AAR/フレイヤの末裔/盟主ギュリド(中編)
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[[AAR/フレイヤの末裔]]
[[AAR/フレイヤの末裔/盟主ギュリド(前編)]]
**幕間「深淵」 [#l5d287db]
'''私は風に吹き晒される樹に九日九夜我が身を吊るし'''
'''槍で自身を傷付け、オーディンに、即ち私自身に捧げた。'''
'''天に伸びるその樹が何処に根付くものか誰も知らなかった。...
'''誰も食事や飲物を恵む事をしなかったので、私は下を覗き込...
'''私はその時にルーン文字を理解してそれを叫び、下へ落ちた...
'''――「オーディンの箴言」137・138連目'''
それはホーセンスの地下牢の中でも最も奥まった場所へ続く...
その奥に、愛しい人が待っているから。
&ref(Gyrid.png);「ヘルギ……」
最奥の獄に着くと、ギュリドはその名前を呼ぶ。目には恍惚...
&ref(Helgi.png);「ギュ……リド…………」
俯いていた囚人が顔を上げる。それは確かにヘルギだった。...
元々の美男ぶりを知るものからすれば、それは余計に惨めに...
&ref(Helgi.png);「私が、悪かった……」
&ref(Helgi.png);「ノルウェーを、譲る……、盟主座も、お前の...
懸命に呟くヘルギに何ら応じる事なく、スクルドは牢の扉を...
&ref(Gyrid.png);「ヘルギ……&ruby(ヘルギ){聖なる人};……」
ギュリドの白い指が、愛しげにヘルギの顔に触れる。ヘルギ...
&ref(Helgi.png);「ギュリド……私の事が、好きだろう……?」
&ref(Gyrid.png);「うん……」
&ref(Helgi.png);「だったら……」
何度目の問答だろう。ここに来る度に繰り返されるヘルギの...
&ref(Skuld.png);(仮にも、インガ様の弟だというのに……なん...
インガは『シフの呪い』と戦いながら民会と争い、自分の意...
溜息一つ。スクルドは用件を開始する。
&ref(Skuld.png);「ヘルギ様、ヴォルガストからの使者を受け...
ヘルギの表情が一転明るくなる。ほつれた顎鬚をギュリドに...
&ref(Helgi.png);「そ、そうか! で、では私の&ruby(ウェル...
&ref(Skuld.png);「……ヘルギ様。貴方は自らの御身分を忘れて...
一転、ヘルギの顔が引きつる。スクルドの冷たい声音はどう...
&ref(Skuld.png);「言うまでもない事ですが、&ruby(ウェルゲ...
&ref(Skuld.png);「&ruby(カルル){自由民};であれば何オーレ...
&ref(Skuld.png);「しかし、ヘルギ様程の貴人であれば、相応...
ヘルギの奥歯がガチガチと鳴り始める。それでも、何とか説...
&ref(Helgi.png);「ま、待て! ヴォルガスト中をひっくり返...
&ref(Skuld.png);「……はい、そう思いまして、こちらからも視...
&ref(Helgi.png);「解った……! フィンランドも、ポメラニア...
&ref(Skuld.png);「一罪一罰。盟主猊下はヘルギ様から既にノ...
&ref(Helgi.png);「そ、それを恐れるなら&ruby(・ ・){ただ}...
&ref(Helgi.png);「なあ、ギュ、ギュリド……?」
顔を覗き込んで、撫で回し続けているギュリドを見上げ、ヘ...
&ref(Helgi.png);「私を、助けてくれ……」
&ref(Gyrid.png);「うん」
痛々しかった。まだ、自分の言葉がギュリドに通じているの...
&ref(Gyrid.png);「&ruby(フョル・アフ・エリフ){十一の内か...
&ref(Skuld.png);「&ruby(ヤ・ヤール・ヘリグ){御聖命を承り...
ギュリドの顔が近づいて来る。ギュリドの異様に澄んだ瞳を...
ギュリドの眼差しは深淵そのものだった。
&ref(Helgi.png);「あ……ああ……」
その深淵に魂を呑まれて、言葉を為す事もできないまま開か...
スクルドは目を瞑り、小さな声で祈った。
&ref(Skuld.png);「エーシルとヴァニルの加護よあれ」
ギュリドが歓びに満ちてこの獄を去るまで、ヘルギは結局そ...
この年の&ruby(ユール){冬至祭};、ヘルギはもう一度ギュリ...
そしてギュリドは満たされる。最も尊きエーシルの様に、そ...
