AAR/ハプスブルグ家で普通にプレイ/第4話 「不注意公」ワーラム
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[[AAR/ハプスブルグ家で普通にプレイ]]
**はじめに [#sef95efe]
私が親父の後を継いだ時、私はすでに40歳であった。私はこ...
え?後継者なんだから仕方ないって?冗談じゃない。
私といくばくも歳の違わないいとこたちが領主として立派に務...
「私にも父の仕事を手伝わせてくれ。」思い切ってそう願い出...
ようやく私の時代が来たのだ。これからは私の好きにさせても...
#ref(ハプスブルグ4話その1.jpg)
これが私。親父に比べればとても優秀だろう。
**公爵領のこと [#w0cc5a1a]
ところがだ。親父は死の直前に遺言を残していたらしい。
「当面は4者の合議で物事を決めるように」
だと!?ふざけるな!親父はどれだけ私のことを舐めていると...
全く腹立たしい。ちなみに4者とは公爵である私と公爵領の3...
#br
まず、我が叔父ウェルナー。
#ref(ハプスブルグ4話その2.jpg)
ネウチャテル伯ウェルナー。ネウチャテル・ハプスブルグ家の...
ネウチャテルの伯爵にして公爵領の宰相を務める。かつては親...
#br
次に、もう1人の叔父ゲルパルト。
#ref(ハプスブルグ4話その3.jpg)
初代ウェルナーの私生児であり密偵頭。
親父やウェルナー叔父とは母の違う私生児だという。早くから...
#br
最後に、我がいとこルドルフ。
#ref(ハプスブルグ4話その4.jpg)
リュゼラン男爵ルドルフ。ワーラムとはライバル関係にある。
公爵領の元帥を務め、兵権を握る男。幼い時から私とは犬猿の...
#br
ちなみに公爵領の有力者としては他にもジュネーブ伯である弟...
上述の3にんに私を加えた「4頭体制」によって上ブルグンド...
#br
「さて、今回は皇帝の教皇への宣戦に関して我が家の取るべき...
私の1言によっていつも合議は始まる。
「私は祖父や父の代と同様に皇帝支持の立場でいきたいと思う...
まずは私が自分の考えを述べるのが合議のお決まりだ。
「皇帝はいささか横暴になりつつある。ワーラムよ、ここは教...
そう言って私の考えに異議を唱えるのは決まっていとこのルド...
「貴様は何も将来のことを考えていない。劣勢の教皇について...
「そんなことはない。」
「ルドルフよ、貴様は単に私に反対したいだけだろう!」
「そんなことはない。」
このようにいつも私とルドルフは言い争いになる。
「まあまあ、2人とも落ち着きなさい。」
そう言ってウェルナー叔父がいつも私たちの仲裁に入る。
「ウェルナー叔父上はどうお考えか?」
すかさず私はウェルナー叔父に尋ねる。すると、決まって叔父...
「そうあわてて決めずとも、もう少し慎重に様子を見てそれか...
ウェルナー叔父は完全に親父に毒を抜かれている。慎重とは聞...
親父への反乱に敗れて以来、極度に地位を失うことに恐れを抱...
「ゲルパルト叔父上はいかがですか?」
いつもきまって最後に意見を言うのがゲルパルト叔父だ。ここ...
「我々は帝国に属する。帝国諸侯であれば皇帝を支持するのが...
そして、いつもゲルパルト叔父の一言ですべてが決まるのであ...
「それもそうですな。このルドルフ、異存はございません。」
さっきまで反対していたくせにどの面さげてほざくのか。
「わしもゲルパルトの言うことが正しいと思う。」
ウェルナー叔父よ、あなたに自分の意見というものが果たして...
このように、今回の合議でもゲルパルト叔父の鶴の一声で、我...
ただしかし、ゲルパルト叔父が最後に付け加えた一言について...
「帝国諸侯であれば皇帝を支持するのが道理というものだ。も...
**聖地巡礼 [#wb1f87ef]
1135年8月。私は聖地エルサレムへの巡礼を行うことを決...
もともと私は熱心な信仰者である。前々から巡礼をしたいとい...
「長旅だ。命懸けのものになるだろう。当主がこのような軽率...
