AAR/フレイヤの末裔/カルル王(前編)
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[[AAR/フレイヤの末裔]]
[[AAR/フレイヤの末裔/アンラウフ王(完結編)]]
**幕間「視線」 [#ffe84d6b]
'''「団員には18歳から50歳までの男子のみを認める」'''
'''「参入を希望する者の氏族を問わない」'''
'''「勇気と武力ある者の挑戦に背を向けてはならない」'''
'''「全ての団員は兄弟であるものとして復讐を果たさねばなら...
'''「どれ程絶望的な状況でも、決して恐怖を言葉にしたり、怯...
'''「遠征によって得られた利益は、小さなものも大きなものも...
'''「何か新しい報せや情報を得た時、その真偽やその後の行動...
'''「団員は城砦に妻や恋人を持つ事は許されないが、城砦から...
'''「団員が団員の父や兄弟といった近親者の殺害に関与し、そ...
'''彼らはこの掟を遵守し、その城砦で生活した。夏が来る毎に...
'''かの時代では屈指の、偉大な戦士団として語られた。彼らこ...
'''――『ヨムスヴァイキングのサガ』16章'''
&ref(Hafridアイコン.png);「我らインリングは、あのアンラウ...
&ref(Hafridアイコン.png);「エーシルとヴァニルの兄として、...
&ref(Hafridアイコン.png);「アンラウフ王は遂に倒れたが、そ...
&ref(Hafridアイコン.png);「聴くが良い全てのノルドよ。カル...
&ref(Hafridアイコン.png);「その雄叫びがどの様な響きでスカ...
&ref(Hafridアイコン.png);「氏族の長としてハフリドが宣言し...
&ref(Hafridアイコン.png);「双子の争う時は終わった、喜びの...
インリングの新たな当主・ハフリドの演説と、それに歓声を...
叛乱が終わった時、インリング家は総じて処刑か追放刑とな...
&ref(Karlアイコン.png);(大族長にしてやった以上、フローニ...
&ref(Karlアイコン.png);(なるほどな……その言い分ならフロー...
元々、インリング最大の有力者はスクーリである。ハフリド...
ハフリドはこの演説で後ろ盾であるフローニ家の王権を認め...
&ref(Karlアイコン.png);(女ってのは恐ろしいもんだな……)
階級の別なくこの戴冠式に集った臣民達に、カルルは勇まし...
「陛下、戴冠おめでとう御座います。フレイヤの騎馬の如く戦...
「御慶び申し上げます、カルル陛下。我がラーデ氏族、インリ...
「北方諸島王国の辺境にも陛下の勇名は轟いて御座いますぞ!...
&ruby(ノルド){北方世界};全てから集まった&ruby(ヤルル){...
そんな祝賀の場に、金貨一枚の貢物も持たずに現れた一団が...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「王たる者の名が"カルル"とは…...
「彼ら」が王の前に跪くと、歓声に沸き上がっていた臣民達...
「彼ら」は全員が完全に武装していた。そして、鎧から露出...
&ref(Lindaアイコン.png);「名乗りなさい」
他のノルド達同様に、彼らの威容に呑まれていたカルルに代...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「パルナトケと申します。新た...
&ref(Lindaアイコン.png);「氏族は」
&ref(Palnatokeアイコン.png);「御座いませぬ。このパルナト...
あっさり言ってのけたパルナトケの前に、&ruby(スクラマサ...
辺境の&ruby(ヤルル){大族長};であるが、当代屈指と言われ...
&ref(Galindasアイコン.png);「無礼者!! &ruby(カルル){自...
&ref(Galindasアイコン.png);「&ruby(ブロット){犠牲祭};の供...
風を巻いて振られるサクスが、ガリンダスの予告通りにパル...
パルナトケ率いる一団の一人が、二人の間に割って入り、槍...
&ref(Thorgilアイコン.png);「……ガリンダス殿、このトールギ...
&ref(Galindasアイコン.png);「トールギル……!? 貴様、リュ...
それは異様な光景だった。&ruby(ヴァリヤーグ){東方ノルド...
そこで、カルル王が立ち上がった。興味と畏れを威厳で堪え...