*盟主ギュリド(中編)3.9.1015~ [#qed7e2b1]
**内乱を終わらせる結婚 [#re018975]
&ref(ギュリド.png);
成人以降、ギュリドという女盟主の評価は急激に変化する。
美貌の母・インガに瓜二つに育った彼女は、寡黙というより...
各首長や神官達から上げられる直轄地の報告からその地の経...
&ref(ケッコン.png); &ref(ウルフ.png);
結婚式と皇配・ウルフ。短気で思った事を直ぐに口に出す癖は...
宮廷の審査によって結婚相手に選ばれたのは、ほぼ同時期に...
野心的なスウェーデン系フローニである彼はギュリドを一方...
&ref(ベルシ.png);
軍団長・ベルシ。
この内乱の最中、常に帝軍を率いていたのはアルトナ市首長...
北上して来たトリュッヴェの軍を避けて軍を動かしたベルシ...
ベルシは数の優位に任せて決戦を求める反乱軍を東方向に避...
&ref(疫病強し.png);
エストニアに蔓延していた発疹チフスを利用し、自軍が被っ...
この行軍は敵味方双方にとって地獄の様相を呈したが、ベル...
&ref(決戦.png); &ref(ダゴ.png);
こうして行われたのが、「ダゴ島の戦い」である。予めリガ...
以降、長期に渡る追撃戦でスカンジナヴィア帝国の国庫はま...
&ref(ヨムス強し.png);
1017年5月。ホラーネはヨムス・ヴァイキングに降伏。オスト...
&ref(ハーラル2世.png);
ハーラル2世はスカンジナヴィア帝国の使者に二つ返事で臣従...
そしてその翌月……
&ref(鎮圧1.png); &ref(鎮圧2.png);
両叛乱軍は降伏。首謀者である族長達全員が逮捕され、7年半...
**&ruby(グレート・ブロット){大犠牲祭}; [#af249d88]
逮捕者達はそれぞれ第一称号を剥奪されて、それによって帝...
先ず、叛乱側だった大族長4名の第一称号は以下の様に移され...
・フィンランド大族長位:アフ・ハイコネン氏族のホラーネ(...
・エストニア大族長位:フローニ氏族のトリュッヴェ(ナルヴ...
・ホルムガルド大族長位:フローニ氏族のトロンド(ラドガ族...
・クールラント大族長位:クニュットリング氏族のスヴァンヒ...
ホルムガルド大族長として逮捕されたトロンドはアストリド...
また、前々帝・フレイによってエストニアに命脈を保った"&r...
族長位レベルの整理については細かくは割愛するが、この再...
そして、この内乱で最も問題視された人物……ギュリドの叔父...
&ref(ハフリド.png);
前稿でも紹介したリトアニア大族長・ハフリド。後には「フレ...
これら所領の整理が済むと、彼らの殆どは身代金と引き換え...
&ref(ランサーーーム!.jpg);
戦費によって破綻していた帝国経済はこれを元手にある程度...
&ref(ルーン.png);
しかしこの時、ヘルギ王は自身の階級に見合う身代金の準備...
&ref(ヘルギ.png);
だが、この拘留はギュリドの意思によるものであるという説...
それが如何なる理由によるにしても、ヘルギ王は釈放されな...
&ref(大犠牲祭.png);
ギュリドは終戦を記念し、帝国の安泰を祈る為に、&ruby(グ...
この年の大犠牲祭の様子は一種異様な程克明に記録されてい...
トネリコの枝に最初に首を括られたのは、ヘーデ氏族のマエ...
次に、バーベンベルク家のコンスタンツェ。彼女はオレンボ...
そして……
&ref(ヘルギ、死す.png);
三人目は、ヘルギ王であったという。
&ref(Helgi.png);「ギュリド、止せ! 止すんだ!! 我々は...
&ref(Gyrid.png);「……捧げる」
&ref(Helgi.png);「止せーーーーーー!!!!」
ヘルギの命乞いをいつも通りの呆けた様な眼差しで見下ろし...
最後に吊るされたゲロルフ家のアルフヒルドは、この、家族...
犠牲祭は熱狂に包まれ、高らかな&ruby(ユール・ラーグ){冬...
ギュリドはその直後に高熱を出して暫く寝込んでしまい、イ...
「ヴァニル戦争」を制した事で、ギュリドはその性別と若さ...
**周辺諸国 [#e510bad0]
それから暫くは経済の建て直しの為に例の如く東フランクに...
そこで、この頃の近隣国の様子を紹介しておこう。
&ref(西フランク.png);
西フランクでは反乱が収まっていたが、1016年の中頃にギー...
