ス...
末子ラストコは僧籍に入り、後にセルビア正教会の創始者とし...
***第二次ブルガリア [#v52929fa]
1018年に英主バシレイオス２世によって滅ぼされたブルガリア...
その間、独立を求めるブルガリア貴族たちの反乱は幾度と無く...
しかし12世紀半ばを過ぎた頃から状況は変わってくる。
マヌエル１世の失政もあり帝国は急速に衰退し、周辺諸民族が...
1185年、ペタルとアセンの兄弟は帝国からの独立を掲げ挙兵。...
後世、第二次ブルガリア帝国と呼ばれる民族国家である。（こ...
しかし独立間もない王国は内紛が絶えず、1196年にはアセンが...
ブルガリアがバルカンの強国として台頭するのは後を継いだ末...
**第四回十字軍 [#zce434a4]
1198年、教皇インノケンティウス３世が呼びかけた第四回十字...
しかし海上輸送を請け負うヴェネツィアはエジプトと通商協定...
それに加え、実際に現地に集合した諸侯は当初の３分の１に留...
協議の結果、十字軍はクロアチアの都市ザダル（ハンガリー領...
この時点ですでに聖戦の大義など失われているのであるが、そ...
アレクシオスは皇帝イサキオス２世の息子であったが、父帝は...
アレクシオスの提示した破格の条件に釣られた十字軍はコンス...
しかし即位したアレクシオス４世には十字軍との約束を履行す...
1204年、先帝アレクシオス３世の娘婿ムルヅフォロスは市民の...
５世は十字軍との協定を反故にする事で市民の支持を得るが、...
市内に住むヴェネツィア人が十字軍側についた事もあり帝都は...
コンスタンティノープルは略奪・暴行の限りを尽くされここに...
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コンスタンティノープルの陥落
**王国の現実 [#f8aa710a]
>「犠牲者は数百人と見られます。他にも家畜や農産物、それに...
1204年5月16日、この日の顧問会議も主な議題は跳梁する野盗へ...
ここ数年、王国全土で野盗被害が拡大し続けている。その原因...
エジプト征服を目的に出立したはずのこの武装集団は、目的地...
この日も王国領ドゥブロヴニク州で修道院が略奪にあい近隣住...
家令ヴラディスラフの報告に苦渋の表情を浮かべるのはセルビ...
父王の指名により８年前に即位したものの、その政権基盤は脆...
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セルビア王ステファン２世ネマニッチ
>「元帥、守備隊は何をしておったのだ？ドゥブロヴニクは商業...
>「襲撃された修道院は王領とフム伯領の境界に近く、防衛の任...
伯は兵を出さなかった。
フム伯ペータルは王の従兄弟であるが、主従とは名ばかりで封...
また、ステファンの兄ドゥクリャ公ヴカンも私的に王を名乗り...
父王が王国を統一してからまだ30年しか経っておらず、地方で...
ヴカンもペータルも王族であり王を助けるために兵を出しても...
また、兄弟を殺して王位に就いた父王や兄を差し置いて王位を...
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ネマニッチ王家系図 ステファン２世は一族の末流にあたる
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ドゥクリャ公ヴカン ステファンの長兄 史実では弟と王位を...
こんな小さな国もまともに統治出来ていないのが現実であった。
それでも独立が維持できているのは東ローマ帝国の後ろ盾があ...
ステファンの前の王妃エウドキアは廃位された東ローマ皇帝ア...
帝国は往時の力を失って久しいが、それでもバルカン諸国に対...
しかしその僅かばかりの影響力もこの日をもって終わりを迎え...
この日、コンスタンティノープルが陥落し東ローマ帝国は滅亡...
**ラテン帝国とビザンツ亡命政権 [#j456db7d]
コンスタンティノープルを征服した十字軍はエジプトに向かう...
旧東ローマ帝国領にはラテン帝国が建国され、フランドル公（...
ラテン帝国はギリシャのビザンツ残存勢力（アテネ・アカイア...
また、旧ビザンツ皇族たちも各地に亡命政権を建て帝都奪還の...
その代表はトレビゾント帝国（ゲームでは専制公国）、エピロ...
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1204年のバルカンとその周辺世界
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ラテン帝国皇帝ボードゥアン 本命のモンフェラート侯ボニフ...
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ニカイア帝国皇帝テオドロス アレクシオス３世の娘婿でステ...
帝国の滅亡は東欧・バルカン半島における秩序の崩壊を意味し...
すでに自立していたセルビアやブルガリアは元より、ブルガリ...
また、十字軍に便乗して地中海の覇権を確保したヴェネツィア...
特にドゥブロヴニク州の都市ラグーサはセルビア王領内にあり...
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ハンガリー王イムレ 東欧の大国ハンガリーはクロアチア貴族...
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ブルガリア王カロヤン セルビアと同じく新興国だが、こちら...
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ヴェネツィア共和国元首エンリコ・ダンドロ 第四回十字軍の...
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シチリア王フリードリヒ シチリア王国も地中海世界と深い繋...
13世紀初頭のバルカン周辺地域はまさに激動の時代であった。
このような時代に小国が生き延びる為にはどうすればよいので...
