AAR/フレイヤの末裔 AAR/フレイヤの末裔/カルル王(前編)
神の名はオーディン、即ち「
――『ハンブルク教会史』第四部『北欧諸島誌』
斧と斧が叩き合って火花を散らす。矢が北方の凍気を裂いて飛ぶ。敵を討って雄叫ぶ者がいる。討たれて呻く者の声がする。戦さ音が、戦さ歌が、カルマルに響いていた。
あらゆる北方人が、
時折、その戦の塊の中から弾き飛ばされる様に散った者が、後陣のカルルに迫る。彼らは何れも満身創痍。全身を戦創と返り血で深紅に染めながらも、寒さも痛みも疲れも忘れて、凍て風に逆らって猛然と進撃し、カルルの近衛達に屠られていった。
「ウプサラに、幸いあれ……!!」
敵も味方も、戦場の誰もが笑っていた。殺す者も殺される者も、笑いながら戦い果てていった。 斬り、斬られ、撃ち、撃たれ、戦い合って、誰もそれを恐れていなかった。
カルルは傍らの友に訊ねた。王の近衛でもある友は大斧を揮い、また一人のスヴェア兵の頭蓋をその兜ごと粉砕していた。
それは文法上、質問の形を取っていたが、カルルが求めているのが単に確認である事をトステは理解していた。
脳漿を撒き散らして斃れるスヴェア兵の、辛うじて元型を留めた口元はやはり笑っている様に見えた。 兵力差はざっと3倍、国力差はさらにその倍以上にもなるこの戦いで、スヴィドヨッドに勝ち目はない。 この圧倒的な負け戦を、しかしスヴェアの戦士達は愉しんでいる様に見えた。 これは不可解な戦争だった。フローニとフローニが、お互いを憎み合う事すらしないまま争い合う戦いだった。 恋人同士が「一つになりたい」と願って、肉と肉を、体液と体液を交わらせる様な、これはそんな闘争だった。
これが凄惨でありながら神聖で、闘争の形を取った儀式である事を、全てのノルドが理解していた。
「所有するという事」は、ノルドにとって余りにも神聖で、それは命を掛けた闘争によってのみ認められる。
それ故に、侵略と略奪は神聖な儀式だった。奪い、奪われる事によってそれぞれが持って生まれた
殊に、争われるのが「北方世界の全て」であるならば。闘争なく決定されてはならないのが必然だった。
カルルもまた、数多のデーン兵を退けて眼前に迫った一人のスヴェア兵を一刀で討って除ける。
「奪って奪い尽くして得た、スカンディアの『何もかも』なら。ノルドの誰が持っていてもおかしくないって思わんか」
すると、カルルは騎馬を打って猛然と駆け出した。前線へ向けて。真っ直ぐに。
「なあトステよ! 『ただの王』じゃあいけねえんだよ! 『王達のただの王』でも! 『皇帝になるだけ』じゃ、足りねえんだ……!」
カルルの騎馬は幾つものスヴェア兵とデーン兵の亡骸を踏み付けながら血風を巻き上げて駆け、剣と斧と槍の打ち合う闘争の坩堝に駆け込んで行く。
「だあっはっはっは! 俺らの王様は時々過激だぜ!!!!」 「馬鹿じゃねえのか!!? 王の一騎駆けだと!!」 「やらせるな!! 陛下をお守りしろおお!!!!」 「討てえええ!! カルマルフスまでは走らせるな! 討てば勝てるぞこの戦ああ!!!!」 「殺せ、殺せ! 先に殺せ!!!! 殺させる前に殺せ!!!!」 「殺させろ! 殺させる為に殺す!! 殺される前に殺させる為に殺す!!!!」 「殺せ! 殺せ!! 殺せ!!!!」 「殺せ! 殺せ!! 殺せ!!!!」
カルルの駆けた後では、敵も味方も闘争心を煽られて、次々と狂乱の度を増していく。カルマルに集う全ての戦士の血が、カルルの姿に温度を上げる。 蹄鉄の巻き上げた血煙は、戦の悦びを惹起する媚薬の霧となって舞い、彼も我も無く誰もの意識を殺戮一色に染め上げて行く。
