AAR/フレイヤの末裔/家祖・フレイヤ(後編)
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[[AAR/フレイヤの末裔]]
[[AAR/フレイヤの末裔/家祖・フレイヤ(前編)]]
**幕間「魔術(セイド)」 [#vd28894f]
'''私は最初の闘争を、世界で最初の闘争を憶えている'''
'''グルヴェイグ(黄金の力)が槍で刺し貫かれたのを憶えてい...
'''ハール(オーディン)の館で神々に焼かれたのを憶えている...
'''彼女は三度焼かれ、三度甦り'''
'''何度も殺されたが、ついに殺し切る事はできなかった'''
'''訪れる家々で彼女はヘイジ(輝かしき方)よ、と'''
'''遠見の巫女よ、魔法の杖の達人よ、と呼ばれた'''
'''彼女はセイド(魔術)を用いて人々の心を惑わし'''
'''魔女達の賞賛を受け続けた'''
'''――ヴェルスパー(巫女の予言) 21・22聯目'''
&ref(Bagsecgアイコン.png);「……」
北に向けられた玉座の傍らに控え、バグセクは複雑な面持ち...
気紛れと言っても良い、大した考えもなく拾った素性も知れ...
賽を振る様に令される支離滅裂な王命、後先を考えずに行わ...
あの夜以来、困惑を困惑のまま蟠らせながら、それらに右に...
なぜかユランは、"骨なし"イヴァルの軍を、そして"蛇目の"...
&ref(Freyjaアイコン.png);「浮かない顔ね、やっぱりズボンを...
&ref(Bagsecgアイコン.png);「いや、それはない」
&ref(Freyjaアイコン.png);「ふうん?」
せめてこれには即答で返す。まかり間違って否定が遅れれば...
次の戦場でむくつけきノルド男達が生足に汗を散らして突撃...
あれは喜劇という言葉では納められない悪夢だった。フレイ...
ユランの女王は今も笑っている。大笑いでこそないが、人を...
薄桃色の唇を、三日月の形に歪めている。
あの夜もそうだった、戴冠式の日でもそうだった、多分死ぬ...
その笑みは余りにもあからさまな嘲りを湛えていながら惑わ...
まるでセイド(魔術)だ。誇り高いデーンの猛者達が、女一...
当然、不平や疑心は根深くあったが、ここに至ってはそれす...
……だが、見えて来ない。フレイヤの美貌は常に笑みの形を保...
彼女の蒼い眼が、何を視ているのかが、その朧な焦点がどこ...
いや――常に何かを見て笑っているのに、バグセクには、彼女...
&ref(Bagsecgアイコン.png);「……お前は、何がしたいのかと思...
&ref(Freyjaアイコン.png);「それは、私の方が貴方に訊いてみ...
&ref(Bagsecgアイコン.png);「どういう事だ?」
&ref(Freyjaアイコン.png);「イヴァルやハルフダンの尻馬に乗...
&ref(Bagsecgアイコン.png);「な……!?」
この女は、なぜ。なぜ、それを知っている?
&ref(Freyjaアイコン.png);「賢明な事よね。イヴァルとハルフ...
&ref(Freyjaアイコン.png);「二人が負けても、ラグナルの息子...
&ref(Freyjaアイコン.png);「『先遣隊に露払いをさせてからの...
&ref(Bagsecgアイコン.png);「な、何を馬鹿な……!?」
バグセクは恥ずかしくなって、首を左右に振って否定した。
だが――だが、それは紛れもなく、ほんの10年前までバグセク...
ラグナルの息子達の野心と勢い、そしてアングル人に殺され...
しかし、そうでもしなければ、他にどうできる……? 強大過...
他人の始めた戦いを自分の勝利に挿げ替える、というこの苦...
伝説の息子達相手に、他にどうすれば、「デーン人の王」で...
&ref(Freyjaアイコン.png);「ハルフダンがラトガルで死んだっ...
