AAR/フレイヤの末裔/盟主ギュリド(前編)
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[[AAR/フレイヤの末裔]]
[[AAR/フレイヤの末裔/盟主インガ(後編)]]
**幕間「ヘルギ」 [#r14567ce]
'''「あんたの言う事は嘘ばっかりね。その毒舌を止めないな...
'''「でかい口を叩くなよフレイヤ、罪深い狂女め。お前が実...
'''――「古エッダ」神話詩のうち「ロキの口論」'''
&ruby(バールホール){火の間};。私はここが好き。暖かくて...
それに、とても解り易い。いつだって「&ruby(バール){火};...
炎はその明るさで、暗い世界を照らし出してくれる。人の眼...
光の無い場所は、そこに何があるのかも解らない。
&ruby(トステ){雷の石};は解り難い。爺やは雷じゃないし石...
&ruby(スヴェルケル){黒い槍};、解り難い。大臣は肌も髪も...
&ruby(ベルシ){熊};、解り難い。人なのに変だ。
&ruby(ステュルカル){激情と強情};、解り難い。いつも笑っ...
&ruby(インガ){女神};。お母様は解り易かった。本当に、女...
でも、ご先祖様達もやっぱり解り難い。
&ruby(アンラウフ){始める者};。解り難い。フローニの最初...
&ruby(カルル){自由民};。解り難い。&ruby(ヤルル){王様};...
&ruby(フレイ){美の男神};。解り難い。残ってる絵はどれも...
私は&ruby(ギュリド){神の美};、妹は&ruby(アルフリド){エ...
解り難い。「エーシル」も神様って意味だって聞いた。それ...
&ref(Helgi.png);「ギュリド……」
&ref(Gyrid.png);「……」
ヘルギ叔父様。&ruby(ヘルギ){聖なる人};。解り易い。お母...
一年振りに合っても直ぐに解るくらい奇麗な顔と、奇麗な名...
&ref(Helgi.png);「……そんなに見詰められると、少し話し難い...
&ref(Gyrid.png);「ん……」
私は叔父様を玉座に座らせて、そのマントに包まれながら、...
でも、叔父様が困るみたいだから、私は眼を、火の間を&ruby...
&ref(Helgi.png);「ギュリドは、私の事が好きか?」
&ref(Gyrid.png);「ん……」
叔父様は奇麗で、解り易いから、好き。誰かわかる。憶えら...
&ref(Helgi.png);「じゃあ、少しお願いをしても良いかな?」
&ref(Gyrid.png);「なに……?」
&ref(Helgi.png);「少し難しい話をするぞ。姉様が……つまり、...
&ref(Helgi.png);「姉様はとても賢い人だった、だから、この...
頭の後ろを叔父様の声がとんとん叩く。それが気持ち良くて...
&ref(Helgi.png);「でも、姉様が死んでしまったから、今では...
&ref(Gyrid.png);「爺やとか、スクルドは……?」
&ref(Helgi.png);「確かに賢い人達だ。でも、姉様ほどじゃあ...
&ref(Helgi.png);「姉様ほど賢い人は今この国にはいない。で...
私を包むマントの中、叔父様が私を抱き締める力が強くなる...
&ref(Helgi.png);「その為には……ギュリドがそう決めた、って...
&ref(Gyrid.png);「……いつ?」
&ref(Helgi.png);「もう直ぐさ。直ぐに来る」
叔父様がそう言うと、扉を乱暴に開いて、誰かが入って来た。
&ref(Toste.png);「玉座から降りられませよ」
爺やだ。
&ref(Helgi.png);「よく見ろ摂政殿、これは盟主猊下の御命だ」
&ref(Toste.png);「…………。では、何の御用でホーセンスへ? ...
&ref(Helgi.png);「不要だ。ヴォルガストからベルゲンの道中...
&ref(Toste.png);「それで門兵に口止めまでしての入城とは……...
爺やは嫌いだ。私が叔父様とくっついていると、いつも離そ...
&ref(Helgi.png);「お前から報せられると、再会の驚きが減る...
&ref(Helgi.png);「盟主猊下は帝権を一時縮小し、諸族長によ...