「パイク隊構ええええええ!!」
遂にカルルの目に城砦が写る。ノルドとノルドの打ち合う中を加速し貫いて、前線を抜けつつあった。間に敵指揮官とその護衛の一団が備えている。 落馬まがいに地に身を転げさせて、騎馬を捨てる。馬もまた狂乱に浮かされたのか、構えられたパイクの列に自ら突進する。 全身を貫かれた痛みに血を噴き出しながら荒れ狂う騎馬は数名のスヴェア兵を道連れに倒れる。カルルは漸くで立ち上がる。 今度は自分の脚で駆けようとする……が、肋骨に、痛みが走った。地面に打って、皹が入った様だった。
馬を突っ込ませて崩れた戦列を抜け、敵指揮官の首を獲る、というのがカルルの目論見だった。 しかし、痛みにたたらを踏むカルルは既にスヴェア兵に囲まれていた。彼らの目は殺意に満ちている。怒りや憎しみや悲しみに因しない殺意が。 それは儀式的な熱狂だった。それは闘争の狂乱だった。それは、ノルド人の魂の根底にある狂気だった。
一言毎に顎関節を限界まで開き、カルルが吼える。
「スヴィドヨッドの勇者達よ聴くが良い! 我こそフローニのカルル、汝らの新たな支配者なり!!」
「我が天恵の多寡を問う者あらば、その刃でこの身を刻むが良い!!!!」
カルルを援護しようとトステの部隊が走る。しかしそれよりも早く、カルルを囲んだスヴェア兵達は武器を手に殺到し――
* * *
「別に死なせてやっても良いんだけどね……もう後継者もいるみたいだし」
「多少遠回りにはなるでしょうけれど、そんなのこれまでに繰り返された何千万回かに較べたら大した問題じゃあないわ」
「それはそうだろうが……仮にもお前の子孫だろう? それとも、それでも『お前の死者達』だっていうのか?」
「……それを決めるのはこの子本人ね。どう? 貴方、地上に未練はある?」
「そんなの解ってるわよ。その上で、未練はあるかって訊いてるの」
「……。質問の仕方を変えましょうか。貴方は私の、復讐を兼ねたお人形遊びについて知った上で、地上に帰る権利があるわ」
「でも、それを放棄して、ここで私と『半分の死者達』を眺め続ける事もできる……永遠の何千万分の一かくらいの間はね」
「……言っておくが、こっちに残った所で楽しい事は何もないぞ。どっち道こいつの遊び相手である事に変わりはないしな」
「
「
「物分りが悪いわね……私は非常用よ。それで、あの鴉野郎が見事にしくじってくれたから私がやり直してるの」
* * *
女神は消えた。セスルームニルであろうその広間も消えた。目が醒めたのはロングハウスの一室。北ユランの砦の中。寝室。
驚愕の表情を浮かべて傍らにいるのは、看病役と思しき
夢の記憶は容易に揮発する。カルルの見た「何か」は既に反芻の難しいモザイクとなって脳の底にこびり付くのみだった。 しかし……自分が、いや、全てのノルドが、或いは今スカンディアに居場所を持つ者全てが、若しかすれば、この世の生きとし生ける者が
呟いた時、カルルの寝所に、トステを始めとした近衛や顧問達が飛び込む。 彼らはカルルの覚醒を確かめるなり、大きく目を瞠き、驚愕と安堵の入り混じった声と表情でカルルを迎えた。
「馬鹿かお前は! 勝ち戦で何の無茶してやがんだこの馬鹿!!」
逡巡する。確かに理由はあった。それを口にする。
「ああ、紙一重でな。お前のやらかした馬鹿の辻褄をエイル神が合わせて下すった、ってわけだよ」
「俺は、死なない。俺の