&ref(Karlアイコン.png);「成程……噂には聞いていた。バルトの...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「然様、我ら『&ruby(ヨムス・...
&ref(Karlアイコン.png);「……身分の別無く、戦士としての実力...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「少々異なりますな……信仰の強...
全く恐縮した風も見せずに、パルナトケはニヤリと笑って見...
後退りそうになるのを堪えながら、カルルも何とか笑って見...
――武力こそが信仰。加護ある者なれば、怯むなかれ――
パルナトケの眼はそう言っていた。
&ref(Karlアイコン.png);「どうだ? 俺は眼鏡に適ったか?」
沈黙。カルルの頬に冷や汗が垂れる。パルナトケが立った。...
それを解き、握り込むと、彼の咽喉の奥が遥かな神話の時代...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「……『我々』は、この時を長ら...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「『我々』は幾度も挑戦し、幾...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「『&ruby(グルヴェイグ){黄金...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「それが魔女の御業と知るとも...
落雷の如き轟音が、群集を震え上がらせた。パルナトケがそ...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「ハールを、トールを、ロキの...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「……フレイヤの末裔、フローニ...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「汝らの母に誓われよ! 今度...
パルナトケが、&ruby(ミョルニル){トールの鉄槌};をカルル...
しかし、この戦長の様子に、カルルは却って落ち着き始めて...
……いや、この男は言葉こそ難解で不遜だが、彼らこそ誰より...
&ref(Karlアイコン.png);「我が氏族の母にして、女神なるフレ...
カルルとパルナトケの視線がぶつかり合う。「口では幾らで...
父が自分に"&ruby(カルル){自由};"の名を与えたのは、争い...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「結構。然れば、我らは全ノル...
パルナトケは王に背を向ける。そして、余りの不遜にまたも...
背を向けながらも、彼らが自分を見続けているのをカルルは...
&ref(Karlアイコン.png);「へ……見てやがれってんだ」
呟くカルルの脳裏に、父・アンラウフの今の際の様子が思い...
&ref(Karlアイコン.png);(まさか、な……)
元より、カルルは王に生まれついている。スカンディアのど...
カルルはもう一度向き直って、新たな時代に期待を膨らませ...
誰も、ノルドの"帝国時代"が始まる事を疑っていなかった。
*カルル王(前編)1.13.939~ [#o046ca2d]
**ヨムス・ヴァイキング [#xd36085e]
カルル以降のノルドの歴史に於いては、先ず語らねばならな...
「彼ら」がヴォルガストの山奥に「出現」したのは932年、ア...
&ref(ヨムス・ヴァイキング.png);
そう、ヨムス・ヴァイキングである。ヨムスボルグという秘...
これは、デンマークが3大寺院を支配下に置き、スカンジナヴ...
アンラウフ王最大の功績は、ヨムス・ヴァイキングが立つべ...
彼らの長は「&ruby(ウォーチーフ){戦長};」と呼ばれ、如何...
&ref(パルナトケ.png);
初代"戦長"パルナトケ。ゴートランド族長・オタールの子孫で...
**リンダの口付け [#ca4d7f37]
&ref(http://art9.photozou.jp/pub/78/3115078/photo/2075928...
前稿でも少し紹介した通り、カルルという人物は王としての...
戴冠式は940年の4月、既に鎮圧の果たされつつあったインリ...
鎮圧されたとはいえインリングからフローニに向けられた憎...
親分肌で嫌われる性格でもなかったが、政治力もそれなりで...
にも関わらず、彼がフローニの歴史において最も注目される...
彼女はカルル戴冠直後に&ruby(ロースピーカー){語り部};((...
&ref(リンダ妃.png);
リンダ妃の功績は大きく三つ挙げられる。
一つは、彼女自身の人気の高さを王の評判に結び付けるイメ...
次に、「語り部」の職権を最大限に活用し、ノルド信仰の革...
そして何より、カルルという人物を掌握し、教育し、その野...
&ref(野心の目栄え.png);
アンラウフの没後、戴冠式を目前に控えた頃に、ある家臣(...
