AAR/フレイヤの末裔/盟主ギュリド(完結編)
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[[AAR/フレイヤの末裔/盟主ギュリド(後編)]]
**幕間「&ruby(フュード){復讐};」 [#n3ee8011]
'''我は五十と一つの戦さを闘った'''
'''多くの敵の苦しみこそ我が名誉であった'''
'''まさか我が死が蛇によるとは思いもしなかった'''
'''とはいえ運命とはしばしば我らの考えと異なるものだ'''
'''老いた豚の有様を知れば子豚共は鳴くだろう'''
'''我に与えられたこの所業を知ったなら'''
'''我が肉に潜り込み 痛みを強いて 血を啜る蛇について知...
'''我が命は最早これまで 獣によって奪われるのだ'''
'''――『ラグナル・ロズブロークのサガ』'''
&ref(Sigrudr.png);「母さん……ビルゲルが死んだよ」
&ref(Gyrid.png);「…………」
ギュリドの背にはぴくりとも動揺の気配がない。しかし、そ...
&ref(Sigrudr.png);「ビルゲルの身体は、父さんが持っていっ...
&ref(Sigrudr.png);「それでもう……ホーセンスには戻らないっ...
ウルフが下手人の正体を知った時の激昂ぶりを思い出して、...
しかし、シグルドは母に確認しなければならなかった。どれ...
&ref(Sigrudr.png);「……僕も、そう思ってる」
やはり、母の背に動揺は無い。文机に向かい、世界の全てか...
しかし、だからこそ、シグルドは母の事を理解しなければな...
&ref(Sigrudr.png);「ねえ、何でなの……?」
&ref(Sigrudr.png);「確かに僕もビルゲルは嫌いだった。傲慢...
&ref(Sigrudr.png);「でも、死ななきゃいけない程じゃなかっ...
&ref(Gyrid.png);「…………」
シグルドの悲痛な声に何かを感じたのか、ギュリドの気配が...
ならば、と、柄にも無く大きな声で、シグルドは問う。今問...
&ref(Sigrudr.png);「ねえ、何でさ! 僕やビルゲルや、ギュ...
&ref(Sigrudr.png);「母様がスコーネを僕に分けた時から疑問...
&ref(Sigrudr.png);「『ただの生前分与だろ』って僕は言った...
&ref(Sigrudr.png);「スヴィドヨッドが分割相続だからって、...
&ref(Sigrudr.png);「僕はビルゲルが皇帝でも構いやしなかっ...
シグルドは問いながら、自分の質問の目的がどこにあるのか...
&ref(Sigrudr.png);「ねえ……母さん……。なんで僕じゃなきゃい...
シグルドは、自分が母に何かを求めている事に気付いていな...
しかし、彼の心は求めていた。母が、何らかの人間性によっ...
&ref(Gyrid.png);「&ruby(スヴェリエ){スウェーデン};」
と、ギュリドが言った。
&ref(Sigrudr.png);「え……?」
&ref(Gyrid.png);「……ビルゲルは、『スヴェリエ』って言うの」
シグルドには、母が何を意図しているのかが解らないままだ...
&ref(Gyrid.png);「それに、『ゴートランド』を『イェートラ...
&ref(Gyrid.png);「&ruby(ゲーボ){G};と&ruby(ヤラ){J};の区...
&ref(Gyrid.png);「……『解り難い』って何度も言ったのに」
シグルドの背が凍る。余りにも異なる倫理に直面して、思考...
&ref(Sigrudr.png);「そんな……理由で……?」
&ref(Gyrid.png);「……?」
間の抜けた声を上げるシグルドに漸くで振り返ったギュリド...
&ref(Sigrudr.png);「と、父さんは、&ruby(フュード){復讐};...
&ref(Gyrid.png);「……&ruby(フュード){復讐};」
ギュリドは小さな溜息と共にその言葉を繰り返した。
&ruby(フュード){復讐};、&ruby(フュード){血讐};、&ruby(...
同じ言葉がニュアンスを少しずつ変えながら幾度も反芻され...
&ref(Gyrid.png);「死んでしまうのに」
どの道、誰も彼も死んでしまうのに。なぜそんな簡単な事が...
しかし、歴史を遡ればノルド人がキリスト教徒を単なる獲物...