このカルロマン4世、愚鈍と呼ばれたギュリドを遥かに"下回...
&ref(東フランク.png);
東フランク。"大女王"マリアは1006年に不審死し(恐らくは...
彼の治世は長くは続かず、1022年に彼も母同様に不審死し、...
&ref(中フランク.png);
中フランクのクロターレ不徳王は意外にも諸侯の支持の獲得...
バイエルンや東フランクの内乱鎮圧に援軍を送るなどしてフ...
&ref(東欧.png);
中欧~東欧。まだまだ部族集団の割拠状態が続いている上に...
これまでは比較的安定しているかに見えたリャコヴィッチ朝...
&ref(ブリテン.png);
ブリテン島。マーシア朝イングランド、ウェセックス朝ウェ...
国力ではモルガン朝同盟が一つ抜けて強いが、イングランド...
ついでにこの頃の各国の動員力ランキングを確認してみよう...
&ref(ベスト10.png);
一位は文句無しのマケドニア朝ビザンツ帝国。何と言っても...
二位はフローニ朝スカンジナヴィア帝国。ユラン半島から始...
三位はトゥールーン朝エジプト王国。シナイ半島からトリポ...
四位はナジブ朝アラビア帝国。スンニ派カリフ国。完全な状...
五位はラーシュトラクータ朝テランガナ王国。インド亜大陸...
六位はラヴェンナ朝イタリア王国。西欧世界で唯一のベスト1...
七位はウマイヤ朝モーリタニア王国。反乱によってヒスパニ...
八位はアラビア帝国内アッバース朝派勢力。朝内に蔓延った...
九位はアグラブ朝アフリカ王国。慣習領土の約半分をトゥー...
十位はアールパード朝カルパチア帝国。帝国を名乗ってはい...
このランキングから解る事がある。1020年時点で既にスカン...
**経済人・ギュリド [#j1a1e64c]
&ref(アルフリド.png);
1020年9月、ギュリドの妹であるゲルレ大族長・アルフリドが...
ギュリドとの仲も良好で、帝位への請求権こそ持つものの、...
&ref(妊娠.png); &ref(双子.png);
その11月頃にギュリドの妊娠が明らかになる。翌年6月に生ま...
&ref(ギルド.png);
1021年8月、ハンブルグの工夫達が&ruby(ギルド){互助組織};...
これによって国内の建築業は大きな躍進を迎え、その利権を...
&ref(節制.png);
かと言ってギュリド本人は贅沢を好んだわけでもなく、皇帝...
&ref(悪僧.png);
そんな彼女に、宗教指導者として疑問を持つ者は多かった。...
彼女は信仰に対して冷笑的ではなかったが、彼女の興味は実...
&ref(ウェルシー.png);
ともかく、彼女の働きによって、一時は壊滅的な状態にあっ...
**第二次・ブリュンシュヴィック聖戦 [#p3cf4bdc]
&ref(ヘリベルト王、死す.png);
1022年、東フランク王・ヘリベルトが23歳の若さで不審死。...
&ref(クリームヒルト.png); &ref(ザーヴィシュ.png);
ボヘミア王夫妻。ザーヴィシュ王はモイミル朝ボヘミア王の血...
クリームヒルトはヘリベルトの姉であり、隣国・ボヘミアに...
&ref(オステルヒルト.png);
犯人が何者であれ、ヘリベルトの死によって王位を継いだの...
&ref(Gyrid.png);「……これは、聖戦である」
&ref(聖戦.png);
ギュリドは、曾祖父・シグルド2世が行ったブリュンシュヴィ...
これに東フランクの大臣達は大慌てで内乱を鎮圧し、各同盟...
スカンジナヴィア軍がハンブルクに集結させた軍団・約1万8...
&ref(ツェレの戦い.png);
幼い女王を救う為、西フランク・中フランクの二王は&ruby(...
親征は確かに士気の向上に有効だったろう。しかし、聖戦の...
&ref(占領.png);
その後、スカンジナヴィア軍は北方の領土を占領していく。...
&ref(100%.png); &ref(快勝.png);
完全に戦闘力を失ったフランク軍は、1025年11月に降伏。ブ...
大きな損耗も無く、本土に上陸させる事もせずに得た余裕の...
そしてこれによって、スカンジナヴィア帝国は「ゲルマン信...
**&ruby(クルセイダーキングス){十字軍の諸王}; [#td9c6888]
&ref(宗教.png);
盟主の軍勢に喫し続けている連敗は、カソリックの威信を大...