半分は本当だった。少なくとも、カルルはあの時、そういう気持でいた。 しかし、あの光景が夢であれ現であれ、『女神』が「リンダに会わせてやっても構わない」と言った時、カルルに湧き上がってきた気持ちは何だったか? それこそが、カルルを、死を厭わずに武勇の証明に逸らせた、本当の理由ではなかったか? 息子も優秀な妻を娶り、彼の年頃も自分が玉座に着いた時と較べれば若いとは言えない。 後妻も取ったが、自分には最早、継承問題をややこしくするだけの子を作る理由もなく、彼女を愛する事もできないままでいる。
死なない理由が、無かっただけではないか。父が忌み続けた、ノルドの蛮勇と狂乱に身を任せて、死んでしまっても構わなかったのではないのか。
「とはいえ、今後は自粛していただきます。一命を取り留めたとはいえ、我らが祖神は気紛れな方。今後は万に一つがあってもいけません」
「父上、貴方には
「モレの占領は済み、アウステルボーンのグドロード率いる軍団5000名が、スヴィドヨッド軍1500名に包囲されているウプサラに向っております」
「敵の戦力はそれが最後です。スヴィドヨッドの服属は問題なく完遂されるでしょう」
「つまり、父上は遠からず
この戦いの決着は、それを意味した。二つのフローニは闘争を通して再び一つに交わり、北方世界はついに統一される。
キリスト教徒との敵対という
(帝国化の完遂は、俺の義務だと、俺はリンダに誓ったのだったな……)
しかし、
ムンソの血を引く、もう一人のフローニ王・シグルド2世。強靭な肉体と勇気を賞賛された名君である。
961年1月上旬、カルル王はシグルド2世に服属を要求。しかし、シグルド2世はこれを拒否し、戦争となる。
スカンジナヴィア中から動員された合計で1万近い兵は各地で集結し、次々にスヴィドヨッド領を占拠して行った。
スヴィドヨッド軍の主力部隊はカルマルに陣を布き、その戦いにはカルル王本人とトステを始めとした
このカルマルの戦いの最中、カルル王は瀕死の重傷を負い、昏睡状態で戦線を離脱(以降、生涯に亘ってカルル自身が出陣する頻度が大きく減っている事から見て、後遺症が残ったものと考えられている)。代わって前線の指揮を預かった近衛達はスヴィドヨッド南部を完全に制圧し、その後は最後の足掻きにウプサラの占領を試みたスヴィドヨッド軍を蹴散らす。 そして962年3月23日――
――シグルド2世がスヴェアの王冠を返上する事を以て、この戦いは決着となった。
このフローニ氏族同士の戦いについて記す資料は何れも奇妙な喜びに彩られている。アンラウフ王の「ウプサラ要求」に始まった直系フローニのスヴィドヨッド獲得が、ウプサラの戦いを以て再度決着した事も含めて、この戦いに不思議な儀式性を感じるのは、筆者だけでなく、当時のノルド人達も同様だったのではないだろうか。
そう、この戦いの勝利は、ただ直系フローニがスヴェア人を支配した事を意味するものではない。
スカンジナヴィア帝国と、皇帝の誕生も、意味していたのだから。
「デーンの民よ、この日を最も強く待ったのは汝らであろう。 汝らの猛勇と忠労はエーレスンドを超えて、今や全てのノルドの知る所である!」
「ノースの民よ、最も古く誇り高き戦士達よ。 我々の狭間に横たわるヨトゥンヘイムを貫いて、堅い絆が結び付いているのが解るだろう!」
「スヴェアの民よ、"
「サーミの民よ、あらゆる山河と和す狩人よ、リュクセレは最早辺境ではない。 汝らもまた我が帝冠の下で兄弟となるのだ!」
「フィンの民よ、カレワラの誤りは正された、汝らは賢明である。
「全ての"
戦勝と共にカルル王はシグルド2世のスヴィドヨッド王位を剥奪。代わりに
そして、その次の勅令は、ヨムス・ヴァイキングの拡大の支援であった。
