神聖ローマ皇帝Dietmar
廷臣Hilal、イベリア半島の出身である。
Anselmo、トスカーナ公Flavioの弟。
神聖ローマ皇帝Lotharは最初の妻Annaがデンマーク=ポーランド王室の血を継いでいたことからポメラニア戦争に介入し、ポメラニアを除くデンマーク=ポーランドの全土を支配下に収め、デンマーク王には自らの息子を、ポーランド王には娘を据えたのだった。
1329年9月、デンマークで戦役の顛末を見届けた神聖ローマ皇帝Lotharは73歳でこの世を去った。その跡を継いだのはAdalbert帝の長子、Amaneusだった。Adalbert帝の末期の願望が、26年の時を経て遂に実現したのだ。
Just、Kind、Gregariousを持ち、外交スキル15と充分、名君といえる能力を備えていたが……。
即位した新帝の年齢は61歳。これはAdalbert帝の67歳、Heinrich授福帝の56歳と比べて特別に高齢ということではなかったものの、実際のところ、この時代を考えれば、老齢である。Adalbert帝が長男に惚れ込んだのはただの親馬鹿ではなかった。新帝は皇帝として充分な能力を持っていた。ところが、皇帝としての激務にその老身は耐えられなかったのだった。
皇帝はみるみるうちに老け込み、若き日のような明晰さを表すこともめっきり減り、体調を崩しては床に伏せる日も次第に増えていった。そして、1330年8月、戴冠から1年も経たぬうちにAmaneus帝は薨去した。すぐさま選帝会議が召集され、新帝が選出された。戴冠したのは、Heinrich授福帝の長男Dietmarだった。しかし、彼の道程には、困難が立ち塞がっていたのである。
――1332年、シュトゥットガルト。
申し上げます。ハンガリー王からの親書によりますと、黄金のオルドは再度ハンガリーの征服を企んでいる様子。
何だって!
既に宣戦布告がなされたという報告もあります。
くそ!ハンガリー王単独ではとても戦えない相手だ。我々も助力せねば。直ぐに兵の用意を整えるのだ。
畏まりました。
父を忘れたとは言わせぬぞ、モンゴル人ども。
Dietmarはポーランドを経由して6万の軍勢をモンゴル領内に送り込んだ。
ところが、モンゴル軍本隊がハンガリーに到着すると、彼らは自らの予測が遠く及んでいなかったことを痛感したのだった。
ハンガリー領内の城郭が、次々と敵方に奪われていっています!
ぐぬぬ!
モンゴル軍の強襲。こうなると全く手がつけられない。
モンゴル軍の電撃戦により本隊の到来から僅か数ヶ月の間にハンガリーは降伏。再びモンゴルの軍門に降ったのだった。
ハンガリーでの戦争、本当に残念でした。
そうだな。Hilalも疲れただろう。まぁ、ワインでも飲んでくれ。
皇帝。お顔を拝見すると、先の戦のこと、あまり気にされていないのでしょうか?
うむ。どうせ勝てぬ戦だったからな。兵士に犠牲が少なかったのが幸いといったところだろう。
モンゴルが帝国を攻めて来たらどうするのです?私は不安で夜も眠れません。
奴等がポーランドを狙って来たら、守りきれる自信は無いな。
そんな!
まぁ、だが、直ぐにそのようなことにはなるまい。
そんな、悠長な……。
単純な軍事力で言えば我々が勝っているのだ。奴等とて我々が怖いだろう。
ファーティマ朝の牙城がなかなか崩れない。イングランドを併せ上位4ヶ国が突出している。
そんなものですか?
奴等が攻めてくる前に、我々は国力を蓄えねばならん。
なるほど!
実は、既に手は打ってあるのだ。
と……いいますと?
ボローニャを要求するのだ。
請求権の捏造ですね。
いや、予はイタリア王を宣言した。
??
ボローニャは本来、イタリア王が統治すべきだということさ。ピサではなくね。
そういうことですね!すぐに軍隊を送りましょう。
そう焦るな。戦は準備が肝心なのだ。Anselmoを呼んで来い!Anselmo?!