&ref(Toste.png);「……っ!?」
&ref(Helgi.png);(ギュリド、言うんだ)
叔父様の指が耳を撫でる。それが心地よくて、私の口は勝手...
&ref(Gyrid.png);「命じる……」
&ref(Toste.png);「……言わせたな、ヘルギッッ!!」
&ref(Helgi.png);「私が去ってから勅令を覆すか? 摂政の専...
叔父様は両腕で私を抱えて立ち上がると、私をゆっくりと玉...
どうでも良かった。ただ、また叔父様から離れなければいけ...
&ref(Gyrid.png);「ヘルギ……」
&ref(Helgi.png);「また逢いに来るぞギュリド。美人に育てよ」
叔父様は、私の左手を取って、指の背に口付けた。「大陸風...
&ref(Helgi.png);「……その時、お前の&ruby(ハイル){天恵};は...
*盟主ギュリド 10.18.1006~[#yd71ac48]
**亀裂だらけの再統一 [#g7232e9c]
&ref(戴冠式.png);
ギュリドの盟主就任式と戴冠式は聖地ウプサラに程近いスヴ...
アスビョルンの変以降、二代(スヴィヨッド側からすれば五...
居並ぶ&ruby(ヤルル){族長};の視線を浴びながら、ギュリド...
&ref(Gyrid.png);「&ruby(サンティクト){承る};……」
と、その意味を理解する事も無いまま、&ruby(ことば){詞};...
ともかく、父・ハルステンの死で既にスヴィドヨッド女王で...
&ref(摂政トステ.png);
摂政トステ。あらゆる分野に高い能力を発揮した天才である。
老練の元帥でもあったが、摂政に指名されていた実際の理由は...
摂政はハルステンによって指名されていたベルグスラーゲン...
トステが先ず行った事は……
&ref(クロターレ!?.png);
なんとクロターレの釈放である((牢屋の中にこいつを見つけ...
それにしても、「ネヘレニア戦争」に始まって幾度もノルド...
続けて、ギュリドの継承した領土の整理である。というのも...
因みに、フィンランド王・ヘルギはポメラニア王位を継承し...
先ず、フィンランド族領は&ruby(デジュリ){慣習領土};通り...
&ref(グリム.png);
1015年頃のグリム。残酷且つ好色なヴァイキングとして名の知...
スヴィドヨッドの直轄地をあっさりと手放したこの授封は、...
&ref(リトアニー.png); &ref(ハフリド.png);
また、スヴィドヨッドの統合によって大半が帝国版図となっ...
&ref(王権低下.png); &ref(ヘルギの要求.png);
そして、幼い女盟主に対する不安と不満を少しでも和らげよ...
これらの処理が終わると、トステは「できる限り何もしない...
二代続いての&ruby(フィルクヤ){女盟主};、しかも余りにも...
トステはそれら派閥にヘルギが手を貸さぬように、大臣・ス...
&ref(スヴェルケル.png);
大臣であるノールランド大族長・スヴェルケル。リンダ妃の出...
ステンボック氏族は代々交渉術の秘伝を継承しており、歴代大...
帝国内は、いつ、どこで、誰が、何の名目で盟主に弓を引い...
常駐軍は中フランクに残って略奪を続けて、軍資金を掻き集...
それを率いていたのはホルムガルド大族長・アストリドの元...
&ref(ゴルム.png);
スロヴェンスキー氏族のゴルム。謙虚で野心を持たない、純粋...
&ref(略奪2.png); &ref(略奪1.png);
ゴルムはカリスマ的な指揮官で、略奪隊の規模に倍する討伐...
クロターレの身代金と合わせて、帝国の国庫には大量の金塊...
**盟主教育 [#v95e6775]
ギュリドはフローニ氏族の特質ともいえる美貌を幼少の頃か...
彼女の妹・アルフリドも内向的だったというが、容姿に際立...
ともかく、ギュリドの教育をインガから引き継いだのは、ナ...
&ref(スクルド.png);
ナッドオオア氏族のスクルド。その政務能力を買われての教育...
この女性は二代目盟主・フレイが妃・ギュリドの死後に娶っ...
&ref(内気.png); &ref(しかられた…….png); &ref(短気.png);
スクルドは優れた教師ではあった。彼女を強く律しながらも...