&ref(Freyjaアイコン.png);「臆病なバグセク。貴方は賢明だっ...
&ref(Bagsecgアイコン.png);「……狂女め。全て貴様の妄想だ」
フレイヤは妖々と笑っている。月の様に笑っている。
&ref(Freyjaアイコン.png);「そう思えるのなら、そう思ってい...
狂気の女王がそこまで言った所で、一人の少女が火の間(広...
フレイヤの長女・リンダであった。フレイヤとは対照的に、...
&ref(Freyjaアイコン.png);「……少しからかい過ぎたわね。行き...
フレイヤはオボトリト族攻略中に反乱を扇動した"蛇目の"シ...
そうだ、この狂女は、ラグナルの息子達に勝利を重ねている...
自分とは違う、ユランだけでなく、本当にデンマークを手中...
&ref(Bagsecgアイコン.png);(この女は、自分の全てを否定す...
バグセクは、軋ませ過ぎて奥歯が砕ける前に、辛うじて口を...
&ref(Bagsecgアイコン.png);「質問に、答えろ」
&ref(Freyjaアイコン.png);「そうね、時間がないから手短に言...
フレイヤの笑みが消える。それはバグセクに、何かとんでも...
「狂気」の一語で説明を放棄されていた曖昧なものに、実体...
&ref(Freyjaアイコン.png);「歴史を、書き直すのよ」
*家祖・フレイヤ(後編)3.17.876~ [#a3e95769]
前稿で書いた通り、フレイヤは"蛇目のシグルド"の服属に成...
ユラン小王国はデンマークの全地域を(東フランシア領であ...
しかし、その後の彼女とユラン軍の動きについて続ける前に...
先ず、"白シャツ"ハルフダンの意外な死である。
#ref(ハルフダンの死.png)
大異教軍の半分を率い、ブリテン島にてイングランドを手中...
そしてあろう事か、敵の援軍に出ていたラトガル軍に敗北。...
勇者・ラグナルの息子の意外過ぎる死に様は全ノルドに衝撃...
軍の指揮権は、(長男は数年前に病死していた為)次男のグ...
もう一つは、フレイヤの懐妊である。
#ref(妊娠.png)
これはフレイヤの家臣達を大いに安堵させた。そうというの...
結局、生まれてみればこの子は女子(「ギュラ」と名付けら...
話は戻り、フレイヤとユランの動きである。
デンマークを支配したフレイヤだが、先の戦いで傭兵達に報...
#ref(鎮圧後.png)
鎮圧後の版図。
シグルドは領地をフレイヤに取り上げられた上で、その年の...
この反乱の鎮圧中、881年に、バグセクは51歳で老死しており...
フレイヤは元帥としてよく仕えたバグセクの功績を称え、彼...
また、自分の版図を要求したグドフリドにシェラン島を与え...
オボトリト族の征服と、反乱の鎮圧を終え、フレイヤの野心...
小さな領土をもった部族が点在し、征服によって国力を増す...
だが、その方角の先には無視できない……2人の「大ヴァリヤー...
#ref(デュレ.png)
ヴィテスクからキエフ一帯を版図とするキエフ大族長・"異人...
#ref(リューリク.png)
そしてバルト海東に広い版図を布くノルド国家・ホルムガル...
#ref(キエフ&ホルムガルド.png)
893年時点のものだが、キエフ大族領及びホルムガルドの版図。...
彼らはそれぞれラグナルとは別氏族であり、その息子達とも...
この事が、彼らの戦力を自らの拡大に集中させる事を可能と...
フレイヤは思案した。キリスト教国と事を構えるには余りに...
しかし逆に考えれば、味方に付けられればこれ程心強いノル...
イヴァルとの同盟は、イヴァルがシグルドと兄弟であるとい...
自分には継嗣となる息子と、2人の娘がいる。であれば……
しかし、もう暫くの思案の後、フレイヤの出した結論はこう...
「リューリクの次男・アーケを長女・リンダの婿とし、そし...