この時のヨムス・ヴァイキングを率いる戦長・ホラーネはインリング家の出身で、嘗てアンラウフとノルウェーの覇権を争ったローンヴァルドの孫にあたる人物である。 祖父には似ず、野心や自己主張というものの殆ど無い、物静かな人物であった様だが、その心中には熱狂的ともいえる信仰心が滾っており、リューリク家の支援を取り付けるなど、入念な準備を重ねて、960年頃に(つまり、スヴィドヨッド服属戦争の開始より前に)ポメラニアのキリスト教徒を駆逐するべく侵略を開始。始めは、80隻を超える艦隊で上陸したヨムス・ヴァイキングの優勢であったが、ポメラニア公はカソリック教会を通して東フランク王国の援軍を得る事に成功し、戦況を一転させた。 詳しい戦闘の記録は残っていないが、スカンジナヴィア軍が到着した頃にはノルド軍を壊滅してなお残ったカソリック軍約5000名が占領地を解放させており、侵略の失敗は確実視されていたという。
しかし、スカンジナヴィアの精鋭常備軍5000名が間に合った。生存していた僅かなヨムス・ヴァイキングと合流し、ブランデンブルクからシュチェチンへ入り、スラプスクへ退がったカソリック軍をホルムガルド軍と挟撃。ノルド軍・約7000はカソリック軍・約5000との戦いを制し、再逆転を開始する。 アンラウフの治世では苦杯を飲まされたキリスト教徒、それも間接的にとはいえ、東フランクとの戦いに勝利しつつある事に、多くのスカンジナヴィア人は歓喜した。
多くの……というのは、例外があったという事だ。
ムンソ氏族のアスビョルン。脚の障害と神懸り的なカリスマから「"骨なし"イヴァルの再来」とも言われた。
シグルド2世の年下の叔父・アスビョルンが、スヴィドヨッド王冠のムンソへの返還を求める為に兵を募り始めたのである。きっかけは二人の間の口論だったという。 シグルド善王の四男として生まれたアスビョルンは継承順位の低さから領土を得られず、オーランド島のロングハウスで食客として遇されていたが、彼の野心はノルド戦士として財産を得る事にあり、甥に元帥として働かせる様に要求し続けていた。しかし、アスビョルンの脚の障害では激しい戦闘に堪えられる訳もなく、それをシグルドが指摘した事でアスビョルンが激昂したのだ。
「馬鹿な! この脚が何だというのだ、大異教軍の兄弟王・"骨なし"イヴァル*3も片脚であったというのに!?」
「2世殿には半分、豚の血が混ざっておるから解りかねるのですかな? 竜の系譜たるムンソにとって、こんなものは何でもない!!」
「戦士を侮辱したならば、復讐を受ける覚悟はできているという事でありましょうな!? 元帥などとみみっちい事は最早言わん!」
「『フロージの相剋』が終わってなどいないという事を知らしめてやろう!! スヴェア人の支配はユランではなく、ウプサラから行われるべきなのだ!」
シグルド善王の子であるアスビョルンがスヴィドヨッド王位の奪還に挑戦する事も、侮辱に対して復讐を試みる事も、どちらも正当な権利である。そして、フローニに敗北し、一介の大族長まで地位を落としたとはいえ、ムンソの名はノルドにとって巨大なものである事に変わりはない。アスビョルンの檄を受けて、オーランド島には兵員が続々集まって来たが、誰もそれを理由に彼を罰する事ができないまま時間が過ぎた。
この報告を受けたカルル帝が浮かべた苦笑は、それはそれは苦々しいものであったという。
「氏族の宿命、というわけか? 父はインリングに、そして俺はムンソに……古強の血筋は何れも簡単には、王位を許してくれないらしい」
カルル帝はスカンジナヴィア全土に呼び掛け、約7千の兵員を徴集。常駐軍も合わせて約1万2千名でポメラニア侵略をできるだけ速やかに終結させ、アスビョルンの挑戦も全軍で完膚なきまでに叩き、泥仕合となって死者が増える様な事態を防ぐ方針を固めた。