帝国内の緊張が高まる中、スクルドは何とかギュリドを盟主...
しかし、1010年11月下旬、ギュリドが盟主座について4年と1...
**ヴァニル戦争 [#t3058a58]
&ref(Hrane.png);「&ruby(ヘリグ・フィルクヤ){盟主猊下};に...
&ref(Hrane.png);「かのカルル帝がそれを認め、定められた選...
&ref(Hrane.png);「反して、長子相続は&ruby(ハイル){天恵};...
&ref(Hrane.png);「エーシルとヴァニルの仲介者として、盟約...
&ref(Hrane.png);「これは叛意に非ず、猊下の&ruby(ハイル){...
&ref(Toste.png);「ハイコネンの若き長よ、ギュリド猊下の御...
&ref(Toste.png);「『&ruby(ハイル){天恵};とは氏族の魂であ...
&ref(Toste.png);「『盟約は優れる氏族を尊ぶ。これを違える...
&ref(Hrane.png);「然れば、氏族の幼き長に申し伝えよ。『戦...
&ref(Toste.png);「良かろう、戦いよ在るべし! あの姦夫に...
&ref(内乱開始.png); &ref(ホラーネ.png);
要求の声明と、派閥の頭目・ホラーネ。ホルムガルド大族長・...
1010年10月下旬、フィンランド大族長・ホラーネ2世を中心に...
こうして、派閥はそのまま叛乱軍として挙兵した。このホラ...
&ref(ヘルギ.png);
ヘルギ王。妻の外に1人の愛妾と、何と5人もの恋人を持つ色男...
そして、ノルウェー=フィンランド=ポメラニア王にしてギ...
いや、この内乱の実際の仕掛け人がこの男であった事はほぼ...
&ref(反乱地図.png);
叛乱軍の支配する版図は南と東からユラン~シェランを包囲...
&ref(ユラン周り.png);
しかしトステも流石に古強の元帥である。ユランとスヴィド...
大きな損失も無くゴルムの快進撃は続き、内乱が始まって半...
しかし、叛乱者達は、想像以上に強かであった。
&ref(Tryggve.png);「幼きギュリドよ、その小さな手にこの広...
&ref(Tryggve.png);「その帝冠はスカジの地に収め、我ら&ruby...
&ref(Tryggve.png);「或いは、三つのフローニが争い流れる血...
&ref(反乱拡大.png);
1011年6月、東方領域の派閥が内乱に乗じて独立を求めたので...
決め手となったのは……
&ref(トリュッヴェ.png);
独立派閥頭目・トリュッヴェ。ハルステンにエストニア大族長...
独立派の版図には、スカンジナヴィア帝国の&ruby(デジュリ)...
慣習領土の回収はインガによって完遂され、帝国領土は漸く...
しかし、これは危険な勝負であった。独立派はエストニア大...
&ref(アストリド.png);
インガの寵愛を享け、帝国の持つロシア領域の大部分を与え...
しかも、前述した大将軍・ゴルムはリュキ族長……つまり、ア...
ともかく、スカンジナヴィア帝国は、二つの大規模な叛乱軍...
王権の縮小による帝軍の弱体化と、この独立派の決起……ホラ...
&ref(反乱地図2.png); &ref(反乱地図3.png);
叛乱軍の版図は帝国領土の半分近くにも及び、兵力の総数で...
**ヴァン神族の系譜 [#o002cf84]
この戦いは「ヴァニル戦争」と呼ばれる。それというのも、...
&ref(家系図.png);
ついでにフローニ家の系譜を整理してみよう。
家祖・フレイヤには四人の子がいた。第一子(長女)・リン...
男系優先の相続によって家督を継いだのは長男のアンラウフ...
長女・リンダはホルムガルドのリューリク家に嫁いだが、男...
次女・ギュラは女系結婚によってムンソ家の婿を取り、彼女...
つまり、この世代まで系譜を繋いでいるのはアンラウフとギ...
アンラウフの系譜は「直系フローニ」または「アンラウフ氏...
直系フローニの長・インガとスウェーデン系フローニの長・...
ここで、この内乱の主要人物3人の系譜について考えてみると...
先ず、二大フローニの合流点であるギュリド。
そして、男系によれば「アンラウフ氏族」の直系子であるヘ...
