AAR/ゴットランドタイムズ

オマケ / CK2における戦術

戦術 前哨戦のルール

白兵戦も同様ですが戦闘にはジャンケンのような戦術相性というものが存在します。

『前哨戦基礎戦術表』 有利な戦法に対しては+100%の補正を受ける。 メインユニットはその戦法を発動させるのに必須な兵種。 サブユニットはあれば取れる戦術が増える兵種、及び戦法による補正を受けられる兵種。

種類有利な戦法メインユニットサブユニット
Harass(嫌がらせ)Swarm軽騎兵弓兵
Volley(斉射)Harass弓兵弓騎兵
Swarm(群攻撃)Volley弓騎兵軽騎兵

volley>Harass>swarm>volley… のように相性がある。 戦術スキルが低いと適切な戦術を選択しないし、兵種が偏っていると使える戦術の選択肢が減るということを覚えておこう。

この分類に属さない戦術として 重歩兵割合が20%以上あると発動するShieldwall(盾防御) 重歩兵10%、弓兵10%以上の割合で発動するFeint(フェイント)がある。 この二つは有利な戦法を持たない防御系戦術である。

http://www.ckiiwiki.com/Combat_tactics (参考Link : CK2英語wiki Combat tactics項目)

白兵戦フェイズへの移行パターン

白兵戦への移行は次の3パターンで行なわれる。

(ⅰ)戦闘開始から15日目以降に発生するPrepare(準備)を行なってから1日後に白兵フェイズに移行

(ⅱ)戦闘開始からCharge(突撃)系戦術で白兵フェイズに移行するパターン

・Charge on Undefendedからの移行 >>戦闘開始から3日目以降に発生。 ・Chargeからの移行 >>戦闘開始から10日目以降に発生。 ・Crushing Chargeから発生。 >>初日から発生。 勇猛果敢な速攻戦術だが戦象割合1%か重騎兵20%以上いないと発生しない。

(ⅲ)対面している敵が白兵フェイズに移行済みの場合 (ⅰ)、(ⅱ)の手順を踏まずとも白兵戦術を選択できる。 ただしこの場合でも一定確率で前哨戦フェイズの戦術を選択することもある。

戦術 白兵戦のルール

『白兵戦基礎戦術表』 有利な戦法に対しては+300%の補正を受ける。 メインユニットはその戦法を発動させるのに必須な兵種。 サブユニットはあれば取れる戦術が増える兵種、及び戦法による補正を受けられる兵種。

種類有利な戦法メインユニットサブユニット
Advance(前進)Stand Fast重歩兵重騎兵
Charge(突撃)Advance重騎兵槍兵
Stand Fast(固守)Charge槍兵重歩兵

白兵戦においても属性関係の例外戦術が存在する。 特にTraitによって発生するGood Tacticsは従来の属性関係とは異なる有利戦法を持つので参考Linkを参照されたし。

http://www.ckiiwiki.com/Combat_tactics (参考Link : CK2英語wiki Combat tactics項目)

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上記画像のように右翼はStand Fast(固守)に対してCharge(突撃)をかましているので被害が甚大になっている。
与えているダメージもそれなりだが数の差による戦況有利と中央からの側面攻撃が乗っているからと思われる。

良い指揮官、悪い指揮官

基本的に取れる戦術が3パターンあればどの戦術を決定するかはランダムであり状況に合わせて戦術を選択するわけではありません。 ではtraitや戦術スキルでどう良い指揮官と悪い指揮官で取る戦術が違うのか。 筆者がスタンフォードブリッジにてウィリアムにハロルドを何度もぶつけて検証してみました。

そこで見て取れたのは悪い指揮官は無駄な戦術が多いということでした。 その特徴を列挙すると… (ⅰ)wait(待機)やprepare(準備)のような補正が一切付かない戦術で1日を浪費する可能性がある。 (ⅱ)bad tacticsが選択肢に混ざる分、悪手が増える。

といったところでしょうか。 逆に良い指揮官は以下の要素を備えています。

(ⅰ)無駄戦術を取る可能性がほぼない。 (ⅱ)戦術スキルが高いとgood tacticsの発動確率上昇に必要な兵種割合が低下する。 (低い場合はかなり偏った兵種割合にしないと発動確率があがらない) (ⅲ)Good tacticsや文化特有戦術が選択肢に混ざる分、好手が増える。

ですので選択運が極端に良ければ小細工無しで戦ってもハロルドがウィリアムに勝つこともあります。

纏まった数のretinue、傭兵団を雇えるのならば編成を偏らせ、取れる戦術をあえて減らして自軍の長所が出やすい特定戦術の発生確率を上げるなどの工夫もできるかもしれません。

文化特有の戦術について

指揮官の文化を条件として発動する戦術というものが存在します。 どれもそれなりに強力な効果ですので戦術スキルが高い特定文化の人物を発見したら是非自らの宮廷に招聘しましょう。

Retreat and Ambush(後退と待ち伏せ)

指揮官文化フェイズ戦術の種類効果
Altaic(アルタイ)白兵戦防御弓騎兵攻撃+420%,軽騎兵攻撃240%,弓兵攻撃+180%,前哨戦フェイズに移行する

弓騎兵補正がかなり大きく、防御系戦術なので不利な戦術も無い。 しかも全戦術において唯一前哨戦フェイズに巻き戻す効果がある。 アルタイ文化国のHorse Archer retinueで編成を偏らせれば戦術発動確率を更に上げやすいという脅威の戦術だ。