前者はともかく、後者は、つまり3世代後にスヴィドヨッドを...
あまつさえ、彼の弟であるシグルドを処刑した直後に、それ...
「そんな婚約をビョルンが受けるものか! 下手をすればま...
しかし、王命は王命である。スヴィドヨッドには使者が送ら...
使者は、"鉄人"ビョルンの投げ槍がいつ自分の脳天に穴を開...
だが、飛んで来たのは槍でも怒声でもなく、盾の縁を柄で叩...
&ref(Bjornアイコン.png);「勇気ある使者よ、お前の主、ユラ...
&ref(Bjornアイコン.png);「良くぞ我が不甲斐なき弟を葬った...
&ref(Bjornアイコン.png);「此度の申し出はその詫びのついで...
&ref(Bjornアイコン.png);「奴らは何れもムンソの末裔! 指...
&ref(Bjornアイコン.png);「だが仮に貴様が、その名の如くエ...
&ref(Bjornアイコン.png);「精々我が孫・ビョルンが他に長じ...
一方で、リューリクの返答は(申し出は受けたものの)そっ...
&ref(Rurikアイコン.png);「ユランの若き女族長よ、その方の...
&ref(Rurikアイコン.png);「嘗てとねりこの船でラドガに離れ...
&ref(Rurikアイコン.png);「喜んで婚姻を結ばせよう。フレイ...
以降、フレイヤは予定通りにバルト海南岸帯を東進、没する...
ユランのこの征服行にはリューリクの軍が、そして予ねて同...
885年、"骨なし"イヴァルが老死(67歳)。ハルフダンとその...
887年、"鉄人"ビョルンの長男・エイリークが不審死。これに...
続けて888年にビョルンが老死(67歳)。ビョルンにはエイリ...
890年、余裕を持って集められた資金により体制が整えられ、...
891年、イヴァルとハルフダン亡き後に大異教軍を支えた猛将...
892年、サンデルマンランドを継承していたエイリークの次男...
そして――
**幕間「ネファタフル(海賊のボードゲーム)」 [#b1322062]
&ref(Freyjaアイコン.png);「そう――邪魔者が一人減った、とい...
ベッドで仰向けに寝たまま、フレイヤは密偵頭の報告を聞い...
バルト南岸の戦争を指揮しながら、幾つもの陰謀を繰り、或...
ここ数年、フレイヤの衰弱は著しいもので、愈々床に臥せっ...
&ref(Freyjaアイコン.png);「ねえ……私にはもう時間がないの?」
密偵頭は全く感情の篭らない声で、「ありません」と告げた。
&ref(Freyjaアイコン.png);「そう、思ったより、随分短かった...
密偵頭は何も言わない。
&ref(Freyjaアイコン.png);「ねえ、『あなた達』は何の為にこ...
密偵頭は何も言わない。
&ref(Freyjaアイコン.png);「何度もこんな事を繰り返しながら...
密偵頭は何も言わない。
&ref(Freyjaアイコン.png);「まるでネファタフルね……並べて、...
&ref(Freyjaアイコン.png);「……まあ良いわ、そこそこ上手くや...
密偵頭は、何も、言わない。
フレイヤは妖々と笑っていた。月の様に笑っていた。
&ref(Freyjaアイコン.png);「楽しみにしているわ……『私』の末...
&ref(Freyjaアイコン.png);「きっと、セスルームニルで、報告...
密偵頭は何も言わず、女王の部屋を退出した。
その表情には唯一の肉親を喪った悲しみは見て取れなかった。
*892年3月22日 デンマーク女王・フレイヤ、病没。 [#f13a70b8]
その出現は未だデンマーク史上最大の謎として語られている...
半ば伝説上の人物である彼女については他にも様々な(神秘...
#ref(892年.png)
892年、デンマークを中心にした勢力図。
シェランはフレイヤの王配・グドフリドの版図として独立して...