最後に、ビョルン2世の三男・インギャルドの子、つまりスウ...
これは「三人のフローニの戦い」であるだけでなく、「三種...
そしてもう一人……
**意外過ぎる乱入者 [#kac61748]
独立派が挙兵した翌月、二つの叛乱軍へ対応するべく議論の...
&ref(Sveinn.png);「アフ・ハイコネンのホラーネよ、盟約者の...
&ref(Sveinn.png);「逆臣・ヘルギの臣下に置かれた事で、自ら...
&ref(Sveinn.png);「我が優れた戦士の一人にしてオストランデ...
&ref(Sveinn.png);「オストランデをユート氏族に返上せよ。&r...
&ref(ハーラル.png);
ヨムスヴァイキングの戦長、インリング氏族のスヴェインが...
磐石な盟主体制はヨムスにとって重要な関心事である。スヴ...
オストランデ大族長は彼の甥・シグルドで、前大族長はシグ...
この誰にとっても予想外だったスヴェインの参戦は、ホラー...
&ref(講和の提案.png);
ホラーネは慌ててホーセンスに使者を送り、白紙停戦を提案...
&ref(Gyrid.png);「……続けて」
しかし……ギュリドはゆるゆると首を横に振り、経戦を求めた...
だが、ギュリドは頑として首を縦に振らなかった。それは、...
&ref(カオス.png); &ref(オストランデ.png);
こうして、ヨムスヴァイキングが挙兵し、艦隊でノルウェー...
**ロシアの戦い [#b87efa30]
トステはギュリドの決定に頭を痛ませながらも、ホラーネ軍...
因みにこの頃に、戦費として溜め込まれていた国庫は完全に...
&ref(ロシアン.png); &ref(スモレンスク.png);
1012年の年末から1013年の年始頃、帝軍はフィンランドに到...
十分な余力を持って撤退したトリュッヴェの軍は更に南方に...
&ref(疫病.png);
1015年3月、フィンランド南部で、発疹チフスが流行したので...
&ref(撤退!.png);
そして、「首都」奪還の為に、未だ7000名以上を残す叛乱軍...
*1015年3月9日 盟主ギュリド、成人。 [#i73462e8]
&ref(ギュリド成人.png);
因みに、摂政トステはこの前年に老死している。帝国と盟主...
敵にも味方にも最も恐れられた女盟主の親政は、こうして開...
|[[AAR/フレイヤの末裔/盟主ギュリド(中編)]]に続いて欲し...
終了行:
[[AAR/フレイヤの末裔]]
[[AAR/フレイヤの末裔/盟主インガ(後編)]]
**幕間「ヘルギ」 [#r14567ce]
'''「あんたの言う事は嘘ばっかりね。その毒舌を止めないな...
'''「でかい口を叩くなよフレイヤ、罪深い狂女め。お前が実...
'''――「古エッダ」神話詩のうち「ロキの口論」'''
&ruby(バールホール){火の間};。私はここが好き。暖かくて...
それに、とても解り易い。いつだって「&ruby(バール){火};...
炎はその明るさで、暗い世界を照らし出してくれる。人の眼...
光の無い場所は、そこに何があるのかも解らない。
&ruby(トステ){雷の石};は解り難い。爺やは雷じゃないし石...
&ruby(スヴェルケル){黒い槍};、解り難い。大臣は肌も髪も...
&ruby(ベルシ){熊};、解り難い。人なのに変だ。
&ruby(ステュルカル){激情と強情};、解り難い。いつも笑っ...
&ruby(インガ){女神};。お母様は解り易かった。本当に、女...
でも、ご先祖様達もやっぱり解り難い。
&ruby(アンラウフ){始める者};。解り難い。フローニの最初...
&ruby(カルル){自由民};。解り難い。&ruby(ヤルル){王様};...
&ruby(フレイ){美の男神};。解り難い。残ってる絵はどれも...
私は&ruby(ギュリド){神の美};、妹は&ruby(アルフリド){エ...
解り難い。「エーシル」も神様って意味だって聞いた。それ...
&ref(Helgi.png);「ギュリド……」
&ref(Gyrid.png);「……」
ヘルギ叔父様。&ruby(ヘルギ){聖なる人};。解り易い。お母...