珍しくウェルナー叔父が怒気をあらわに諫めてきた。
「ワーラムにも並々ならぬ覚悟があっての決断だと思います。...
ルドルフも珍しく私の考えに賛意を表した。まあ、旅途中で死...
ゲルパルト叔父の発言が待たれた。皆の視線を感じてか、ゲル...
「ワーラムの好きにすればよい。」
この一言で私の聖地巡礼が決定した。
#br
それから1月後。私は遂に聖地エルサレムに向けて旅立った。...
道中、本当に色々なことがあった。ここでは割愛するが、まさ...
だからこそ、エルサレムの地に無事にたどり着いた時の感動は...
#ref(ハプスブルグ4話その5.jpg)
エルサレムは現在アキテーヌ王よりファーティマ朝に奪還され...
そのため、様々な宗教の司祭がこの地では活動を行っていた。
私はこのような様々なこと寛容なイスラム教の姿に深い感銘を...
#ref(ハプスブルグ4話その6.jpg)
イスラム教にシンパシーを感じる。
もともと、強い信仰の気持ちからエルサレムに出向いてきたは...
**世代交代の季節 [#t9f70346]
1139年末。ゲルパルト叔父が突然この世を去った。享年6...
近頃はすっかり老いて、合議の場に出向くのも難儀するという...
#ref(ハプスブルグ4話その7.jpg)
公爵領最大の権力者の死。
「ゲルパルトが死んだのなら、合議はワシが重きを成していか...
そう言って得意気に笑っていたウェルナー叔父もそれから2年...
#ref(ハプスブルグ4話その8.jpg)
世代交代は確実に訪れていた。
2人の叔父の代わりに、新たに弟のジュネーブ伯ポッポとウェ...
私の宿敵である元帥ルドルフは今だ健在なものの、世代交代に...
#br
帝国においても世代交代の時期が訪れていた。
1143年9月。「道楽帝」ハインリヒ4世がこの世を去り、...
#ref(ハプスブルグ4話その9.jpg)
新帝。なかなかの武闘派。
新帝とは互いを認めあった親友関係であり、これにより帝国で...
**シチリア謀略戦線 [#q18e00c1]
1138年のこと。私はシチリア王弟フレリーを我が宮廷に招...
#ref(ハプスブルグ4その10.jpg)
また、シチリア王の末妹を我が嫡男オットーのもとに嫁がせて...
この時期、子のいないシチリア王の後継者候補筆頭は弟フレリ...
#br
それから13年後。我が孫娘は子を残すことなくこの世を去っ...
これにより、ハプスブルグの血族がシチリア王になる可能性が...
どうしてもシチリア王位をハプスブルグのものにしたい。私は...
#ref(ハプスブルグ4その11.jpg)
1151年10月。シチリア王弟フレリーは妻である我が孫娘...
全くの事実無根の濡れ衣であった。
フレリーの死により、今だ子のないシチリア王の後継者にはセ...
#br
子を残すことなく孫娘が世を去ったことで計画の狂った私は、...
そのために、上述のフレリーの処刑をはじめとした様々な謀略...
#br
1153年に始まったカプア戦争もその一貫であった。
#ref(ハプスブルグ4その12.jpg)
上ブルグンドからシチリアは正直遠い。陰謀を行う策源地はも...
そのため、シチリア王国に隣接する、弱小伯爵の治めていたカ...
#br
カプアを拠点に、私は密偵頭に新たな陰謀を指示した。
それは、現シチリア王の暗殺であった。
#ref(ハプスブルグ4その13.jpg)
シチリア国内を探ってみたところ、驚くことに多くの有力者が...
シチリア王はこんなにも嫌われていたのか・・・。私は憐れみ...
#br
「陰謀は成功しました。シチリア王暗殺の黒幕が殿であること...
密偵頭より報告が来た。これで、新シチリア王にはセルビア人...
後はこの新王も暗殺して、幼い娘が即位したところに、息子の...
笑いが止まらなかった。
**不遇 [#za25a6f8]
シチリア王暗殺の報告が届いた翌朝。その日、私は立ち上がる...
私は無能力者になってしまったのだ。
これも、天罰だろうか。
#ref(ハプスブルグ4その14.jpg)
まさかこんなことになるとは・・・。
摂政には嫡男オットーが就いた。
「父上、安心されよ。父上の悲願はそれがしが果たしますぞ。」
オットーは何もしゃべれずベッドに横たわる私にそう約束した。
事実、シチリアの新王はその直後に不審死を遂げている。想定...