ごほっ。お呼びでしょうか?ごほ、ごほ。
ああ。君はトスカーナ公の弟だったね。
その通りです、皇帝。ごほっ。
君は、お兄さんについてどう思っている?
彼のような臆病(craven)で嘘つき(decietful)な大食い(gluttonous)は到底為政者には向きません。
そうか。では、君にボローニャを与ようではないか。それに、妻とも死に別れたそうじゃないか。
よくご存知で。
前帝の娘の婿に入るのであれば、お兄さんを打ち倒すのに帝国の力を貸そう。
ありがとうございます。……ごほ、ごほ。
彼女は未だ未成年ゆえすぐには結婚できぬが……。
可愛いお嬢さんなんでしょう?嬉しいことです。
まぁ良い。そういうことだから、準備をしておいてくれ。もう下がってよいぞ。
諒解しました。ごほ、ごほっ。
殿、本気ですか?
ん?
彼は、肺病持ちですよ。それに兄と同じくらい嘘つき(decitful)で嫉妬深い(envious)。このような大役が務まりますかね?
まぁ、肺病はそのうち治るだろう。
そんなものですか?
それに、彼の嫉妬があってこそ、このような話に乗って来たとも言えよう。
神聖ローマ帝国はトスカーナ公Flavioの弟Anselmoを立ててピサ共和国領トスカーナに侵攻した。 トスカーナはこれ以降、神聖ローマ帝国の版図に組み込まれることとなる。
十字軍によってハンガリーを奪回したカトリックでしたが、モンゴル軍の再侵攻の前にはなす術も無く敗れてしまいました。十字軍の際は、野戦での決戦を避けつつ持久戦に持ち込みながら辺境のプロビンスを占領して勝利点を稼ぐという戦術が有効でしたが、モンゴルが攻撃側の場合、迅速な機動力で展開しつつ、圧倒的な兵力による強襲で瞬く間に領地を占領されてしまい*1、十字軍の際と同様の戦術はまったく通用しないのです。このため、ハンガリーで黄金のオルドを迎え撃つことはほとんど不可能のように思われます。
次にde jure CBによる戦争について補足します。イタリア王位を宣言した皇帝Dietmarはボローニャのde jureを主張してピサ共和国に宣戦を布告しました。
イタリア王国のde jure
de jureによる戦争は、その封土の帰属を主張している訳ですから、通常はそのプロビンスの伯爵の臣従先が交代するだけです。ところが、これには例外があります。端的に言えば、係争しているプロビンスがもともと相手方の王国などの直轄領であった場合は、de jureによる戦争の結果、新たな領地が直轄領として得られるのです。同様に、そのプロビンスの伯爵が別のプロビンスの伯を兼ねていた場合も、戦後処理で直轄領となります。
今回、ボローニャはピサ共和国の直轄領となっていましたので、de jureによる宣戦布告を行い、直轄領として獲得したボローニャをトスカーナのstrong claimを持つAnselmoに与え、彼のclaimを利用してトスカーナを獲得しました。Strong claimを持つ人物は得てして臣従している境遇に不満を覚えていますので、Anselmoのように引き抜きが可能である場合は少なくありません。
Consumprionは肺結核を意味します。健康に-2のペナルティがありますが、Maimed(障害)と違い、数ヶ月~数年で快復するため、さほど致命的では無いことが多いです。もちろん、快復する前に死亡することもあります。「腸チフス」(Typhoid Fever=Slow Fever)などと同じ「感染症」として登場しますが、肺病はその中でも比較的危険度の小さいものです*2。
Dietmar, Emperor of Holy Roman Empire(Fortune Maker) 外交8 戦術13 管財18 謀略7 学問10 Quick Decitful Gregarious Just Kind Brave Zealous
Dietmarです。即位当初は少し優秀な程度の皇帝でしたが、治世の間にJust、Braveを獲得し、Gluttonous(とProud)を失ったため、臣下のopinionに+35ものボーナスがつく非常に優秀なtraitsが揃いました。