プロヴァンス女公Bona
夫・神聖ローマ皇子Ruprecht
外務大臣(宰相)Toumas
プロヴァンス女公Matildaはブルグンド王位を目指したが、道半ばで斃れ、その跡は男の兄弟を差し置いて、次女のBonaが継いだのだった。
おはようございます、Toumas。
何か御用でしょうか?
今のわが国の状況を説明して欲しいのよ。
しかし、Bona様。Bona様は充分にお詳しいでしょう。
そうだけど、この機会に夫にも聞いて欲しいの。
すみません。この土地には疎いもので。
本当に私で宜しいのですか?
相続に関して利害関係があったことは承知の上だわ。それとも他に適任者がいる?
それもそうですね。
Bona様のお祖父様に当たるBetrand様は失意の内にスプレートの牢獄で獄死なさいました。
跡を継いだのがBona様のお母上、Matilda様でしたが、彼女は女性の幼君という危機を乗り越えて、
ブルグンド女王を宣言するまでもう一歩というところまで迫ったのです。
そのお話はかねがねBonaから伺っています。
ところが、帝位はザーリアー家からノイエンブルク家に移行。
それとともに王権が強化され、帝国内の私戦に関して禁止令が敷かれてしまいました。
それで、新たに方向性を模索する必要があるということなのよね。
ええ。その通りです。
今が大事な時期ということなんだね、Bona。
そうよ。だから、周辺の状況を確認しないと。ざっとおさらいしましょう。
10年ほど前にフランス王国は南北に分裂しましたが、つい数ヶ月前に再統一されています。
そちらに手を伸ばすのは困難そうね。
北イタリアは、ロンバルディアとトスカーナが独立していましたが、
ロンバルディアは帝国に再度併合されています。
そして、トスカーナは?
独立戦争の盟主だったホラント公Dirkが一旦は平定したのですが、次の代になって、
帝国にホラント本国を攻撃され、ホラント公位を喪失しました。
その後、複数の伯爵領が独立し、多くの小国家が乱立する状況となっています。
(参考図:左はホラント公国の最盛期。右はジェノヴァ陥落後。)
兄上たちがイタリア諸侯と婚姻を結んでいるのにはそういう理由があったのね。
ええ。Rudger様の奥方はアンコナ女伯ですし*1、Gautier様はボローニャ女伯と結婚されています。
知ってるわ。母上は『Gautierが外国に行ってしまう!』って大騒ぎしてサヴォイア伯位を譲ったのだもの。
Rudger兄さんは男爵領しか貰えてなかったから、不公平だって愚痴ってたわね。
ははは。そんなこともありましたね。
しかし、いずれにせよ。我々はイタリアに活路を見出すしかないようね。
左様でしょうか?イタリアの領地はブルグンド王国設立には何の役にも立ちませんよ。
そうね。でも、ブルグンドの王位にこだわることはないわ。王位は欲しいけど。
お父上の出身のアラゴン王国や、フランス南部のアキテーヌ王国を狙うんだね。
そういうことになるわ。
なるほど。
ただ、現状ではまだ兵力が足りないわ。傭兵を雇う資金力が充分でないの。
資金であれば、Matilda様はプロヴァンスに新たにタラスコン市を築くなどされていますよ。
内政もいいけど、外征も必要よ。たとえば、ジェノヴァは我が領国のどこよりも税収が多い豊かな土地よ。
たしかに、それは事実ですな。それにあそこは他に所領のない独立国です。
ジェノヴァを攻撃する、ってことだね。
Toumasは請求権を捏造してきて頂戴。
かしこまりました。
Toumasは辣腕を発揮してわずか数ヶ月でジェノヴァの請求権を獲得。
Bonaは公位の継承から3年とかからずにジェノヴァへ支配を広げた。
帝国内での私戦が禁止されたものの、王権を弱体化させるべく帝国と一戦を交えるほどの戦力は整っていないため、ひとまずは帝国外への拡張を行っていく事にしました。帝国外の勢力との交戦は①帝国の諸侯は(王権がHigh以下の場合)開戦事由に則って自由に宣戦が可能、②帝国外の諸侯はいかなる場合でも帝国内の諸侯には宣戦できない(戦争をする場合は帝国自体と戦火を交える必要がある)という極めて不公平なものなので、中小国相手には一方的に攻め込む事ができます。
なお、アンコナやボローニャは将来の併合も見据えていましたが、無思慮に時間を進めると、逆にRudgerやGautierに与えた封土を奪われることにも繋がり兼ねないことに後から気がつきました。なお、BonaとRuprechtは運よく恋愛関係となり、なおかつ互いにKindのtraitを持つことで常に相互のOpinionが100を維持するような状況で、次々と子宝に恵まれました。まぁ、MatildaとFelipeはOpinionが常にマイナスだった割には子供が5人も生まれたので、一概には言えませんが。
……Bona。
なに?
Bonaってなんだか、……格好いいね。
そう?ありがとう。
私もあなたを尊敬しているわ。
領主と結婚した廷臣は領主の領国に移動してしまい、閣僚に起用したり、領地を自由に与えたりできなくなってしまうので注意してください。これを防ぐために、Rudgerにはプロヴァンスに付属する男爵領を、Gautierにはサヴォイア伯領を与えています。今後、「サヴォイア家」という表現が出てくることがあるかも知れませんが、これは「猛牛」Gautierの子孫の家系のことです。