次稿は、最初の「フレイヤの末裔」にして若干10歳の少年王...
|[[AAR/フレイヤの末裔/アンラウフ王(前編)]]に続く。|
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[[AAR/フレイヤの末裔]]
[[AAR/フレイヤの末裔/家祖・フレイヤ(前編)]]
**幕間「魔術(セイド)」 [#vd28894f]
'''私は最初の闘争を、世界で最初の闘争を憶えている'''
'''グルヴェイグ(黄金の力)が槍で刺し貫かれたのを憶えてい...
'''ハール(オーディン)の館で神々に焼かれたのを憶えている...
'''彼女は三度焼かれ、三度甦り'''
'''何度も殺されたが、ついに殺し切る事はできなかった'''
'''訪れる家々で彼女はヘイジ(輝かしき方)よ、と'''
'''遠見の巫女よ、魔法の杖の達人よ、と呼ばれた'''
'''彼女はセイド(魔術)を用いて人々の心を惑わし'''
'''魔女達の賞賛を受け続けた'''
'''――ヴェルスパー(巫女の予言) 21・22聯目'''
&ref(Bagsecgアイコン.png);「……」
北に向けられた玉座の傍らに控え、バグセクは複雑な面持ち...
気紛れと言っても良い、大した考えもなく拾った素性も知れ...
賽を振る様に令される支離滅裂な王命、後先を考えずに行わ...
あの夜以来、困惑を困惑のまま蟠らせながら、それらに右に...
なぜかユランは、"骨なし"イヴァルの軍を、そして"蛇目の"...
&ref(Freyjaアイコン.png);「浮かない顔ね、やっぱりズボンを...
&ref(Bagsecgアイコン.png);「いや、それはない」
&ref(Freyjaアイコン.png);「ふうん?」
せめてこれには即答で返す。まかり間違って否定が遅れれば...
次の戦場でむくつけきノルド男達が生足に汗を散らして突撃...
あれは喜劇という言葉では納められない悪夢だった。フレイ...
ユランの女王は今も笑っている。大笑いでこそないが、人を...
薄桃色の唇を、三日月の形に歪めている。
あの夜もそうだった、戴冠式の日でもそうだった、多分死ぬ...
その笑みは余りにもあからさまな嘲りを湛えていながら惑わ...
まるでセイド(魔術)だ。誇り高いデーンの猛者達が、女一...
当然、不平や疑心は根深くあったが、ここに至ってはそれす...
……だが、見えて来ない。フレイヤの美貌は常に笑みの形を保...
彼女の蒼い眼が、何を視ているのかが、その朧な焦点がどこ...
いや――常に何かを見て笑っているのに、バグセクには、彼女...
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&ref(Freyjaアイコン.png);「それは、私の方が貴方に訊いてみ...
&ref(Bagsecgアイコン.png);「どういう事だ?」
&ref(Freyjaアイコン.png);「イヴァルやハルフダンの尻馬に乗...
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この女は、なぜ。なぜ、それを知っている?
&ref(Freyjaアイコン.png);「賢明な事よね。イヴァルとハルフ...
&ref(Freyjaアイコン.png);「二人が負けても、ラグナルの息子...
&ref(Freyjaアイコン.png);「『先遣隊に露払いをさせてからの...
&ref(Bagsecgアイコン.png);「な、何を馬鹿な……!?」
バグセクは恥ずかしくなって、首を左右に振って否定した。
だが――だが、それは紛れもなく、ほんの10年前までバグセク...
ラグナルの息子達の野心と勢い、そしてアングル人に殺され...
しかし、そうでもしなければ、他にどうできる……? 強大過...
他人の始めた戦いを自分の勝利に挿げ替える、というこの苦...
伝説の息子達相手に、他にどうすれば、「デーン人の王」で...
&ref(Freyjaアイコン.png);「ハルフダンがラトガルで死んだっ...
&ref(Freyjaアイコン.png);「臆病なバグセク。貴方は賢明だっ...