一年振りに合っても直ぐに解るくらい奇麗な顔と、奇麗な名...
&ref(Helgi.png);「……そんなに見詰められると、少し話し難い...
&ref(Gyrid.png);「ん……」
私は叔父様を玉座に座らせて、そのマントに包まれながら、...
でも、叔父様が困るみたいだから、私は眼を、火の間を&ruby...
&ref(Helgi.png);「ギュリドは、私の事が好きか?」
&ref(Gyrid.png);「ん……」
叔父様は奇麗で、解り易いから、好き。誰かわかる。憶えら...
&ref(Helgi.png);「じゃあ、少しお願いをしても良いかな?」
&ref(Gyrid.png);「なに……?」
&ref(Helgi.png);「少し難しい話をするぞ。姉様が……つまり、...
&ref(Helgi.png);「姉様はとても賢い人だった、だから、この...
頭の後ろを叔父様の声がとんとん叩く。それが気持ち良くて...
&ref(Helgi.png);「でも、姉様が死んでしまったから、今では...
&ref(Gyrid.png);「爺やとか、スクルドは……?」
&ref(Helgi.png);「確かに賢い人達だ。でも、姉様ほどじゃあ...
&ref(Helgi.png);「姉様ほど賢い人は今この国にはいない。で...
私を包むマントの中、叔父様が私を抱き締める力が強くなる...
&ref(Helgi.png);「その為には……ギュリドがそう決めた、って...
&ref(Gyrid.png);「……いつ?」
&ref(Helgi.png);「もう直ぐさ。直ぐに来る」
叔父様がそう言うと、扉を乱暴に開いて、誰かが入って来た。
&ref(Toste.png);「玉座から降りられませよ」
爺やだ。
&ref(Helgi.png);「よく見ろ摂政殿、これは盟主猊下の御命だ」
&ref(Toste.png);「…………。では、何の御用でホーセンスへ? ...
&ref(Helgi.png);「不要だ。ヴォルガストからベルゲンの道中...
&ref(Toste.png);「それで門兵に口止めまでしての入城とは……...
爺やは嫌いだ。私が叔父様とくっついていると、いつも離そ...
&ref(Helgi.png);「お前から報せられると、再会の驚きが減る...
&ref(Helgi.png);「盟主猊下は帝権を一時縮小し、諸族長によ...
&ref(Toste.png);「……っ!?」
&ref(Helgi.png);(ギュリド、言うんだ)
叔父様の指が耳を撫でる。それが心地よくて、私の口は勝手...
&ref(Gyrid.png);「命じる……」
&ref(Toste.png);「……言わせたな、ヘルギッッ!!」
&ref(Helgi.png);「私が去ってから勅令を覆すか? 摂政の専...
叔父様は両腕で私を抱えて立ち上がると、私をゆっくりと玉...
どうでも良かった。ただ、また叔父様から離れなければいけ...
&ref(Gyrid.png);「ヘルギ……」
&ref(Helgi.png);「また逢いに来るぞギュリド。美人に育てよ」
叔父様は、私の左手を取って、指の背に口付けた。「大陸風...
&ref(Helgi.png);「……その時、お前の&ruby(ハイル){天恵};は...
*盟主ギュリド 10.18.1006~[#yd71ac48]
**亀裂だらけの再統一 [#g7232e9c]
&ref(戴冠式.png);
ギュリドの盟主就任式と戴冠式は聖地ウプサラに程近いスヴ...
アスビョルンの変以降、二代(スヴィヨッド側からすれば五...
居並ぶ&ruby(ヤルル){族長};の視線を浴びながら、ギュリド...
&ref(Gyrid.png);「&ruby(サンティクト){承る};……」
と、その意味を理解する事も無いまま、&ruby(ことば){詞};...
ともかく、父・ハルステンの死で既にスヴィドヨッド女王で...
&ref(摂政トステ.png);
摂政トステ。あらゆる分野に高い能力を発揮した天才である。
老練の元帥でもあったが、摂政に指名されていた実際の理由は...
摂政はハルステンによって指名されていたベルグスラーゲン...
トステが先ず行った事は……
&ref(クロターレ!?.png);
なんとクロターレの釈放である((牢屋の中にこいつを見つけ...