これを誰よりも憂いたのはこの人物だった。
&ref(ボニファス.png);
ローマ教皇・ボニファス7世である。
ボニファス7世は西フランク西部・クレルモンで行われた教会...
&ref(Boniface.png);「キリスト者よ、貴き者、卑しき者、富め...
&ref(Boniface.png);「主は我らを導かれる。主の正義を示して...
&ref(Boniface.png);「地上で貧しさと苦痛に苛まれた者も、主...
&ref(Boniface.png);「征くべきは今。主の導きに従い、次の夏...
それは「中世盛期」の始まりを告げる言葉である。全てのカ...
&ref(クルセイダーキングス.png);
後に「十字軍宣言」と呼ばれる宣言であった。
人類史上最大の宗教戦争時代が、始まろうとしていた。
|[[AAR/フレイヤの末裔/盟主ギュリド(後編)]]に続く。|
終了行:
[[AAR/フレイヤの末裔]]
[[AAR/フレイヤの末裔/盟主ギュリド(前編)]]
**幕間「深淵」 [#l5d287db]
'''私は風に吹き晒される樹に九日九夜我が身を吊るし'''
'''槍で自身を傷付け、オーディンに、即ち私自身に捧げた。'''
'''天に伸びるその樹が何処に根付くものか誰も知らなかった。...
'''誰も食事や飲物を恵む事をしなかったので、私は下を覗き込...
'''私はその時にルーン文字を理解してそれを叫び、下へ落ちた...
'''――「オーディンの箴言」137・138連目'''
それはホーセンスの地下牢の中でも最も奥まった場所へ続く...
その奥に、愛しい人が待っているから。
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最奥の獄に着くと、ギュリドはその名前を呼ぶ。目には恍惚...
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俯いていた囚人が顔を上げる。それは確かにヘルギだった。...
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ギュリドの白い指が、愛しげにヘルギの顔に触れる。ヘルギ...
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何度目の問答だろう。ここに来る度に繰り返されるヘルギの...
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痛々しかった。まだ、自分の言葉がギュリドに通じているの...
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その深淵に魂を呑まれて、言葉を為す事もできないまま開か...
スクルドは目を瞑り、小さな声で祈った。
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ギュリドが歓びに満ちてこの獄を去るまで、ヘルギは結局そ...
この年の&ruby(ユール){冬至祭};、ヘルギはもう一度ギュリ...
そしてギュリドは満たされる。最も尊きエーシルの様に、そ...
*盟主ギュリド(中編)3.9.1015~ [#qed7e2b1]
**内乱を終わらせる結婚 [#re018975]
&ref(ギュリド.png);
成人以降、ギュリドという女盟主の評価は急激に変化する。
美貌の母・インガに瓜二つに育った彼女は、寡黙というより...
各首長や神官達から上げられる直轄地の報告からその地の経...
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結婚式と皇配・ウルフ。短気で思った事を直ぐに口に出す癖は...
宮廷の審査によって結婚相手に選ばれたのは、ほぼ同時期に...
野心的なスウェーデン系フローニである彼はギュリドを一方...
&ref(ベルシ.png);
軍団長・ベルシ。
この内乱の最中、常に帝軍を率いていたのはアルトナ市首長...
北上して来たトリュッヴェの軍を避けて軍を動かしたベルシ...
ベルシは数の優位に任せて決戦を求める反乱軍を東方向に避...
&ref(疫病強し.png);
エストニアに蔓延していた発疹チフスを利用し、自軍が被っ...
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こうして行われたのが、「ダゴ島の戦い」である。予めリガ...
以降、長期に渡る追撃戦でスカンジナヴィア帝国の国庫はま...
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1017年5月。ホラーネはヨムス・ヴァイキングに降伏。オスト...
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ハーラル2世はスカンジナヴィア帝国の使者に二つ返事で臣従...
そしてその翌月……
&ref(鎮圧1.png); &ref(鎮圧2.png);
両叛乱軍は降伏。首謀者である族長達全員が逮捕され、7年半...
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逮捕者達はそれぞれ第一称号を剥奪されて、それによって帝...
先ず、叛乱側だった大族長4名の第一称号は以下の様に移され...
・フィンランド大族長位:アフ・ハイコネン氏族のホラーネ(...
・エストニア大族長位:フローニ氏族のトリュッヴェ(ナルヴ...
・ホルムガルド大族長位:フローニ氏族のトロンド(ラドガ族...
・クールラント大族長位:クニュットリング氏族のスヴァンヒ...