&ref(Gyrid.png);「フフッ……」
思わず笑いが零れていた。折りしもエストニアでは、時を超...
*盟主ギュリド(完結編) 9.21.1040~ [#v86a2935]
**中東留学 [#hfff2f93]
上記の日付からは少々遡るが、今回は予告通りにギュリドが...
&ref(星.png);
残されている断片的な資料によれば、ギュリドは天文台で星...
ノルド人にとっての天文学は航海術と不可分であったが、逆...
&ref(アラブ留学.png);
しかし、彼女の学究心はそこに留まらず、当時天文学の本場...
&ref(マッドアラブ.png);
そして、ついにはその人物との接触に成功し、膨大な黄金と...
&ref(勉強と狂気と魔術.png);
宮廷に戻ってからは憑かれた様にその解読に没頭し……その知...
しかし、肝心の天体の正体や、その書物については、今では...
**大聖戦の成果と、東方領域の分離、そして「盟主の三王冠」...
&ref(剥奪.png);
終戦講和時、オスムンド2世はイングランド王位をギュリドに...
とはいえ、ギュリドの卓抜な政務能力を以ってしてもイング...
こうしてイングランド領内に授封を享けた者は六名。
・東アングリア大族長にはスロヴェンスキー氏族のゲイル
・エセックス大族長にはナッドオオア氏族のキャルタン
・ウィッチェ大族長にはアフ・アケルスフス氏族のスヴェン
・ランカスター大族長にはウィルクス氏族のオッド
・マーシア大族長にはアフ・ウィッティンゲン氏族のオイス...
・リンカン族長にはクニュットリング氏族のエムンド
恐らくは力を持たせ過ぎない為に、彼らは何れも所領を持た...
しかし、それでも膨大化した直臣数は民会の許容量をオーバ...
&ref(プスコフ独立.png);
プスコフ大族長・スロヴェンスキー氏族のトールドと……
&ref(ホルムガルド独立.png);
ホルムガルド大族長・トョルフィ氏族の"誘惑者"ヘルギ2世と……
&ref(リトアニア独立.png);
リトアニア女王・フローニ氏族の"フレイの剣"ハフリドら、...
&ref(シグルド2.png);
加えて、この時にギュリドの次男・シグルドが双子の兄であ...
この東方領域の思い切った分離は家臣達を大いに驚かせた。...
しかし、この時点でギュリドの擁していた王冠はデンマーク...
これに対してギュリドは民会でこの様に答えたという。
&ref(Gyrid.png);「スカジの地はノルドの永遠の故郷よ」
&ref(Gyrid.png);「デーン、ノース、スヴェアを統べる三王冠...
&ref(Gyrid.png);「それに、私達の盟約は信仰によって結びつ...
&ref(Gyrid.png);「……でも、イングランドについては、試して...
この宣言は「盟主の三王冠宣言」として重んじられる事とな...
とはいえ、この時点ではスウェーデン王冠の権威は低く、分...
しかし、その真意は1043年の4月に明らかになる。
**ビルゲルとシグルド [#vad49f78]
イングランド獲得と東方領域の分離から約2年半の間、スカン...
&ref(ビルゲル暗殺.png);
皇太子・ビルゲルが、その近衛によって殺害されたのである。
下手人はビルゲルの就寝中に室内に侵入した。運良く目を覚...
こうなると、ギュリドによる子殺しの疑惑が浮上するのは当...
ギュリドはこの疑惑に対して沈黙を守った様であるが、動機...
加えて……
&ref(ビルゲル.png);
……ビルゲルは傲慢且つ強欲な上に残忍で、母とは異なり学問...
この事件の直後にギュリドは大民会を開き、自らの研究成果...
&ref(総督制では?.png);
大族長を終身制の地方総督に任じる事による属州支配柔軟化...
一部反発はあったものの、名代としての王権であるとは言え...
&ref(総督制.png);
そうして、ものの数ヶ月で総督制度は可決された。イングラ...
&ref(シグルド.png);
ビルゲルの死によって皇太子となったギュリドの次男、つま...
シグルドは祖父・ハルステンや、若き日のギュリドと同様に...
ビルゲルの死と、シグルドの総督任命。これによって三王位...
また、皇配・ウルフはその2ヶ月後に風邪をこじらせて44歳で...
彼はビルゲルも深く愛しており、ビルゲルを殺したギュリド...
