AAR/ハプスブルグ家で普通にプレイ/第７話 王エメリッチ
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[[AAR/ハプスブルグ家で普通にプレイ]]
**はじめに [#j81ca367]
私はエメリッチ・ハプスブルグ。男爵として領地を治める身だ...
先王の死に伴い私が次の王に即位することが決まったという知...
しかし、アールガウの宮廷より迎えの者たちが来るに至り、こ...
男爵としての悠々自適に過ごせる今の生活に全く不満はないし...
しかし、それでも私が選ばれたのであればやらねばならない。...
私はもう歳だし在位も長くはないであろうが、王である間は一...
#ref(７話その１.jpg)
**帝国の拡大 [#m9a29965]
私がシチリア王としてアールガウの宮廷に入ると、一人の男が...
#br
「陛下、これからよろしくお願いいたします。」
#br
何とも陰湿な雰囲気の漂う不気味なこの男は、バルダリッチ・...
自身とライバル関係にあった一族の者たちを葬り去り、ここま...
以上より、私はこの男を全く信用できない。
#br
「陛下、お待たせいたしました。」
#br
そう言ってもう一人の男がやって来た。男の名はクリストファ...
クリストファーは私をどこか複雑な表情で見てくる。無理もな...
しかし、今では主従関係は逆転している。これは仕方のないこ...
#br
#br
「早速ですが、先年皇帝の起こしたポーランド継承戦争は決着...
私が玉座に座るやいなや、バルダリッチがすかさず報告をして...
「して、どう決着した？」
「皇帝が戦に勝利し、新たにポーランド王位を兼ねられること...
#br
時は２年前に遡る。当時、ポーランドにおいては王が急逝し後...
「彼女がポーランド王に在ることを余は認めん。余こそがポー...
そう息巻いていたのは現神聖ローマ皇帝アロイス帝。母はポー...
「余は余の正当なる権利を行使する。」
簡単に言うとこのような経緯のもと、皇帝はポーランド継承戦...
#ref(７話その２.jpg)
#br
「帝国領は東に大きく拡大したというわけか。」
「はい。これで皇帝の力はますます強きものとなり、厄介かと...
私の言葉にバルダリッチはやたら危ない返しをしてきた。それ...
「バルダリッチ殿、今の言葉、畏れ多くも皇帝に対しなんとも...
バルダリッチはつい口を滑らせてしまったと、「しまった」と...
「クリストファーよ、ワシは別にそのようなつもりで言ったわ...
「では、どのようなつもりで言われたのですか？皇帝が厄介と...
ここぞとばかりにクリストファーは追い打ちをかける。
バルダリッチとクリストファーは次の王の継承（私のことだが...
「まあまあ２人とも、今は言い争ってる場合ではない。皇帝が...
２人の争いに業を煮やした私が仲裁に入る。
「それでは、ワシは早速密偵頭とともにポーランドに送る間者...
バルダリッチは「助かった」という顔をしながら私に深々と頭...
後には私と不満げな表情のクリストファーが残った。
「陛下。何故バルダリッチに助け舟を出されたのですか？」
クリストファーが私に詰め寄ってくる。ここに至り、私も堪忍...
「黙れ、私は王だ。貴様らは私の命に従え。」
私の怒鳴り声にクリストファーは驚きの表情を浮かべたものの...
「エメリッチよ、お前も偉くなったものだな。」
去り際にクリストファーが小声でつぶやいた一言が私の耳にも...
#ref(７話その３.jpg)
帝国の拡大。
**アプリア女公爵カンサ [#g6afb7db]
「シチリア王冠を我がハプスブルグ家が得たとはいえ、シチリ...
#br
バルダリッチの提案に私はうなずいた。次代に安定して王位を...
#br
「粛清などと・・・。強硬な方法は大きな反発を招きます。融...
#br
クリストファーが反論する。彼の言うことももっともだ。しか...
#br
「両者の言うことはどちらも正しい。だが、私はハプスブルグ...