&ref(Bagsecgアイコン.png);「……狂女め。全て貴様の妄想だ」
フレイヤは妖々と笑っている。月の様に笑っている。
&ref(Freyjaアイコン.png);「そう思えるのなら、そう思ってい...
狂気の女王がそこまで言った所で、一人の少女が火の間(広...
フレイヤの長女・リンダであった。フレイヤとは対照的に、...
&ref(Freyjaアイコン.png);「……少しからかい過ぎたわね。行き...
フレイヤはオボトリト族攻略中に反乱を扇動した"蛇目の"シ...
そうだ、この狂女は、ラグナルの息子達に勝利を重ねている...
自分とは違う、ユランだけでなく、本当にデンマークを手中...
&ref(Bagsecgアイコン.png);(この女は、自分の全てを否定す...
バグセクは、軋ませ過ぎて奥歯が砕ける前に、辛うじて口を...
&ref(Bagsecgアイコン.png);「質問に、答えろ」
&ref(Freyjaアイコン.png);「そうね、時間がないから手短に言...
フレイヤの笑みが消える。それはバグセクに、何かとんでも...
「狂気」の一語で説明を放棄されていた曖昧なものに、実体...
&ref(Freyjaアイコン.png);「歴史を、書き直すのよ」
*家祖・フレイヤ(後編)3.17.876~ [#a3e95769]
前稿で書いた通り、フレイヤは"蛇目のシグルド"の服属に成...
ユラン小王国はデンマークの全地域を(東フランシア領であ...
しかし、その後の彼女とユラン軍の動きについて続ける前に...
先ず、"白シャツ"ハルフダンの意外な死である。
#ref(ハルフダンの死.png)
大異教軍の半分を率い、ブリテン島にてイングランドを手中...
そしてあろう事か、敵の援軍に出ていたラトガル軍に敗北。...
勇者・ラグナルの息子の意外過ぎる死に様は全ノルドに衝撃...
軍の指揮権は、(長男は数年前に病死していた為)次男のグ...
もう一つは、フレイヤの懐妊である。
#ref(妊娠.png)
これはフレイヤの家臣達を大いに安堵させた。そうというの...
結局、生まれてみればこの子は女子(「ギュラ」と名付けら...
話は戻り、フレイヤとユランの動きである。
デンマークを支配したフレイヤだが、先の戦いで傭兵達に報...
#ref(鎮圧後.png)
鎮圧後の版図。
シグルドは領地をフレイヤに取り上げられた上で、その年の...
この反乱の鎮圧中、881年に、バグセクは51歳で老死しており...
フレイヤは元帥としてよく仕えたバグセクの功績を称え、彼...
また、自分の版図を要求したグドフリドにシェラン島を与え...
オボトリト族の征服と、反乱の鎮圧を終え、フレイヤの野心...
小さな領土をもった部族が点在し、征服によって国力を増す...
だが、その方角の先には無視できない……2人の「大ヴァリヤー...
#ref(デュレ.png)
ヴィテスクからキエフ一帯を版図とするキエフ大族長・"異人...
#ref(リューリク.png)
そしてバルト海東に広い版図を布くノルド国家・ホルムガル...
#ref(キエフ&ホルムガルド.png)
893年時点のものだが、キエフ大族領及びホルムガルドの版図。...
彼らはそれぞれラグナルとは別氏族であり、その息子達とも...
この事が、彼らの戦力を自らの拡大に集中させる事を可能と...
フレイヤは思案した。キリスト教国と事を構えるには余りに...
しかし逆に考えれば、味方に付けられればこれ程心強いノル...
イヴァルとの同盟は、イヴァルがシグルドと兄弟であるとい...
自分には継嗣となる息子と、2人の娘がいる。であれば……
しかし、もう暫くの思案の後、フレイヤの出した結論はこう...
「リューリクの次男・アーケを長女・リンダの婿とし、そし...