**白シャツの&ruby(フュード){復讐};と、第三次・大異教軍。 ...
丁度その頃、フォース湾にそれは現れた。
&ref(Eilif.png);「ノーサンブリアの王・サイネルフよ、この...
&ref(Eilif.png);「汝の父から、祖父から、曽祖父から、我ら...
&ref(Eilif.png);「我はローンヴァルドの子、トティル残酷王...
&ref(Eilif.png);「即ち"&ruby(ヴィットセルク){白シャツ};"...
&ref(Eilif.png);「エッラの末裔よ、老い豚と同じく蛇穴で鳴...
100隻もの竜船を並べ、1万2千人を超えるノルド戦士がノーサ...
&ref(ノーサンブリア.png);
この侵略は、フレイによってレヴァル族長に封じられ、ヴァ...
&ref(エイリフ.png);
ヴィットセルク氏族の長にしてエストニア大族長・エイリフ。...
白シャツにとってノーサンブリアは因縁の地である。彼らは...
結局、ハルフダンはヨルヴィクの割譲は達成したものの、フ...
エイリフは氏族の悲願ともいえる&ruby(フュード){復讐};を...
サイネルフはブリテン島・アイルランド諸侯に救援を求める...
&ref(包囲?.png);
しかし各軍の合流が不完全な状態でチュートン騎士団から撃...
大聖戦に続けて起こったこの戦いにキリスト教徒達は悲鳴を...
&ref(ケント.png); &ref(ケント聖戦.png);
ケント王・イアン・デ・ギードとケント王国。イアンは暴飲暴...
因みにへースティング家の家祖はブレイス(ブルターニュ)を...
1044年初頭、ケント王国に聖戦を布告したのである。
ケント王・イアン・デ・ギードは周辺国に援軍を要請したが...
更に……
&ref(ブリソニア.png);
ブリソニア王・クステニン2世。十字軍で武を誇ったエンフィ...
エンフィダイ禿頭王は1043年にノーサンブリアで戦死しており...
ギュリドの甥であるゲルレ大族長・シグビョルンが、ブリソ...
&ref(シグビョルン.png);
ゲルレ大族長・"若き"シグビョルン。「熊に勝る者」の名の通...
ギュリドの妹・"賢明なる"アルフリドの息子であるが、子殺し...
第一・第二の大異教軍は失敗に終わったが、盟約を得た第三...
しかし……
*幕間「兆し」 [#z2066fd9]
象限儀を覗き込むと、無数の光が錯綜する夜宙。
ノルド人にとって星々の光は&ruby(ムスペルヘイム){炎の国}...
&ref(Gyrid.png);「……」
ギュリドはそこから多くの事を知っていた。あらゆる勝利を...
ビルゲルの死は、単にそういう事だった。彼の星が光を消し...
ギュリドには、今ブリテンで起こっている事が、単なる前哨...
フランクを構成する星々が、まもなく混沌に呑まれるのを、...
北海を中心に、長い長い戦いが、始まろうとしているのが。
&ref(Gyrid.png);「あ……」
ふと、その中心にある星を見ようと角度を変えたら、自分の...
それは「オーディンの車」と呼ばれる七ツ星の傍で、幽かな...
&ref(Gyrid.png);「アルフリド……」
それが、アルフリドの星である事がギュリドには直感できた。
すると、ギュリドの星の周囲に、次々にそんな幽かな星々が...
&ref(Gyrid2.png);「父様、爺や……ヘルギ……」
そして、一際強い光を放って……
&ref(Gyrid2.png);「かあさま……」
ギュリドの魂は巨大な石のアーチを滑り出して、彼女らと合...
心が、孤独の終わる安らぎに満たされていく。
&ref(Gyrid2.png);「私、賢くなったよ……」
&ref(Gyrid3.png);「言葉もたくさん、覚えたよ……」
&ref(Gyrid3.png);「かあさまや、アルフリドみたいに、なれた...
微笑む家族達の中へ浮遊しながら
ギュリドの星が少しずつ
光を消していった。
**1045年1月12日 盟主ギュリド、崩御。 [#v9fa1f75]
&ref(崩御.png);
徴収兵の編成が終わり、漸くケントでの攻囲戦が始まったと...
愚鈍と呼ばれて育ち、余りにも幼いまま両親を喪い、戴冠し...