#br
バルダリッチが不気味な笑みを浮かべる。クリストファーが悔...
バルダリッチも確かに信用ならない奴だが、嫌いな奴よりも信...
#br
#br
シチリアにはオードブィル家の諸侯の他にも「忘れられた存在...
その名はカンサ。アプリア公爵の位にある女性である。彼女こ...
彼女はオードブィル家とハプスブルグ家の間で揺れ動くシチリ...
その彼女が今、「忘れられた存在」から「簒奪される存在」と...
#br
１１９１年８月。粛清の第一段階として、私はアプリア女公カ...
彼女からの返事は予想通りのものだった。
#ref(７話その４.jpg)
「横暴なる偽王よ、貴様の正当なき命に従うことはできぬ。」
#br
#ref(７話その５.jpg)
かくして逆賊アプリア女公爵討伐の戦が始まったのだ。
#br
#ref(７話その６.jpg)
この時のために周到に準備してきた我々に死角はない。
国境付近に待機していた我が討伐軍は一斉に逆賊の領地シラク...
** [#w872b468]
我が軍によるシラクサ包囲が完成したという知らせが届いた直...
クリストファーら一族の有力者のほとんどが討伐軍を率いてシ...
#br
「陛下が倒れられたか。いいか、このことは他に絶対に漏らす...
#br
バルダリッチがわけのわからない指示を部下に出している。
#br
「ワシがシチリア諸侯の粛清を王に提案したのは討伐軍の出陣...
#br
バルダリッチはそう言うと高らかに笑った。ああ、なんという...
#br
「王よ、貴方の次の王は長老であるワシが就くことになってお...
#br
どうやら私はクリストファーを個人的感情で遠ざける余り、真...
ああ、後悔してももう遅い。私はバルダリッチの息のかかった...
しょせん多くの者たちの欲望渦巻く王位など私には荷が重かっ...
願わくばあの世では男爵の頃のように悠々自適に読書を楽しむ...
#br
１１９２年８月。２代シチリア王エメリッチは世を去った。享...
後は年長者相続により、ネウチャテル伯バルダリッチが継いだ。
#ref(７話その７.jpg)
終了行:
[[AAR/ハプスブルグ家で普通にプレイ]]
**はじめに [#j81ca367]
私はエメリッチ・ハプスブルグ。男爵として領地を治める身だ...
先王の死に伴い私が次の王に即位することが決まったという知...
しかし、アールガウの宮廷より迎えの者たちが来るに至り、こ...
男爵としての悠々自適に過ごせる今の生活に全く不満はないし...
しかし、それでも私が選ばれたのであればやらねばならない。...
私はもう歳だし在位も長くはないであろうが、王である間は一...
#ref(７話その１.jpg)
**帝国の拡大 [#m9a29965]
私がシチリア王としてアールガウの宮廷に入ると、一人の男が...
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「陛下、これからよろしくお願いいたします。」
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何とも陰湿な雰囲気の漂う不気味なこの男は、バルダリッチ・...
自身とライバル関係にあった一族の者たちを葬り去り、ここま...
以上より、私はこの男を全く信用できない。
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「陛下、お待たせいたしました。」
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そう言ってもう一人の男がやって来た。男の名はクリストファ...
クリストファーは私をどこか複雑な表情で見てくる。無理もな...
しかし、今では主従関係は逆転している。これは仕方のないこ...
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「早速ですが、先年皇帝の起こしたポーランド継承戦争は決着...
私が玉座に座るやいなや、バルダリッチがすかさず報告をして...
「して、どう決着した？」
「皇帝が戦に勝利し、新たにポーランド王位を兼ねられること...
#br
時は２年前に遡る。当時、ポーランドにおいては王が急逝し後...
「彼女がポーランド王に在ることを余は認めん。余こそがポー...
そう息巻いていたのは現神聖ローマ皇帝アロイス帝。母はポー...
「余は余の正当なる権利を行使する。」
簡単に言うとこのような経緯のもと、皇帝はポーランド継承戦...