今こそ、シチリアに攻め込むべきではないか。そう言いたいが...
オットーもこの好機に全然動こうとはしない。
実は、この時オットーは宮廷での権力闘争の最中にありそれど...
#br
さかのぼること数年前、カプアとの戦が始まったばかりのこと。
長年連れ添った妻が病死し、私は後妻として皇帝の娘、コチル...
#ref(ハプスブルグ4その15.jpg)
コチルダは非常に頭の良い女で、宮廷の人間もすぐに彼女の虜...
そして、具合の悪いことに、この女は野心も非常に高かった。
#br
オットーが権力闘争をしていた相手もコチルダだった。宮廷内...
#ref(ハプスブルグ4その16.jpg)
コチルダの野心は留まるところを知らない。コチルダは摂政の...
#ref(ハプスブルグ4その17.jpg)
何ということだろうか・・・。
#br
「父上、お待たせしました。」
私の寝所にオットーがそう言って現れた。
「コチルダがカプアの視察に赴いている間に、宮廷に残る者た...
私はそうかとうなずく。
「すでに逆賊コチルダを討伐する軍を編成済みです。父上、こ...
私は震える手でサインする。
「それでは、行ってまいりまする。」
#br
「もう父上も長くはないだろう。」
オットーは私の寝所から出ると、そうつぶやきニヤニヤと笑っ...
「コチルダは問題はあれども、法的には正当な手段でカプアを...
オットーは私のサインした命令書を高らかと掲げる。
「この命令書により、世間からの不評は父上が全て受けてくだ...
** [#g62cb8ba]
コチルダ討伐の軍がオットーに率いられて出発した次の日、私...
おーい誰かいないのか。私は声にならない悲鳴をあげる。
しかし、誰も駆けつける者はいない。
#br
1161年7月。3代目上ブルグンド公爵ワーラム・ハプスブ...
享年70。不遇な晩年から死後「不注意公」と称された。嫡男...
#ref(ハプスブルグ4その18.jpg)
終了行:
[[AAR/ハプスブルグ家で普通にプレイ]]
**はじめに [#sef95efe]
私が親父の後を継いだ時、私はすでに40歳であった。私はこ...
え?後継者なんだから仕方ないって?冗談じゃない。
私といくばくも歳の違わないいとこたちが領主として立派に務...
「私にも父の仕事を手伝わせてくれ。」思い切ってそう願い出...
ようやく私の時代が来たのだ。これからは私の好きにさせても...
#ref(ハプスブルグ4話その1.jpg)
これが私。親父に比べればとても優秀だろう。
**公爵領のこと [#w0cc5a1a]
ところがだ。親父は死の直前に遺言を残していたらしい。
「当面は4者の合議で物事を決めるように」
だと!?ふざけるな!親父はどれだけ私のことを舐めていると...
全く腹立たしい。ちなみに4者とは公爵である私と公爵領の3...
#br
まず、我が叔父ウェルナー。
#ref(ハプスブルグ4話その2.jpg)
ネウチャテル伯ウェルナー。ネウチャテル・ハプスブルグ家の...
ネウチャテルの伯爵にして公爵領の宰相を務める。かつては親...
#br
次に、もう1人の叔父ゲルパルト。
#ref(ハプスブルグ4話その3.jpg)
初代ウェルナーの私生児であり密偵頭。
親父やウェルナー叔父とは母の違う私生児だという。早くから...
#br
最後に、我がいとこルドルフ。
#ref(ハプスブルグ4話その4.jpg)
リュゼラン男爵ルドルフ。ワーラムとはライバル関係にある。
公爵領の元帥を務め、兵権を握る男。幼い時から私とは犬猿の...
#br
ちなみに公爵領の有力者としては他にもジュネーブ伯である弟...
上述の3にんに私を加えた「4頭体制」によって上ブルグンド...
#br
「さて、今回は皇帝の教皇への宣戦に関して我が家の取るべき...
私の1言によっていつも合議は始まる。
「私は祖父や父の代と同様に皇帝支持の立場でいきたいと思う...