それを知ったリンダ妃は激怒した。玉座に腰を下ろそうとし...
&ref(Lindaアイコン.png);「陛下、貴方は先王陛下がどの様な...
&ref(Lindaアイコン.png);「アンラウフ様は終生、『臆病者』...
&ref(Lindaアイコン.png);「アンラウフ様が実際に言われる通...
&ref(Lindaアイコン.png);「しかし、ただの臆病者ではありま...
&ref(Lindaアイコン.png);「私とてその様な臆病者に覇業が務...
&ref(Lindaアイコン.png);「そうでないならば、御立ちになっ...
&ref(Lindaアイコン.png);「リンダはノルドの女です。勇敢な...
&ref(Lindaアイコン.png);「代わりに、全霊を以て一人の女と...
カルル王はリンダ妃の言葉に、白い頬を真っ赤に紅潮させて...
&ref(Lindaアイコン.png);「カルル陛下、御慶び申し上げます...
そう言って、リンダは口をヘの字に曲げたカルルの頬に口付...
これ以降、カルル王の満身には覇気が満ち、様々な(時には...
後には"鉄心"の異名で知られる様になるカルル王であるが、...
この美しい一幕がどれだけ事実に基づいた物語であるのかは...
**戦後処理 [#ha0a98b8]
実質、カルル王の王としての最初の仕事は、叛乱鎮圧によっ...
先ず、族長以上の地位を持つ者は3名を除いてそれを剥奪され...
大族長の遷移は以下。
-ヴェストランデ大族長・スクーリ:彼の姪であるテレマルク女...
-北方諸島王国大族長・エイナール:オークノー族長・ガリンダ...
この二人は莫大な身代金と引き換えに釈放されているが、何...
その上で、大族長位を与えられた二人のカルルへの忠誠心は...
因みに、叛乱のもう一人の首謀者であるリガ女族長・リンダ...
許されたのはヤムタランド大族長・ケティルムンドとヴェス...
ヤムタランド大族長・ケティルムンドが許されたのは、彼が...
ヴェスティスランド大族長・スクーリは、その領土がスカン...
アンゲルマンランド族長・スヴェルケルは、リンダ妃の出身...
また、族長達以外にも捕縛されている者達の処断がこの時に...
&ref(ゲルド.png);
叛乱首謀者の一人、インリング氏族・スクーリの次女、ゲル...
歴戦のノルド戦士達ですら音を上げ、待遇改善を求めて叫ぶ...
インリングへの示威と、「優れたノルドの血」を取り入れる...
カルル王と彼女の間には子供が生まれた記録もあるが、以降...
これらの処断が終わると、カルルはデンマーク外のノルドの...
そして、カルルの生涯の友となる男、バグセク王の曾孫であ...
&ref(トステ.png);
メクレンブルク大族長・トステ。カルルの時代にキリスト教徒...
**帝国化の仕上げ [#g8a0f9fd]
以降、デンマークの帝国化に向けてカルルの採った方針は二...
-今まで通りにフィンランド諸部族を平定していく事。
-家臣達がスウェーデン内に主張する領有権を後援し、現在の支...
である。特に後者は、領有権を認められた家臣達の忠誠心も...
ノルドの掟により、カルルにはスウェーデン最大勢力である...
&ref(家臣のクレーム.png);
そしてこれらの戦いでは、アンラウフ王とは異なり、常にカ...
既にスカンジナヴィアで並ぶもののない国力を有していたデ...
&ref(年代記.png);
余談だが、多くの謎に包まれたフレイヤ女王の登場に始まる...
「フレイヤ女王は邪神の召喚を行っていた」「アンラウフ王...
そして946年2月頃、平らげるべきスカンジナヴィア内の勢力...
この時期に、ノルド世界の東方で、ヴァリヤーグ勢力に大き...
&ref(ホルムガルド涙目.png);
ホルムガルドが、周辺部族の総攻撃を受けていたのである。
ホルムガルドという国が如何にリューリクという王一人の力...
&ref(ほるむがー.png);"豪胆王"リューリクの孫、"強情王"ホル...
ホルムガルドはその成立の背景から、スラヴ系の家臣を多く...