ホルムガルド大族長として逮捕されたトロンドはアストリド...
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族長位レベルの整理については細かくは割愛するが、この再...
そして、この内乱で最も問題視された人物……ギュリドの叔父...
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前稿でも紹介したリトアニア大族長・ハフリド。後には「フレ...
これら所領の整理が済むと、彼らの殆どは身代金と引き換え...
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戦費によって破綻していた帝国経済はこれを元手にある程度...
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この年の大犠牲祭の様子は一種異様な程克明に記録されてい...
トネリコの枝に最初に首を括られたのは、ヘーデ氏族のマエ...
次に、バーベンベルク家のコンスタンツェ。彼女はオレンボ...
そして……
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三人目は、ヘルギ王であったという。
&ref(Helgi.png);「ギュリド、止せ! 止すんだ!! 我々は...
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ヘルギの命乞いをいつも通りの呆けた様な眼差しで見下ろし...
最後に吊るされたゲロルフ家のアルフヒルドは、この、家族...
犠牲祭は熱狂に包まれ、高らかな&ruby(ユール・ラーグ){冬...
ギュリドはその直後に高熱を出して暫く寝込んでしまい、イ...
「ヴァニル戦争」を制した事で、ギュリドはその性別と若さ...
**周辺諸国 [#e510bad0]
それから暫くは経済の建て直しの為に例の如く東フランクに...
そこで、この頃の近隣国の様子を紹介しておこう。
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西フランクでは反乱が収まっていたが、1016年の中頃にギー...
このカルロマン4世、愚鈍と呼ばれたギュリドを遥かに"下回...
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東フランク。"大女王"マリアは1006年に不審死し(恐らくは...
彼の治世は長くは続かず、1022年に彼も母同様に不審死し、...
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中フランクのクロターレ不徳王は意外にも諸侯の支持の獲得...
バイエルンや東フランクの内乱鎮圧に援軍を送るなどしてフ...
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中欧~東欧。まだまだ部族集団の割拠状態が続いている上に...
これまでは比較的安定しているかに見えたリャコヴィッチ朝...
&ref(ブリテン.png);
ブリテン島。マーシア朝イングランド、ウェセックス朝ウェ...
国力ではモルガン朝同盟が一つ抜けて強いが、イングランド...
ついでにこの頃の各国の動員力ランキングを確認してみよう...
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一位は文句無しのマケドニア朝ビザンツ帝国。何と言っても...
二位はフローニ朝スカンジナヴィア帝国。ユラン半島から始...
三位はトゥールーン朝エジプト王国。シナイ半島からトリポ...
四位はナジブ朝アラビア帝国。スンニ派カリフ国。完全な状...
五位はラーシュトラクータ朝テランガナ王国。インド亜大陸...
六位はラヴェンナ朝イタリア王国。西欧世界で唯一のベスト1...
七位はウマイヤ朝モーリタニア王国。反乱によってヒスパニ...
八位はアラビア帝国内アッバース朝派勢力。朝内に蔓延った...
九位はアグラブ朝アフリカ王国。慣習領土の約半分をトゥー...
十位はアールパード朝カルパチア帝国。帝国を名乗ってはい...
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**経済人・ギュリド [#j1a1e64c]
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1020年9月、ギュリドの妹であるゲルレ大族長・アルフリドが...
ギュリドとの仲も良好で、帝位への請求権こそ持つものの、...
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その11月頃にギュリドの妊娠が明らかになる。翌年6月に生ま...
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かと言ってギュリド本人は贅沢を好んだわけでもなく、皇帝...
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そんな彼女に、宗教指導者として疑問を持つ者は多かった。...
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ともかく、彼女の働きによって、一時は壊滅的な状態にあっ...
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これに東フランクの大臣達は大慌てで内乱を鎮圧し、各同盟...
スカンジナヴィア軍がハンブルクに集結させた軍団・約1万8...
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その後、スカンジナヴィア軍は北方の領土を占領していく。...
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そしてこれによって、スカンジナヴィア帝国は「ゲルマン信...
**&ruby(クルセイダーキングス){十字軍の諸王}; [#td9c6888]
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&ref(Boniface.png);「征くべきは今。主の導きに従い、次の夏...
それは「中世盛期」の始まりを告げる言葉である。全てのカ...
&ref(クルセイダーキングス.png);
後に「十字軍宣言」と呼ばれる宣言であった。
人類史上最大の宗教戦争時代が、始まろうとしていた。
|[[AAR/フレイヤの末裔/盟主ギュリド(後編)]]に続く。|
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