東フランクや他のキリスト教国から更に大規模な援軍が送られる事もなく、ポメラニア制圧は順調に進んでいく。
そして964年10月中旬――
――アスビョルンの軍が本土上陸を開始した。その数――
その数、約3万である*4。
「フローニのカルルよ、我は汝に弑逆されしシグルドの子・アスビョルンである!」
「
「スカジの地を
一次史料に於ける兵員数というのは大抵水増しされており、他の史料と照らし合わせて計算してみるとおかしな数字になる事が多い。 この時代に於ける3万という数字は、当時最強の国家であるビザンツ帝国やアラビア帝国の総兵力に匹敵する上に、アスビョルンのカリスマ性とフローニの悪名以外を理由に、どこからそれだけの兵員を集めて来られたのかを語る史料が存在しない為、この数字も何かの間違いであろうと筆者は考える。 しかし、後の状況を鑑みるに、かなりの大兵力であった事は間違いない。アスビョルンの軍勢に対してどの様に対抗するべきかを考察した帝国の軍議録が、絶望に彩られている事からもそれが解る。 一先ず、カルル帝はヨムス・ヴァイキングのポメラニア侵略の支援を継続しながら、各地を包囲・占領していくアスビョルン軍の様子を見た様である。
964年12月末頃、ヨムス・ヴァイキングはついにポメラニア公爵領を奪取。司令部をステッティン*5のソルディンに移し、バルト海南岸とエルベ河の東の領土を実効支配するに至る。 これによってヨムス・ヴァイキングの兵員も大幅に増加し、ノルド世界全体の強化に繋がった。
しかし――
徴発によって補給を維持できる大きさに軍団を分割しながら、いつでも各軍団の援護が可能な位置に連結して動くアスビョルンの軍は、性急な襲撃をかける事もせず、依然として強大なまま、数に任せて気侭に占領を進めており、その数を殆ど減らす事もしていなかった。
結局、スカンジナヴィアの年始の大民会で、圧倒的多数の族長の同意を以て、アスビョルンにスヴィドヨッド王位を譲り、10年の停戦期間を作る事が決定された。
「僅か2年の内で万軍を集め、あれ程密な連繋を可能足らしめた才覚、認めざるを得まい」
「復讐は果たされ、ムンソの名誉は汝によって護られた。先王の非礼をここに詫びよう」
「今一度、ウプサラを、スヴィドヨッドを、ムンソに譲る。……全く、大した男だ」
「ハッ、本来ならば全てのノルドがせねばならぬ事を、我が担ったまでの事」
「何れはスカンディアの全ての者が、真の王たるべき氏族が何者であるかを知る時が来ましょうぞ」
「ついでに言わせていただきますれば、『スヴィドヨッド』などと言う古臭い呼び方は止めていただきましょう」
「ウプサラの版図は『
スカンジナヴィア帝国は成ったが、こうして瞬く間に分裂の憂き目に遭った。これは、統一によって期待された国力が半減した以上の損失を意味した。 ウプサラ大寺院……ノルドの信仰の聖地である3大寺院の一角が失われたのだ。これは、フローニ朝が密かに目標としている、宗教形態の革新が遠のくのみならず、皇帝の求心力そのものに悪影響を及ぼす可能性がある事態である。 停戦はスカンジナヴィア帝国側からの開戦は制限しない、しかし、スウェーデンにはアスビョルンの呼び寄せた3万の大軍勢がいる事には変わりが無く、アンラウフ王が行った様な、ウプランドのみの割譲を目的とした開戦も現実的ではない。
この行き詰まりを打開する一手、それは――
AAR/フレイヤの末裔/カルル帝(後編)に続く……可能性が無きにしも……? |