&ref(Karlアイコン.png);「リューリクの末裔、ラドガの"強情...
&ref(Karlアイコン.png);「だが、最早ノルドですらない汝らは...
&ref(Karlアイコン.png);「即刻切り落とす故、歯を食い縛って...
一方的に宣戦した後、カルルはフィンランド南部・ケックス...
&ref(割譲戦争.png);
この戦いそのものは、戦力を消耗し切っているホルムガルド...
&ref(リンダの死.png);
リンダ妃が、次男・トリルの難産の末に命を落としたのであ...
カルルはリンダの死を戦場で報され、大いに悲しんだ。長男...
カルルはこの戦争が終わるまで涙を流し続け、リンダを敬愛...
そして、カルルはリンダの遺言通り、終生様々な分野につい...
&ref(慟哭戦争.png); &ref(フィンランド王位.png);
948年11月、ケックスホルムはデンマークに割譲された。そし...
&ref(ホールデのテュドムンド.png); &ref(ポメラニア王位.pn...
また、アンラウフの代にヴォルガスト族長位を与えられてい...
これにより、この時点でフローニ朝はデンマーク・ノルウェ...
&ref(ヴァイキング.png);
以降、カルルは次々に創設した王号によって枯渇し始めた軍...
**フレイとギュリドの結婚 [#v5b3d23d]
&ref(フレイ結婚式.png);
上記のホルムガルドとの戦争が決着するのと同時期に、婚約...
再婚したとはいえ、リンダを失った悲しみの癒えないカルル...
&ref(ギュリド.png); 950年頃のギュリド。アイスランド東部...
明敏さではリンダ妃も知られていたが、ギュリドは彼女をも...
カルルは彼女を大いに可愛がり、後にはその信仰の篤さを買...
**ヨルヴィクの"残酷王"トティルと、第二次・大異教軍 [#cbfa...
ここまで暫く話題に上がる事は無かったが、この頃、ブリテ...
&ref(ヨルヴィクのトティル.png);
952年10月。母の死によってヨルヴィク王位を継承したトティ...
トティル王は智勇兼備の才人で、若くして野心に燃え、戦意...
&ref(ケント・デリカット.png);
そしてその1年半後、954年5月。トティル王はマーシア王国が...
&ref(Totilアイコン.png);「まあそういう訳だ。カルル王よ、...
&ref(Totilアイコン.png);「俺達はな、お前らがスカンディア...
&ref(Totilアイコン.png);「あんたが本当に『全てのノルドの...
&ref(Totilアイコン.png);「俺達はもう何代も瀬戸際なんだ。...
&ref(Totilアイコン.png);「デーン人らしく『第二次・大異教...
&ref(第二次大異教軍1.png);
デンマーク軍約4500名がヨルヴィクに上陸した時点で、1300...
&ref(第二次大異教軍2.png);
マーシア王国は同盟国であるアルバ王国に援軍を要請。戦い...
ヨルヴィクを拠点に近隣の領土を占領していく予定だったが...
&ref(第二次大異教軍3.png);
ケントとエセックスを占領するも降伏に応じないマーシア・...
&ref(第二次大異教軍4.png);
膨大化した叛乱軍によって、マーシア・アルバ両軍が蹴散ら...
&ref(ケント割譲.png);
そして、960年3月、マーシア王国がケントをヨルヴィクに割...
これに、ヨルヴィクは勿論、スカンジナヴィアのノルド達は...
しかし、カルル王の心中は穏やかではなかったと言われてい...
というのも、マーシア内で発生したあの叛乱軍である。あれ...
&ref(Karlアイコン.png);(……本当なら、俺の軍の力だけで余裕...
&ref(Karlアイコン.png);(悪くしていれば、更に軍を消耗させ...
&ref(Karlアイコン.png);(しかし、運の良い勝ち方ができたん...
&ref(Karlアイコン.png);(仕上げを仕上げなきゃいけないのが...
アンラウフ王と「フローニの相剋」を争ったスヴィドヨッド...
カルル王が、スヴィドヨッドの服属、そしてフローニ朝の統...