それにしても、「ネヘレニア戦争」に始まって幾度もノルド...
続けて、ギュリドの継承した領土の整理である。というのも...
因みに、フィンランド王・ヘルギはポメラニア王位を継承し...
先ず、フィンランド族領は&ruby(デジュリ){慣習領土};通り...
&ref(グリム.png);
1015年頃のグリム。残酷且つ好色なヴァイキングとして名の知...
スヴィドヨッドの直轄地をあっさりと手放したこの授封は、...
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また、スヴィドヨッドの統合によって大半が帝国版図となっ...
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そして、幼い女盟主に対する不安と不満を少しでも和らげよ...
これらの処理が終わると、トステは「できる限り何もしない...
二代続いての&ruby(フィルクヤ){女盟主};、しかも余りにも...
トステはそれら派閥にヘルギが手を貸さぬように、大臣・ス...
&ref(スヴェルケル.png);
大臣であるノールランド大族長・スヴェルケル。リンダ妃の出...
ステンボック氏族は代々交渉術の秘伝を継承しており、歴代大...
帝国内は、いつ、どこで、誰が、何の名目で盟主に弓を引い...
常駐軍は中フランクに残って略奪を続けて、軍資金を掻き集...
それを率いていたのはホルムガルド大族長・アストリドの元...
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スロヴェンスキー氏族のゴルム。謙虚で野心を持たない、純粋...
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ゴルムはカリスマ的な指揮官で、略奪隊の規模に倍する討伐...
クロターレの身代金と合わせて、帝国の国庫には大量の金塊...
**盟主教育 [#v95e6775]
ギュリドはフローニ氏族の特質ともいえる美貌を幼少の頃か...
彼女の妹・アルフリドも内向的だったというが、容姿に際立...
ともかく、ギュリドの教育をインガから引き継いだのは、ナ...
&ref(スクルド.png);
ナッドオオア氏族のスクルド。その政務能力を買われての教育...
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スクルドは優れた教師ではあった。彼女を強く律しながらも...
帝国内の緊張が高まる中、スクルドは何とかギュリドを盟主...
しかし、1010年11月下旬、ギュリドが盟主座について4年と1...
**ヴァニル戦争 [#t3058a58]
&ref(Hrane.png);「&ruby(ヘリグ・フィルクヤ){盟主猊下};に...
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&ref(Hrane.png);「エーシルとヴァニルの仲介者として、盟約...
&ref(Hrane.png);「これは叛意に非ず、猊下の&ruby(ハイル){...
&ref(Toste.png);「ハイコネンの若き長よ、ギュリド猊下の御...
&ref(Toste.png);「『&ruby(ハイル){天恵};とは氏族の魂であ...
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&ref(Toste.png);「良かろう、戦いよ在るべし! あの姦夫に...
&ref(内乱開始.png); &ref(ホラーネ.png);
要求の声明と、派閥の頭目・ホラーネ。ホルムガルド大族長・...
1010年10月下旬、フィンランド大族長・ホラーネ2世を中心に...
こうして、派閥はそのまま叛乱軍として挙兵した。このホラ...
&ref(ヘルギ.png);
ヘルギ王。妻の外に1人の愛妾と、何と5人もの恋人を持つ色男...
そして、ノルウェー=フィンランド=ポメラニア王にしてギ...
いや、この内乱の実際の仕掛け人がこの男であった事はほぼ...
&ref(反乱地図.png);
叛乱軍の支配する版図は南と東からユラン~シェランを包囲...
&ref(ユラン周り.png);
しかしトステも流石に古強の元帥である。ユランとスヴィド...
大きな損失も無くゴルムの快進撃は続き、内乱が始まって半...
しかし、叛乱者達は、想像以上に強かであった。
&ref(Tryggve.png);「幼きギュリドよ、その小さな手にこの広...
&ref(Tryggve.png);「その帝冠はスカジの地に収め、我ら&ruby...
&ref(Tryggve.png);「或いは、三つのフローニが争い流れる血...
&ref(反乱拡大.png);
1011年6月、東方領域の派閥が内乱に乗じて独立を求めたので...