天才とも狂人言われ、悪女とも聖女とも看做される彼女を一...
何と言っても彼女の大聖戦を含めた第三次・大異教軍が、中...
&ref(地図.png);
1046年初頭、スカンジナヴィア帝国とその周辺勢力図。東欧~...
|[[AAR/フレイヤの末裔/盟主シグルド]]へ続く。|
終了行:
[[AAR/フレイヤの末裔]]
[[AAR/フレイヤの末裔/盟主ギュリド(後編)]]
**幕間「&ruby(フュード){復讐};」 [#n3ee8011]
'''我は五十と一つの戦さを闘った'''
'''多くの敵の苦しみこそ我が名誉であった'''
'''まさか我が死が蛇によるとは思いもしなかった'''
'''とはいえ運命とはしばしば我らの考えと異なるものだ'''
'''老いた豚の有様を知れば子豚共は鳴くだろう'''
'''我に与えられたこの所業を知ったなら'''
'''我が肉に潜り込み 痛みを強いて 血を啜る蛇について知...
'''我が命は最早これまで 獣によって奪われるのだ'''
'''――『ラグナル・ロズブロークのサガ』'''
&ref(Sigrudr.png);「母さん……ビルゲルが死んだよ」
&ref(Gyrid.png);「…………」
ギュリドの背にはぴくりとも動揺の気配がない。しかし、そ...
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&ref(Sigrudr.png);「それでもう……ホーセンスには戻らないっ...
ウルフが下手人の正体を知った時の激昂ぶりを思い出して、...
しかし、シグルドは母に確認しなければならなかった。どれ...
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やはり、母の背に動揺は無い。文机に向かい、世界の全てか...
しかし、だからこそ、シグルドは母の事を理解しなければな...
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&ref(Sigrudr.png);「確かに僕もビルゲルは嫌いだった。傲慢...
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シグルドの悲痛な声に何かを感じたのか、ギュリドの気配が...
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シグルドは問いながら、自分の質問の目的がどこにあるのか...
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&ref(Sigrudr.png);「え……?」
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シグルドには、母が何を意図しているのかが解らないままだ...
&ref(Gyrid.png);「それに、『ゴートランド』を『イェートラ...
&ref(Gyrid.png);「&ruby(ゲーボ){G};と&ruby(ヤラ){J};の区...
&ref(Gyrid.png);「……『解り難い』って何度も言ったのに」
シグルドの背が凍る。余りにも異なる倫理に直面して、思考...
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&ref(Gyrid.png);「……?」
間の抜けた声を上げるシグルドに漸くで振り返ったギュリド...
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&ref(Gyrid.png);「……&ruby(フュード){復讐};」
ギュリドは小さな溜息と共にその言葉を繰り返した。
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どの道、誰も彼も死んでしまうのに。なぜそんな簡単な事が...
しかし、歴史を遡ればノルド人がキリスト教徒を単なる獲物...
&ref(Gyrid.png);「フフッ……」
思わず笑いが零れていた。折りしもエストニアでは、時を超...
*盟主ギュリド(完結編) 9.21.1040~ [#v86a2935]
**中東留学 [#hfff2f93]
上記の日付からは少々遡るが、今回は予告通りにギュリドが...
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残されている断片的な資料によれば、ギュリドは天文台で星...
ノルド人にとっての天文学は航海術と不可分であったが、逆...
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しかし、彼女の学究心はそこに留まらず、当時天文学の本場...
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そして、ついにはその人物との接触に成功し、膨大な黄金と...
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宮廷に戻ってからは憑かれた様にその解読に没頭し……その知...
しかし、肝心の天体の正体や、その書物については、今では...
**大聖戦の成果と、東方領域の分離、そして「盟主の三王冠」...
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終戦講和時、オスムンド2世はイングランド王位をギュリドに...
とはいえ、ギュリドの卓抜な政務能力を以ってしてもイング...
こうしてイングランド領内に授封を享けた者は六名。
・東アングリア大族長にはスロヴェンスキー氏族のゲイル
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・ウィッチェ大族長にはアフ・アケルスフス氏族のスヴェン
・ランカスター大族長にはウィルクス氏族のオッド
・マーシア大族長にはアフ・ウィッティンゲン氏族のオイス...