&ref(http://art17.photozou.jp/pub/78/3115078/photo/208261...
|[[AAR/フレイヤの末裔/カルル王(中編)]]に続く。|
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[[AAR/フレイヤの末裔]]
[[AAR/フレイヤの末裔/アンラウフ王(完結編)]]
**幕間「視線」 [#ffe84d6b]
'''「団員には18歳から50歳までの男子のみを認める」'''
'''「参入を希望する者の氏族を問わない」'''
'''「勇気と武力ある者の挑戦に背を向けてはならない」'''
'''「全ての団員は兄弟であるものとして復讐を果たさねばなら...
'''「どれ程絶望的な状況でも、決して恐怖を言葉にしたり、怯...
'''「遠征によって得られた利益は、小さなものも大きなものも...
'''「何か新しい報せや情報を得た時、その真偽やその後の行動...
'''「団員は城砦に妻や恋人を持つ事は許されないが、城砦から...
'''「団員が団員の父や兄弟といった近親者の殺害に関与し、そ...
'''彼らはこの掟を遵守し、その城砦で生活した。夏が来る毎に...
'''かの時代では屈指の、偉大な戦士団として語られた。彼らこ...
'''――『ヨムスヴァイキングのサガ』16章'''
&ref(Hafridアイコン.png);「我らインリングは、あのアンラウ...
&ref(Hafridアイコン.png);「エーシルとヴァニルの兄として、...
&ref(Hafridアイコン.png);「アンラウフ王は遂に倒れたが、そ...
&ref(Hafridアイコン.png);「聴くが良い全てのノルドよ。カル...
&ref(Hafridアイコン.png);「その雄叫びがどの様な響きでスカ...
&ref(Hafridアイコン.png);「氏族の長としてハフリドが宣言し...
&ref(Hafridアイコン.png);「双子の争う時は終わった、喜びの...
インリングの新たな当主・ハフリドの演説と、それに歓声を...
叛乱が終わった時、インリング家は総じて処刑か追放刑とな...
&ref(Karlアイコン.png);(大族長にしてやった以上、フローニ...
&ref(Karlアイコン.png);(なるほどな……その言い分ならフロー...
元々、インリング最大の有力者はスクーリである。ハフリド...
ハフリドはこの演説で後ろ盾であるフローニ家の王権を認め...
&ref(Karlアイコン.png);(女ってのは恐ろしいもんだな……)
階級の別なくこの戴冠式に集った臣民達に、カルルは勇まし...
「陛下、戴冠おめでとう御座います。フレイヤの騎馬の如く戦...
「御慶び申し上げます、カルル陛下。我がラーデ氏族、インリ...
「北方諸島王国の辺境にも陛下の勇名は轟いて御座いますぞ!...
&ruby(ノルド){北方世界};全てから集まった&ruby(ヤルル){...
そんな祝賀の場に、金貨一枚の貢物も持たずに現れた一団が...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「王たる者の名が"カルル"とは…...
「彼ら」が王の前に跪くと、歓声に沸き上がっていた臣民達...
「彼ら」は全員が完全に武装していた。そして、鎧から露出...
&ref(Lindaアイコン.png);「名乗りなさい」
他のノルド達同様に、彼らの威容に呑まれていたカルルに代...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「パルナトケと申します。新た...
&ref(Lindaアイコン.png);「氏族は」
&ref(Palnatokeアイコン.png);「御座いませぬ。このパルナト...
あっさり言ってのけたパルナトケの前に、&ruby(スクラマサ...
辺境の&ruby(ヤルル){大族長};であるが、当代屈指と言われ...
&ref(Galindasアイコン.png);「無礼者!! &ruby(カルル){自...
&ref(Galindasアイコン.png);「&ruby(ブロット){犠牲祭};の供...
風を巻いて振られるサクスが、ガリンダスの予告通りにパル...
パルナトケ率いる一団の一人が、二人の間に割って入り、槍...
&ref(Thorgilアイコン.png);「……ガリンダス殿、このトールギ...
&ref(Galindasアイコン.png);「トールギル……!? 貴様、リュ...
それは異様な光景だった。&ruby(ヴァリヤーグ){東方ノルド...