まずは私が自分の考えを述べるのが合議のお決まりだ。
「皇帝はいささか横暴になりつつある。ワーラムよ、ここは教...
そう言って私の考えに異議を唱えるのは決まっていとこのルド...
「貴様は何も将来のことを考えていない。劣勢の教皇について...
「そんなことはない。」
「ルドルフよ、貴様は単に私に反対したいだけだろう!」
「そんなことはない。」
このようにいつも私とルドルフは言い争いになる。
「まあまあ、2人とも落ち着きなさい。」
そう言ってウェルナー叔父がいつも私たちの仲裁に入る。
「ウェルナー叔父上はどうお考えか?」
すかさず私はウェルナー叔父に尋ねる。すると、決まって叔父...
「そうあわてて決めずとも、もう少し慎重に様子を見てそれか...
ウェルナー叔父は完全に親父に毒を抜かれている。慎重とは聞...
親父への反乱に敗れて以来、極度に地位を失うことに恐れを抱...
「ゲルパルト叔父上はいかがですか?」
いつもきまって最後に意見を言うのがゲルパルト叔父だ。ここ...
「我々は帝国に属する。帝国諸侯であれば皇帝を支持するのが...
そして、いつもゲルパルト叔父の一言ですべてが決まるのであ...
「それもそうですな。このルドルフ、異存はございません。」
さっきまで反対していたくせにどの面さげてほざくのか。
「わしもゲルパルトの言うことが正しいと思う。」
ウェルナー叔父よ、あなたに自分の意見というものが果たして...
このように、今回の合議でもゲルパルト叔父の鶴の一声で、我...
ただしかし、ゲルパルト叔父が最後に付け加えた一言について...
「帝国諸侯であれば皇帝を支持するのが道理というものだ。も...
**聖地巡礼 [#wb1f87ef]
1135年8月。私は聖地エルサレムへの巡礼を行うことを決...
もともと私は熱心な信仰者である。前々から巡礼をしたいとい...
「長旅だ。命懸けのものになるだろう。当主がこのような軽率...
珍しくウェルナー叔父が怒気をあらわに諫めてきた。
「ワーラムにも並々ならぬ覚悟があっての決断だと思います。...
ルドルフも珍しく私の考えに賛意を表した。まあ、旅途中で死...
ゲルパルト叔父の発言が待たれた。皆の視線を感じてか、ゲル...
「ワーラムの好きにすればよい。」
この一言で私の聖地巡礼が決定した。
#br
それから1月後。私は遂に聖地エルサレムに向けて旅立った。...
道中、本当に色々なことがあった。ここでは割愛するが、まさ...
だからこそ、エルサレムの地に無事にたどり着いた時の感動は...
#ref(ハプスブルグ4話その5.jpg)
エルサレムは現在アキテーヌ王よりファーティマ朝に奪還され...
そのため、様々な宗教の司祭がこの地では活動を行っていた。
私はこのような様々なこと寛容なイスラム教の姿に深い感銘を...
#ref(ハプスブルグ4話その6.jpg)
イスラム教にシンパシーを感じる。
もともと、強い信仰の気持ちからエルサレムに出向いてきたは...
**世代交代の季節 [#t9f70346]
1139年末。ゲルパルト叔父が突然この世を去った。享年6...
近頃はすっかり老いて、合議の場に出向くのも難儀するという...
#ref(ハプスブルグ4話その7.jpg)
公爵領最大の権力者の死。
「ゲルパルトが死んだのなら、合議はワシが重きを成していか...
そう言って得意気に笑っていたウェルナー叔父もそれから2年...
#ref(ハプスブルグ4話その8.jpg)
世代交代は確実に訪れていた。
2人の叔父の代わりに、新たに弟のジュネーブ伯ポッポとウェ...
私の宿敵である元帥ルドルフは今だ健在なものの、世代交代に...
#br
帝国においても世代交代の時期が訪れていた。
1143年9月。「道楽帝」ハインリヒ4世がこの世を去り、...
#ref(ハプスブルグ4話その9.jpg)
新帝。なかなかの武闘派。
新帝とは互いを認めあった親友関係であり、これにより帝国で...
**シチリア謀略戦線 [#q18e00c1]
1138年のこと。私はシチリア王弟フレリーを我が宮廷に招...