決め手となったのは……
&ref(トリュッヴェ.png);
独立派閥頭目・トリュッヴェ。ハルステンにエストニア大族長...
独立派の版図には、スカンジナヴィア帝国の&ruby(デジュリ)...
慣習領土の回収はインガによって完遂され、帝国領土は漸く...
しかし、これは危険な勝負であった。独立派はエストニア大...
&ref(アストリド.png);
インガの寵愛を享け、帝国の持つロシア領域の大部分を与え...
しかも、前述した大将軍・ゴルムはリュキ族長……つまり、ア...
ともかく、スカンジナヴィア帝国は、二つの大規模な叛乱軍...
王権の縮小による帝軍の弱体化と、この独立派の決起……ホラ...
&ref(反乱地図2.png); &ref(反乱地図3.png);
叛乱軍の版図は帝国領土の半分近くにも及び、兵力の総数で...
**ヴァン神族の系譜 [#o002cf84]
この戦いは「ヴァニル戦争」と呼ばれる。それというのも、...
&ref(家系図.png);
ついでにフローニ家の系譜を整理してみよう。
家祖・フレイヤには四人の子がいた。第一子(長女)・リン...
男系優先の相続によって家督を継いだのは長男のアンラウフ...
長女・リンダはホルムガルドのリューリク家に嫁いだが、男...
次女・ギュラは女系結婚によってムンソ家の婿を取り、彼女...
つまり、この世代まで系譜を繋いでいるのはアンラウフとギ...
アンラウフの系譜は「直系フローニ」または「アンラウフ氏...
直系フローニの長・インガとスウェーデン系フローニの長・...
ここで、この内乱の主要人物3人の系譜について考えてみると...
先ず、二大フローニの合流点であるギュリド。
そして、男系によれば「アンラウフ氏族」の直系子であるヘ...
最後に、ビョルン2世の三男・インギャルドの子、つまりスウ...
これは「三人のフローニの戦い」であるだけでなく、「三種...
そしてもう一人……
**意外過ぎる乱入者 [#kac61748]
独立派が挙兵した翌月、二つの叛乱軍へ対応するべく議論の...
&ref(Sveinn.png);「アフ・ハイコネンのホラーネよ、盟約者の...
&ref(Sveinn.png);「逆臣・ヘルギの臣下に置かれた事で、自ら...
&ref(Sveinn.png);「我が優れた戦士の一人にしてオストランデ...
&ref(Sveinn.png);「オストランデをユート氏族に返上せよ。&r...
&ref(ハーラル.png);
ヨムスヴァイキングの戦長、インリング氏族のスヴェインが...
磐石な盟主体制はヨムスにとって重要な関心事である。スヴ...
オストランデ大族長は彼の甥・シグルドで、前大族長はシグ...
この誰にとっても予想外だったスヴェインの参戦は、ホラー...
&ref(講和の提案.png);
ホラーネは慌ててホーセンスに使者を送り、白紙停戦を提案...
&ref(Gyrid.png);「……続けて」
しかし……ギュリドはゆるゆると首を横に振り、経戦を求めた...
だが、ギュリドは頑として首を縦に振らなかった。それは、...
&ref(カオス.png); &ref(オストランデ.png);
こうして、ヨムスヴァイキングが挙兵し、艦隊でノルウェー...
**ロシアの戦い [#b87efa30]
トステはギュリドの決定に頭を痛ませながらも、ホラーネ軍...
因みにこの頃に、戦費として溜め込まれていた国庫は完全に...
&ref(ロシアン.png); &ref(スモレンスク.png);
1012年の年末から1013年の年始頃、帝軍はフィンランドに到...
十分な余力を持って撤退したトリュッヴェの軍は更に南方に...
&ref(疫病.png);
1015年3月、フィンランド南部で、発疹チフスが流行したので...
&ref(撤退!.png);
そして、「首都」奪還の為に、未だ7000名以上を残す叛乱軍...
*1015年3月9日 盟主ギュリド、成人。 [#i73462e8]
&ref(ギュリド成人.png);
因みに、摂政トステはこの前年に老死している。帝国と盟主...
敵にも味方にも最も恐れられた女盟主の親政は、こうして開...
|[[AAR/フレイヤの末裔/盟主ギュリド(中編)]]に続いて欲し...
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