そこで、カルル王が立ち上がった。興味と畏れを威厳で堪え...
&ref(Karlアイコン.png);「成程……噂には聞いていた。バルトの...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「然様、我ら『&ruby(ヨムス・...
&ref(Karlアイコン.png);「……身分の別無く、戦士としての実力...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「少々異なりますな……信仰の強...
全く恐縮した風も見せずに、パルナトケはニヤリと笑って見...
後退りそうになるのを堪えながら、カルルも何とか笑って見...
――武力こそが信仰。加護ある者なれば、怯むなかれ――
パルナトケの眼はそう言っていた。
&ref(Karlアイコン.png);「どうだ? 俺は眼鏡に適ったか?」
沈黙。カルルの頬に冷や汗が垂れる。パルナトケが立った。...
それを解き、握り込むと、彼の咽喉の奥が遥かな神話の時代...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「……『我々』は、この時を長ら...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「『我々』は幾度も挑戦し、幾...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「『&ruby(グルヴェイグ){黄金...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「それが魔女の御業と知るとも...
落雷の如き轟音が、群集を震え上がらせた。パルナトケがそ...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「ハールを、トールを、ロキの...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「……フレイヤの末裔、フローニ...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「汝らの母に誓われよ! 今度...
パルナトケが、&ruby(ミョルニル){トールの鉄槌};をカルル...
しかし、この戦長の様子に、カルルは却って落ち着き始めて...
……いや、この男は言葉こそ難解で不遜だが、彼らこそ誰より...
&ref(Karlアイコン.png);「我が氏族の母にして、女神なるフレ...
カルルとパルナトケの視線がぶつかり合う。「口では幾らで...
父が自分に"&ruby(カルル){自由};"の名を与えたのは、争い...
&ref(Palnatokeアイコン.png);「結構。然れば、我らは全ノル...
パルナトケは王に背を向ける。そして、余りの不遜にまたも...
背を向けながらも、彼らが自分を見続けているのをカルルは...
&ref(Karlアイコン.png);「へ……見てやがれってんだ」
呟くカルルの脳裏に、父・アンラウフの今の際の様子が思い...
&ref(Karlアイコン.png);(まさか、な……)
元より、カルルは王に生まれついている。スカンディアのど...
カルルはもう一度向き直って、新たな時代に期待を膨らませ...
誰も、ノルドの"帝国時代"が始まる事を疑っていなかった。
*カルル王(前編)1.13.939~ [#o046ca2d]
**ヨムス・ヴァイキング [#xd36085e]
カルル以降のノルドの歴史に於いては、先ず語らねばならな...
「彼ら」がヴォルガストの山奥に「出現」したのは932年、ア...
&ref(ヨムス・ヴァイキング.png);
そう、ヨムス・ヴァイキングである。ヨムスボルグという秘...
これは、デンマークが3大寺院を支配下に置き、スカンジナヴ...
アンラウフ王最大の功績は、ヨムス・ヴァイキングが立つべ...
彼らの長は「&ruby(ウォーチーフ){戦長};」と呼ばれ、如何...
&ref(パルナトケ.png);
初代"戦長"パルナトケ。ゴートランド族長・オタールの子孫で...
**リンダの口付け [#ca4d7f37]
&ref(http://art9.photozou.jp/pub/78/3115078/photo/2075928...
前稿でも少し紹介した通り、カルルという人物は王としての...
戴冠式は940年の4月、既に鎮圧の果たされつつあったインリ...
鎮圧されたとはいえインリングからフローニに向けられた憎...
親分肌で嫌われる性格でもなかったが、政治力もそれなりで...
にも関わらず、彼がフローニの歴史において最も注目される...
彼女はカルル戴冠直後に&ruby(ロースピーカー){語り部};((...
&ref(リンダ妃.png);
リンダ妃の功績は大きく三つ挙げられる。
一つは、彼女自身の人気の高さを王の評判に結び付けるイメ...
次に、「語り部」の職権を最大限に活用し、ノルド信仰の革...
そして何より、カルルという人物を掌握し、教育し、その野...