前者はともかく、後者は、つまり3世代後にスヴィドヨッドを...
あまつさえ、彼の弟であるシグルドを処刑した直後に、それ...
「そんな婚約をビョルンが受けるものか! 下手をすればま...
しかし、王命は王命である。スヴィドヨッドには使者が送ら...
使者は、"鉄人"ビョルンの投げ槍がいつ自分の脳天に穴を開...
だが、飛んで来たのは槍でも怒声でもなく、盾の縁を柄で叩...
&ref(Bjornアイコン.png);「勇気ある使者よ、お前の主、ユラ...
&ref(Bjornアイコン.png);「良くぞ我が不甲斐なき弟を葬った...
&ref(Bjornアイコン.png);「此度の申し出はその詫びのついで...
&ref(Bjornアイコン.png);「奴らは何れもムンソの末裔! 指...
&ref(Bjornアイコン.png);「だが仮に貴様が、その名の如くエ...
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一方で、リューリクの返答は(申し出は受けたものの)そっ...
&ref(Rurikアイコン.png);「ユランの若き女族長よ、その方の...
&ref(Rurikアイコン.png);「嘗てとねりこの船でラドガに離れ...
&ref(Rurikアイコン.png);「喜んで婚姻を結ばせよう。フレイ...
以降、フレイヤは予定通りにバルト海南岸帯を東進、没する...
ユランのこの征服行にはリューリクの軍が、そして予ねて同...
885年、"骨なし"イヴァルが老死(67歳)。ハルフダンとその...
887年、"鉄人"ビョルンの長男・エイリークが不審死。これに...
続けて888年にビョルンが老死(67歳)。ビョルンにはエイリ...
890年、余裕を持って集められた資金により体制が整えられ、...
891年、イヴァルとハルフダン亡き後に大異教軍を支えた猛将...
892年、サンデルマンランドを継承していたエイリークの次男...
そして――
**幕間「ネファタフル(海賊のボードゲーム)」 [#b1322062]
&ref(Freyjaアイコン.png);「そう――邪魔者が一人減った、とい...
ベッドで仰向けに寝たまま、フレイヤは密偵頭の報告を聞い...
バルト南岸の戦争を指揮しながら、幾つもの陰謀を繰り、或...
ここ数年、フレイヤの衰弱は著しいもので、愈々床に臥せっ...
&ref(Freyjaアイコン.png);「ねえ……私にはもう時間がないの?」
密偵頭は全く感情の篭らない声で、「ありません」と告げた。
&ref(Freyjaアイコン.png);「そう、思ったより、随分短かった...
密偵頭は何も言わない。
&ref(Freyjaアイコン.png);「ねえ、『あなた達』は何の為にこ...
密偵頭は何も言わない。
&ref(Freyjaアイコン.png);「何度もこんな事を繰り返しながら...
密偵頭は何も言わない。
&ref(Freyjaアイコン.png);「まるでネファタフルね……並べて、...
&ref(Freyjaアイコン.png);「……まあ良いわ、そこそこ上手くや...
密偵頭は、何も、言わない。
フレイヤは妖々と笑っていた。月の様に笑っていた。
&ref(Freyjaアイコン.png);「楽しみにしているわ……『私』の末...
&ref(Freyjaアイコン.png);「きっと、セスルームニルで、報告...
密偵頭は何も言わず、女王の部屋を退出した。
その表情には唯一の肉親を喪った悲しみは見て取れなかった。
*892年3月22日 デンマーク女王・フレイヤ、病没。 [#f13a70b8]
その出現は未だデンマーク史上最大の謎として語られている...
半ば伝説上の人物である彼女については他にも様々な(神秘...
#ref(892年.png)
892年、デンマークを中心にした勢力図。
シェランはフレイヤの王配・グドフリドの版図として独立して...
次稿は、最初の「フレイヤの末裔」にして若干10歳の少年王...
|[[AAR/フレイヤの末裔/アンラウフ王(前編)]]に続く。|
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