AAR/グランドクロス・クロニクル

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1180: 婚姻の提案をただちにイングランドにおくった。 本来なら、わたしは自分の憂慮を防ぐために母系結婚をリチャードに求めるべきだっただろう。 最初のプレイでは、リチャードはわたしの要望にただちに応えてくれた。しかし今回は、わたしは最新パッチを当ててプレイしている。彼はわたしの要請を何度やっても断り、父系結婚しか受け入れなかった(そこで私はとりあえず父系結婚をして、継承の時期にリロードして継承者にプレイヤーを移した。) 史的にも、こうした行為には問題はない。なぜならアンジュー家とプランタジネット家は同じ血筋の分家同士だから。 (おそらく未来のパラドックス社はこうした有名な血筋に対してはまた別のシステムを導入して区別するだろう。カペーのような、長い期間ヨーロッパ政治の主役になっていた血筋に対しては特に。)

婚姻の提案をリチャード獅子心公におくったあと、シビルの最初の野望を「結婚する」に設定した。 そして女公の廷臣たちを各々の職務に就かせた。

シビルには三人の廷臣がいた。 ヤッファはもっとも人口が多く、繁栄しているため、家令に税金徴収の任務を与えた。 また、元帥を反乱鎮圧の任務に就かせたが、私はリチャードがすぐにこの職務につくだろうと予測している。 司祭はダラムにおくり、ヤッファの司教に影響を与えようとした。 あとの二人はシビルの領土の外で任務に当たらすことにした。 つまり密偵頭はイェルサレムの首都に派遣してどのような陰謀にも目を光らすようにしたし、宰相はシビルの叔父ヨセリンの領地におくってクレイムをとらせようとした。

少し経って、賑やかなポップアップとファンファーレとともにリチャード獅子心公が王のもとに到着した。 シビルは彼の従兄弟*1に即座に会った。背が高く、長髪でハンサムな男性だった。 地方の住民たちはたちまちこの新顔のカリスマに夢中になった。彼は勇敢な騎士と品行方正な娘たちを側近にしてイェルサレムに到着した。

リチャードとシビルは直系の従兄弟で、シビルの父アマルリク王はリチャードの祖父ジェフリー・ド・アンジューの異母弟だった。 これらの関係は異なった二つの意味をもつ。 協会は七親等以内の婚姻を禁止していたが、たとえば次の図をみてほしい。

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とはいえ、ゲームでは遠縁関係は乗り越えられない障害ではない。 こうした縁戚関係の結婚は、中世の教会の方法でふつうに遂行され、貴族の権力と影響力を拡大させた。 多くの中世の夫婦は血縁同士だったし、たとえばウィリアム征服王とフランドル公マチルダがそうだった。アキテーヌ公エレノアとフランスのルイ7世だってそうだ。 後者の場合では、エレノアは近親関係を理由に簡単に離婚することができた。

そこで私はすぐに許可を得ようと考えた。教皇の下に行って贖宥状をいくつか買うのだ。 もちろんこのような夫婦にはインブリードの危険性がつねにある。しかしわたしはこの場合、リスクをとった。 リチャード獅子心公を得ることはほかの何物にもまさる。

結婚式はイェルサレムにある聖墳墓の教会で盛大に執り行われた。 王国のあらゆる貴族が王女の結婚式を目撃しようとあつまった。 シビルの黒髪はたなびき、リチャードのトレードマークである真紅のダルマチカが印象的だった。 セレモニーはイェルサレムの司祭長であるヘラクリウスによって執り行われ、義務、愛、それから貞節について語られた。しかし血縁関係については触れられなかった。

こうした血縁関係の問題を等閑視する司祭長のておちに目くじらをたてる嫌味な聖職者も何人かはいた。 しかし、彼らは司祭長のもっとも重要な支持者-アグネス・ド・コートニーをよく知らなかった。 ボードワン4世は狂信的な聖職者の派閥問題に対しては公平の立場を貫こうとしていた。だから彼は母の期待には応えられなかった。 いうまでもなく、あたらしい司祭長は彼の仕事場のこうした特殊な側面についてよく熟知していた。

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シビルの結婚の野望は達成されたので、あたらしく目標を選び直すことにする...。

無数の役立つ情報がでてきたので、親指が痛くなってきた。私は即座に、ためらわず、それを見た。

密偵頭が、シビルの異母妹であるイザベルが彼女を殺害しようとしているという情報をもってきたが、それは別に驚くにはあたらない。 驚きなのは、イザベラの母マリア・コムネノスがビザンチンの流儀で陰謀の総指揮をとっていたことだった。 彼女らの目的は明白で、シビルを除けば、イェルサレム王国のクレームをもつものはボードワン4世一人になるからだ。 しかしそれもまた当然だろう。私だってつねに同じことを考えている。 重要なのは、イザベル(もしくはマリア)がそれを実行する前にシビルがそれをやってしまうことだ。

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この陰謀の最重要人物は、シビルの母、マリア・デ・コートニーだった。 結果的に、彼女はイザベルをまねきいれる役割を果たした。 それはマリア未亡人にとって重大な失敗だった。 アグネスは熱心に陰謀に参加したが、彼女をまねきいれることで宮廷の女性たちを陰謀にひきいれるのは容易になった。

共犯者にくわわった貴族たちの顔ぶれは一様ではなかった。 ティベリアス伯レイモンドは陰謀の成否に懐疑的で、助力を拒否するだろう。陰謀について知ってたら、彼は妨害さえしたかもしれない。 エティネイト・デ・ミリーも彼の夫であるレイモンドも、どんな協力もしなかった。 彼女の息子ハンフリーと、その婚約者イザベラ王妃もまた、自分たちの威信をあげるような役割にはいなかった。 不屈のバリアン・イベリンも役立たず。彼はマリアの夫で、イザベルの義理の父で、かつその教育係だったから。

しかしもう一人、まだあたっていない廷臣がいた。

幾月か陰謀をすすめてみた。密偵頭のレポートには殺人の陰謀がたくさん掲載されていた。 誰がこのずるがしこい陰謀の首謀者なのか? リチャード獅子心公。シビルのあたらしい夫だった。 このおそろしい計画で殺されることになっているのは、他でもないイェルサレム王妃であるイザベラだ。

よくやった、獅子心公!

リチャードは即座にこの計画にくわわって、成功の機会を最大限に引き上げてくれた。 イザベラは死んだ。スイーツ(笑)。 たぶんマリアはシビルが犯人だろうと疑っているだろうが、どうして彼女にそのことができるだろうか?

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1181: あたらしい年がはじまったが、イェルサレム王国はいつもと変わらない。 ティベリウス伯レイモンドは厭世的にむっつりしたまま北方の砦に引きこもっていたし、 レオナルド・デ・シャティヨンはサラディンの隊商を襲撃し続けていた。 マリア・コムネノスは相変わらず復讐の機会をうかがっていたし、ボードワン1世の体調は悪いままだった。

王宮では年次祝賀会が準備されていたが、南方から差し迫った知らせが届いた。 ボードワン1世がレオナルドによるサラディンへの嫌がらせを止められなかったため、サラディンはついにトランスヨルダンに対するジハードを宣言したのだ。

行動には常々予期せぬ結果が伴うものだが、これはそうした例の一つだろう。

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AAR/グランドクロス・クロニクル/王座の行方


*1 リチャード獅子心公。

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