&ref(野心の目栄え.png);
アンラウフの没後、戴冠式を目前に控えた頃に、ある家臣(...
それを知ったリンダ妃は激怒した。玉座に腰を下ろそうとし...
&ref(Lindaアイコン.png);「陛下、貴方は先王陛下がどの様な...
&ref(Lindaアイコン.png);「アンラウフ様は終生、『臆病者』...
&ref(Lindaアイコン.png);「アンラウフ様が実際に言われる通...
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&ref(Lindaアイコン.png);「私とてその様な臆病者に覇業が務...
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&ref(Lindaアイコン.png);「代わりに、全霊を以て一人の女と...
カルル王はリンダ妃の言葉に、白い頬を真っ赤に紅潮させて...
&ref(Lindaアイコン.png);「カルル陛下、御慶び申し上げます...
そう言って、リンダは口をヘの字に曲げたカルルの頬に口付...
これ以降、カルル王の満身には覇気が満ち、様々な(時には...
後には"鉄心"の異名で知られる様になるカルル王であるが、...
この美しい一幕がどれだけ事実に基づいた物語であるのかは...
**戦後処理 [#ha0a98b8]
実質、カルル王の王としての最初の仕事は、叛乱鎮圧によっ...
先ず、族長以上の地位を持つ者は3名を除いてそれを剥奪され...
大族長の遷移は以下。
-ヴェストランデ大族長・スクーリ:彼の姪であるテレマルク女...
-北方諸島王国大族長・エイナール:オークノー族長・ガリンダ...
この二人は莫大な身代金と引き換えに釈放されているが、何...
その上で、大族長位を与えられた二人のカルルへの忠誠心は...
因みに、叛乱のもう一人の首謀者であるリガ女族長・リンダ...
許されたのはヤムタランド大族長・ケティルムンドとヴェス...
ヤムタランド大族長・ケティルムンドが許されたのは、彼が...
ヴェスティスランド大族長・スクーリは、その領土がスカン...
アンゲルマンランド族長・スヴェルケルは、リンダ妃の出身...
また、族長達以外にも捕縛されている者達の処断がこの時に...
&ref(ゲルド.png);
叛乱首謀者の一人、インリング氏族・スクーリの次女、ゲル...
歴戦のノルド戦士達ですら音を上げ、待遇改善を求めて叫ぶ...
インリングへの示威と、「優れたノルドの血」を取り入れる...
カルル王と彼女の間には子供が生まれた記録もあるが、以降...
これらの処断が終わると、カルルはデンマーク外のノルドの...
そして、カルルの生涯の友となる男、バグセク王の曾孫であ...
&ref(トステ.png);
メクレンブルク大族長・トステ。カルルの時代にキリスト教徒...
**帝国化の仕上げ [#g8a0f9fd]
以降、デンマークの帝国化に向けてカルルの採った方針は二...
-今まで通りにフィンランド諸部族を平定していく事。
-家臣達がスウェーデン内に主張する領有権を後援し、現在の支...
である。特に後者は、領有権を認められた家臣達の忠誠心も...
ノルドの掟により、カルルにはスウェーデン最大勢力である...
&ref(家臣のクレーム.png);
そしてこれらの戦いでは、アンラウフ王とは異なり、常にカ...
既にスカンジナヴィアで並ぶもののない国力を有していたデ...
&ref(年代記.png);
余談だが、多くの謎に包まれたフレイヤ女王の登場に始まる...
「フレイヤ女王は邪神の召喚を行っていた」「アンラウフ王...
そして946年2月頃、平らげるべきスカンジナヴィア内の勢力...
この時期に、ノルド世界の東方で、ヴァリヤーグ勢力に大き...
&ref(ホルムガルド涙目.png);
ホルムガルドが、周辺部族の総攻撃を受けていたのである。
ホルムガルドという国が如何にリューリクという王一人の力...
&ref(ほるむがー.png);"豪胆王"リューリクの孫、"強情王"ホル...
ホルムガルドはその成立の背景から、スラヴ系の家臣を多く...
&ref(Karlアイコン.png);「リューリクの末裔、ラドガの"強情...