**粛清 [#w8de8a2e]
1204年5月22日
帝都陥落の報を受けたステファンは顧問団を招集した。
大臣ブラズ、元帥シメオン、家令ヴラディスラフ、密偵長スラ...
いずれも低い身分から王に取り立てられた者である。
新興の小国にも１つだけ利点があるとすれば、宮廷内に限って...
特権を享受する門閥層というものが形成されていないのである。
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1204年5月現在の顧問団 ランダム生成にしてはまずまず。た...
>「反逆者ペータルからフム伯領を剥奪しこれを王領とする」
ステファンの唐突な発言は顧問たちに動揺を与えた。
>「陛下、お考え直し下さい。伯ペータルにどのような落ち度が...
家令ヴラディスラフの諫言は中世においては常識的な反応であ...
野盗退治に兵を出さないくらいで所領を剥奪するなどあり得な...
顧問団の中で唯一、王の真意を理解したのは大臣ブラズであっ...
反逆罪などといっているがそれは口実に過ぎない。王は諸侯を...
>「修道院を襲ったのはただの野盗にあらず。帝都を陥落させた...
大臣の賛同を受けて、元帥と宮廷主教もそれに続く。
密偵長と家令は未だ迷っていたが、もとより顧問団は王の助言...
王の意思を覆す事は出来ないのだ。
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フム伯領剥奪の陰謀が組まれた
賛同者は顧問たちだけで十分だ。
さっそく使者が派遣され、伯領没収の王令が伝えられた。
>「王は気でも狂われたのか！？」
誇り高きフム伯が理不尽な命令を甘受するはずがない。
伯は領内の小領主たちに召集令を発したが手遅れであった。
伯を予測していた王軍は既に伯の居城近くまで迫っていたので...
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フム包囲戦
包囲戦は１年以上続いたが、外部との接触を絶たれた状況でい...
1205年11月28日
フム伯ペータルは降伏し、伯領は王領に統合される事になった...
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フム伯の乱終結
**セルビア正教会 [#c55f87e9]
1206年2月26日
王はデカニ司祭ニコディムの所領と聖職禄を剥奪した。
ニコディムは宮廷主教でもあり、フム伯領剥奪の陰謀にも加担...
功臣をも排除する非情な判断は家臣たちの反感を招く恐れがあ...
9世紀にキリスト教を受け入れて以来、セルビア人は敬虔な正教...
カトリックとは異なり正教には全信徒を導く宗教指導者は存在...
セルビアの教会も長年その権威に服してきており、帝国の崩壊...
しかしステファンはこれに異を唱えた。
セルビアが真に独立する為には、王権だけでなく教会も独立す...
保守的なニコディムはそれに反対していた。
1206年2月28日
ステファンは次兄ラストコをデカニ司祭に叙し、更にはセルビ...
勿論これは一方的な僭称であり、実態は王家の宮廷主教以上の...
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セルビア総主教ラストコ 史実でも初代セルビア総主教となり...
教会の独立は多くの人民に支持された。
これで精神的にもギリシャ人支配から解放されたのである。
1206年3月9日
ステファンの長男ラドスラヴが13歳で夭折した。
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後継者の死
長男の死は王に大きな悲しみをもたらしたが、それ以上に政治...
王には他に男子がおらず、このままでは長兄ヴカンの家系が王...
ステファン個人からすれば、実子がいない以上兄が後を継ぐこ...
しかし兄はドゥクリャ公としてゼタを統治している。
王家の権力基盤はラシュカとドゥブロヴニクの部族であり、ゼ...
>「陛下は一日も早く再婚なさるべきです」
大臣たちの請願はこうした部族対立をも背景にしていたのであ...
**王国の統一 [#c15de052]
>「ヴカン殿下の横暴は目に余ります」
王の元には兄を糾弾する声が次々と寄せられていた。
兄はむしろおとなしい性格であり、この糾弾は部族間の対立を...
しかしヴカンは王国最大の諸侯である。
正攻法では多大な犠牲を伴うことを覚悟しなくてはならない。
>「身柄を抑えるしかありますまい」
密偵長スラヴコの意見は卑怯には違いないが、犠牲は最小です...
王は決断した。
1206年6月20日
王は宮廷を訪問していたヴカンを逮捕し、全ての称号を剥奪し...
実の兄に対するにしてはあまりに酷い仕打ちである。
ステファンは兄に対して憎しみの情など持ってはいないし、人...
しかし王国の統一を果たすためには、王と対等の存在など許さ...
ヴカンは激昂したが囚われてしまった以上はどうすることも出...
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ヴカン逮捕
ヴカンの失脚によって王国から諸侯は一掃された。
反対派の抵抗を気にする必要の無くなった王は王権法の改正を...
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強力な王権を施行（当時のバージョンでは王権を何度も上げる...
同時に、王城の地を先祖伝来のラシュカから経済先進地域ドゥ...
東ローマ帝国の崩壊から僅か2年にして、ステファン２世は王国...
しかしセルビアの歴史に残るこの大王の治世は決して平坦なも...
尚、余談になるがこの兄弟は後年和解し、ヴカンはゼタ伯に叙...
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