#ref(ハプスブルグ4その10.jpg)
また、シチリア王の末妹を我が嫡男オットーのもとに嫁がせて...
この時期、子のいないシチリア王の後継者候補筆頭は弟フレリ...
#br
それから13年後。我が孫娘は子を残すことなくこの世を去っ...
これにより、ハプスブルグの血族がシチリア王になる可能性が...
どうしてもシチリア王位をハプスブルグのものにしたい。私は...
#ref(ハプスブルグ4その11.jpg)
1151年10月。シチリア王弟フレリーは妻である我が孫娘...
全くの事実無根の濡れ衣であった。
フレリーの死により、今だ子のないシチリア王の後継者にはセ...
#br
子を残すことなく孫娘が世を去ったことで計画の狂った私は、...
そのために、上述のフレリーの処刑をはじめとした様々な謀略...
#br
1153年に始まったカプア戦争もその一貫であった。
#ref(ハプスブルグ4その12.jpg)
上ブルグンドからシチリアは正直遠い。陰謀を行う策源地はも...
そのため、シチリア王国に隣接する、弱小伯爵の治めていたカ...
#br
カプアを拠点に、私は密偵頭に新たな陰謀を指示した。
それは、現シチリア王の暗殺であった。
#ref(ハプスブルグ4その13.jpg)
シチリア国内を探ってみたところ、驚くことに多くの有力者が...
シチリア王はこんなにも嫌われていたのか・・・。私は憐れみ...
#br
「陰謀は成功しました。シチリア王暗殺の黒幕が殿であること...
密偵頭より報告が来た。これで、新シチリア王にはセルビア人...
後はこの新王も暗殺して、幼い娘が即位したところに、息子の...
笑いが止まらなかった。
**不遇 [#za25a6f8]
シチリア王暗殺の報告が届いた翌朝。その日、私は立ち上がる...
私は無能力者になってしまったのだ。
これも、天罰だろうか。
#ref(ハプスブルグ4その14.jpg)
まさかこんなことになるとは・・・。
摂政には嫡男オットーが就いた。
「父上、安心されよ。父上の悲願はそれがしが果たしますぞ。」
オットーは何もしゃべれずベッドに横たわる私にそう約束した。
事実、シチリアの新王はその直後に不審死を遂げている。想定...
今こそ、シチリアに攻め込むべきではないか。そう言いたいが...
オットーもこの好機に全然動こうとはしない。
実は、この時オットーは宮廷での権力闘争の最中にありそれど...
#br
さかのぼること数年前、カプアとの戦が始まったばかりのこと。
長年連れ添った妻が病死し、私は後妻として皇帝の娘、コチル...
#ref(ハプスブルグ4その15.jpg)
コチルダは非常に頭の良い女で、宮廷の人間もすぐに彼女の虜...
そして、具合の悪いことに、この女は野心も非常に高かった。
#br
オットーが権力闘争をしていた相手もコチルダだった。宮廷内...
#ref(ハプスブルグ4その16.jpg)
コチルダの野心は留まるところを知らない。コチルダは摂政の...
#ref(ハプスブルグ4その17.jpg)
何ということだろうか・・・。
#br
「父上、お待たせしました。」
私の寝所にオットーがそう言って現れた。
「コチルダがカプアの視察に赴いている間に、宮廷に残る者た...
私はそうかとうなずく。
「すでに逆賊コチルダを討伐する軍を編成済みです。父上、こ...
私は震える手でサインする。
「それでは、行ってまいりまする。」
#br
「もう父上も長くはないだろう。」
オットーは私の寝所から出ると、そうつぶやきニヤニヤと笑っ...
「コチルダは問題はあれども、法的には正当な手段でカプアを...
オットーは私のサインした命令書を高らかと掲げる。
「この命令書により、世間からの不評は父上が全て受けてくだ...
** [#g62cb8ba]
コチルダ討伐の軍がオットーに率いられて出発した次の日、私...
おーい誰かいないのか。私は声にならない悲鳴をあげる。
しかし、誰も駆けつける者はいない。
#br
1161年7月。3代目上ブルグンド公爵ワーラム・ハプスブ...
享年70。不遇な晩年から死後「不注意公」と称された。嫡男...
#ref(ハプスブルグ4その18.jpg)
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