・リンカン族長にはクニュットリング氏族のエムンド
恐らくは力を持たせ過ぎない為に、彼らは何れも所領を持た...
しかし、それでも膨大化した直臣数は民会の許容量をオーバ...
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リトアニア女王・フローニ氏族の"フレイの剣"ハフリドら、...
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加えて、この時にギュリドの次男・シグルドが双子の兄であ...
この東方領域の思い切った分離は家臣達を大いに驚かせた。...
しかし、この時点でギュリドの擁していた王冠はデンマーク...
これに対してギュリドは民会でこの様に答えたという。
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この宣言は「盟主の三王冠宣言」として重んじられる事とな...
とはいえ、この時点ではスウェーデン王冠の権威は低く、分...
しかし、その真意は1043年の4月に明らかになる。
**ビルゲルとシグルド [#vad49f78]
イングランド獲得と東方領域の分離から約2年半の間、スカン...
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皇太子・ビルゲルが、その近衛によって殺害されたのである。
下手人はビルゲルの就寝中に室内に侵入した。運良く目を覚...
こうなると、ギュリドによる子殺しの疑惑が浮上するのは当...
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加えて……
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一部反発はあったものの、名代としての王権であるとは言え...
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ビルゲルの死によって皇太子となったギュリドの次男、つま...
シグルドは祖父・ハルステンや、若き日のギュリドと同様に...
ビルゲルの死と、シグルドの総督任命。これによって三王位...
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彼はビルゲルも深く愛しており、ビルゲルを殺したギュリド...
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100隻もの竜船を並べ、1万2千人を超えるノルド戦士がノーサ...
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この侵略は、フレイによってレヴァル族長に封じられ、ヴァ...
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ヴィットセルク氏族の長にしてエストニア大族長・エイリフ。...
白シャツにとってノーサンブリアは因縁の地である。彼らは...
結局、ハルフダンはヨルヴィクの割譲は達成したものの、フ...
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因みにへースティング家の家祖はブレイス(ブルターニュ)を...
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ケント王・イアン・デ・ギードは周辺国に援軍を要請したが...
更に……
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ブリソニア王・クステニン2世。十字軍で武を誇ったエンフィ...
エンフィダイ禿頭王は1043年にノーサンブリアで戦死しており...
ギュリドの甥であるゲルレ大族長・シグビョルンが、ブリソ...
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ゲルレ大族長・"若き"シグビョルン。「熊に勝る者」の名の通...
ギュリドの妹・"賢明なる"アルフリドの息子であるが、子殺し...
第一・第二の大異教軍は失敗に終わったが、盟約を得た第三...
しかし……
*幕間「兆し」 [#z2066fd9]
象限儀を覗き込むと、無数の光が錯綜する夜宙。
ノルド人にとって星々の光は&ruby(ムスペルヘイム){炎の国}...
&ref(Gyrid.png);「……」
ギュリドはそこから多くの事を知っていた。あらゆる勝利を...
ビルゲルの死は、単にそういう事だった。彼の星が光を消し...
ギュリドには、今ブリテンで起こっている事が、単なる前哨...
フランクを構成する星々が、まもなく混沌に呑まれるのを、...
北海を中心に、長い長い戦いが、始まろうとしているのが。
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ふと、その中心にある星を見ようと角度を変えたら、自分の...
それは「オーディンの車」と呼ばれる七ツ星の傍で、幽かな...
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それが、アルフリドの星である事がギュリドには直感できた。
すると、ギュリドの星の周囲に、次々にそんな幽かな星々が...
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そして、一際強い光を放って……
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心が、孤独の終わる安らぎに満たされていく。
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微笑む家族達の中へ浮遊しながら
ギュリドの星が少しずつ
光を消していった。
**1045年1月12日 盟主ギュリド、崩御。 [#v9fa1f75]
&ref(崩御.png);
徴収兵の編成が終わり、漸くケントでの攻囲戦が始まったと...
愚鈍と呼ばれて育ち、余りにも幼いまま両親を喪い、戴冠し...
天才とも狂人言われ、悪女とも聖女とも看做される彼女を一...
何と言っても彼女の大聖戦を含めた第三次・大異教軍が、中...
&ref(地図.png);
1046年初頭、スカンジナヴィア帝国とその周辺勢力図。東欧~...
|[[AAR/フレイヤの末裔/盟主シグルド]]へ続く。|
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