&ref(Karlアイコン.png);「だが、最早ノルドですらない汝らは...
&ref(Karlアイコン.png);「即刻切り落とす故、歯を食い縛って...
一方的に宣戦した後、カルルはフィンランド南部・ケックス...
&ref(割譲戦争.png);
この戦いそのものは、戦力を消耗し切っているホルムガルド...
&ref(リンダの死.png);
リンダ妃が、次男・トリルの難産の末に命を落としたのであ...
カルルはリンダの死を戦場で報され、大いに悲しんだ。長男...
カルルはこの戦争が終わるまで涙を流し続け、リンダを敬愛...
そして、カルルはリンダの遺言通り、終生様々な分野につい...
&ref(慟哭戦争.png); &ref(フィンランド王位.png);
948年11月、ケックスホルムはデンマークに割譲された。そし...
&ref(ホールデのテュドムンド.png); &ref(ポメラニア王位.pn...
また、アンラウフの代にヴォルガスト族長位を与えられてい...
これにより、この時点でフローニ朝はデンマーク・ノルウェ...
&ref(ヴァイキング.png);
以降、カルルは次々に創設した王号によって枯渇し始めた軍...
**フレイとギュリドの結婚 [#v5b3d23d]
&ref(フレイ結婚式.png);
上記のホルムガルドとの戦争が決着するのと同時期に、婚約...
再婚したとはいえ、リンダを失った悲しみの癒えないカルル...
&ref(ギュリド.png); 950年頃のギュリド。アイスランド東部...
明敏さではリンダ妃も知られていたが、ギュリドは彼女をも...
カルルは彼女を大いに可愛がり、後にはその信仰の篤さを買...
**ヨルヴィクの"残酷王"トティルと、第二次・大異教軍 [#cbfa...
ここまで暫く話題に上がる事は無かったが、この頃、ブリテ...
&ref(ヨルヴィクのトティル.png);
952年10月。母の死によってヨルヴィク王位を継承したトティ...
トティル王は智勇兼備の才人で、若くして野心に燃え、戦意...
&ref(ケント・デリカット.png);
そしてその1年半後、954年5月。トティル王はマーシア王国が...
&ref(Totilアイコン.png);「まあそういう訳だ。カルル王よ、...
&ref(Totilアイコン.png);「俺達はな、お前らがスカンディア...
&ref(Totilアイコン.png);「あんたが本当に『全てのノルドの...
&ref(Totilアイコン.png);「俺達はもう何代も瀬戸際なんだ。...
&ref(Totilアイコン.png);「デーン人らしく『第二次・大異教...
&ref(第二次大異教軍1.png);
デンマーク軍約4500名がヨルヴィクに上陸した時点で、1300...
&ref(第二次大異教軍2.png);
マーシア王国は同盟国であるアルバ王国に援軍を要請。戦い...
ヨルヴィクを拠点に近隣の領土を占領していく予定だったが...
&ref(第二次大異教軍3.png);
ケントとエセックスを占領するも降伏に応じないマーシア・...
&ref(第二次大異教軍4.png);
膨大化した叛乱軍によって、マーシア・アルバ両軍が蹴散ら...
&ref(ケント割譲.png);
そして、960年3月、マーシア王国がケントをヨルヴィクに割...
これに、ヨルヴィクは勿論、スカンジナヴィアのノルド達は...
しかし、カルル王の心中は穏やかではなかったと言われてい...
というのも、マーシア内で発生したあの叛乱軍である。あれ...
&ref(Karlアイコン.png);(……本当なら、俺の軍の力だけで余裕...
&ref(Karlアイコン.png);(悪くしていれば、更に軍を消耗させ...
&ref(Karlアイコン.png);(しかし、運の良い勝ち方ができたん...
&ref(Karlアイコン.png);(仕上げを仕上げなきゃいけないのが...
アンラウフ王と「フローニの相剋」を争ったスヴィドヨッド...
カルル王が、スヴィドヨッドの服属、そしてフローニ朝の統...
&ref(http://art17.photozou.jp/pub/78/3115078/photo/208261...
|[[AAR/フレイヤの末裔/カルル王(中編)]]に続く。|
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