#ref(７話その２.jpg)
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「帝国領は東に大きく拡大したというわけか。」
「はい。これで皇帝の力はますます強きものとなり、厄介かと...
私の言葉にバルダリッチはやたら危ない返しをしてきた。それ...
「バルダリッチ殿、今の言葉、畏れ多くも皇帝に対しなんとも...
バルダリッチはつい口を滑らせてしまったと、「しまった」と...
「クリストファーよ、ワシは別にそのようなつもりで言ったわ...
「では、どのようなつもりで言われたのですか？皇帝が厄介と...
ここぞとばかりにクリストファーは追い打ちをかける。
バルダリッチとクリストファーは次の王の継承（私のことだが...
「まあまあ２人とも、今は言い争ってる場合ではない。皇帝が...
２人の争いに業を煮やした私が仲裁に入る。
「それでは、ワシは早速密偵頭とともにポーランドに送る間者...
バルダリッチは「助かった」という顔をしながら私に深々と頭...
後には私と不満げな表情のクリストファーが残った。
「陛下。何故バルダリッチに助け舟を出されたのですか？」
クリストファーが私に詰め寄ってくる。ここに至り、私も堪忍...
「黙れ、私は王だ。貴様らは私の命に従え。」
私の怒鳴り声にクリストファーは驚きの表情を浮かべたものの...
「エメリッチよ、お前も偉くなったものだな。」
去り際にクリストファーが小声でつぶやいた一言が私の耳にも...
#ref(７話その３.jpg)
帝国の拡大。
**アプリア女公爵カンサ [#g6afb7db]
「シチリア王冠を我がハプスブルグ家が得たとはいえ、シチリ...
#br
バルダリッチの提案に私はうなずいた。次代に安定して王位を...
#br
「粛清などと・・・。強硬な方法は大きな反発を招きます。融...
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クリストファーが反論する。彼の言うことももっともだ。しか...
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「両者の言うことはどちらも正しい。だが、私はハプスブルグ...
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バルダリッチが不気味な笑みを浮かべる。クリストファーが悔...
バルダリッチも確かに信用ならない奴だが、嫌いな奴よりも信...
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シチリアにはオードブィル家の諸侯の他にも「忘れられた存在...
その名はカンサ。アプリア公爵の位にある女性である。彼女こ...
彼女はオードブィル家とハプスブルグ家の間で揺れ動くシチリ...
その彼女が今、「忘れられた存在」から「簒奪される存在」と...
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１１９１年８月。粛清の第一段階として、私はアプリア女公カ...
彼女からの返事は予想通りのものだった。
#ref(７話その４.jpg)
「横暴なる偽王よ、貴様の正当なき命に従うことはできぬ。」
#br
#ref(７話その５.jpg)
かくして逆賊アプリア女公爵討伐の戦が始まったのだ。
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#ref(７話その６.jpg)
この時のために周到に準備してきた我々に死角はない。
国境付近に待機していた我が討伐軍は一斉に逆賊の領地シラク...
** [#w872b468]
我が軍によるシラクサ包囲が完成したという知らせが届いた直...
クリストファーら一族の有力者のほとんどが討伐軍を率いてシ...
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「陛下が倒れられたか。いいか、このことは他に絶対に漏らす...
#br
バルダリッチがわけのわからない指示を部下に出している。
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「ワシがシチリア諸侯の粛清を王に提案したのは討伐軍の出陣...
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バルダリッチはそう言うと高らかに笑った。ああ、なんという...
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「王よ、貴方の次の王は長老であるワシが就くことになってお...
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どうやら私はクリストファーを個人的感情で遠ざける余り、真...
ああ、後悔してももう遅い。私はバルダリッチの息のかかった...
しょせん多くの者たちの欲望渦巻く王位など私には荷が重かっ...
願わくばあの世では男爵の頃のように悠々自適に読書を楽しむ...
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１１９２年８月。２代シチリア王エメリッチは世を去った。享...
後は年長者相続により、ネウチャテル伯バルダリッチが継いだ。
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