Berserker Charge(バーサーカー突撃)

指揮官文化フェイズ戦術の種類効果
North Germanic白兵戦突撃重歩兵攻撃+360%,軽歩兵攻撃+120%.重歩兵防御-50%,軽歩兵防御-30%(特殊)固守に有利(+100%)

本来重騎兵の攻撃力を高める白兵突撃を重歩兵にて行なえる戦術。 North Germanic特有retinueのHousecarlを中心にすれば重歩兵攻撃は脅威の+400%。 重騎兵と違って数を揃えやすい重歩兵の突撃なので嵌れば爆発的な破壊力を秘めている。

Schiltron Formation(スコットランド陣形)

指揮官文化フェイズ戦術の種類効果
Scottish白兵戦固守槍兵防御+360%,槍兵攻撃+240%,重歩兵防御+240%,軽歩兵防御+120%,弓兵攻撃+60%,軽騎兵/重騎兵/弓騎兵防御-40%

強化された固守戦術。 突撃をかけた騎兵を迎え打つのに最適だがそれ以外でも弱点を突かれなければ固い防御で耐え抜くことができるだろう。

Pike Column Advance(パイクマン縦隊前進)

指揮官文化フェイズ戦術の種類効果
Italian白兵戦前進槍兵攻撃+300%,重歩兵攻撃+120%,重騎兵+60%

効果的には普通の前進とさほど変わらない。 しかし普通の前進戦術に必要な重歩兵が全くなくとも発動できるのでより偏った編成が可能となる。

Massive Longbow Volley(ロングボウ斉射)

指揮官文化フェイズ戦術の種類効果
English,Welsh前哨戦斉射弓兵攻撃+420%(特殊)突撃と嫌がらせに+300%

通常の斉射戦術を純粋に強化した戦術。 有利属性により突撃から白兵戦へ移行しようとしている相手に計+720%もの大打撃を与えることができる。 常備軍編成に迷ったならコスト的に安い弓兵編成を取ってイギリス人を雇うという選択肢もある。

Couched Lance Charge(横列ランスチャージ)

指揮官文化フェイズ戦術の種類効果
Frankish, Occitan, Norman, German,Breton白兵戦突撃重騎兵攻撃+420%,槍兵攻撃+60%,重歩兵防御-60%

文化的に最も多くの指揮官が属している文化固有戦術。 通常の突撃戦術を強化したもの。

Desert Ambush(砂漠待ち伏せ)

指揮官文化フェイズ戦術の種類効果
Arabic白兵固守白兵攻撃+240%,ラクダ騎兵攻撃+240%,軽歩兵攻撃+120%,弓騎兵攻撃+120%,弓兵攻撃+120%(特殊)前進+300%,砂漠地形限定

Good tacticsのClever Ambush(賢い待ち伏せ)と似たような効果の戦術。 発動条件に砂漠地形限定という縛りがあるので文化固有戦術としてはイマイチか。

Embolon Charge Formation

指揮官文化フェイズ戦術の種類効果
Byzantine白兵突撃重騎兵攻撃+240%,軽騎兵攻撃+180%,槍兵+60%,重歩兵-120%

通常の突撃と異なり軽騎兵の攻撃力も上昇させる固有戦術。 騎兵オンリーのretinueで組めば重騎兵より数が揃えやすい軽騎兵を白兵戦でも強化できる。

ダメージ計算式

被害の算出

CK2における戦闘のダメージは以下のルールに従って算出される。

攻撃力算出計算式 ユニット基礎攻撃力*(1+技術ボーナス+地形ボーナス+文化固有建造物ボーナス+戦術ボーナス)*(1+リーダートレイトボーナス+戦術相性ボーナス)

これに兵数を掛けた数値が部隊攻撃力となる。

防御力算出計算式

ユニット基礎防御力*(1+技術ボーナス+地形ボーナス+文化固有建造物ボーナス+戦術ボーナス)*(1+リーダートレイトボーナス+戦術相性ボーナス)

攻撃力とほぼ同等だがこの値には兵数を掛けない

ダメージの計算方法 (自軍攻撃力/敵防御力)*0.015

判りにくいので例示を出すと

(例) 白兵戦で右翼部隊Aが攻撃力算出計算式に乗っ取って10000ダメージを算出した。 対する敵右翼Bは二つのユニットで構成されている。 300の槍兵(白兵防御8)、200の弓兵(白兵防御2)の計500人だ。 この部隊において槍兵の割合は60%。よって10000ダメージ×0.6=6000ダメージを槍兵が負担する。 これをダメージ計算方法に割り当てると以下のように処理される。

(6000ダメージ/8槍兵防御)*0.015=約11

同様に弓兵は

(4000ダメージ/2弓兵防御)*0.015=30

よって1日に11人の槍兵、30人の弓兵が失われるという結果が生じる。

moral(士気)

・士気の最大値は全兵士の士気合計で算出される。 (例:軽歩兵一人の標準士気は3。軽歩兵1000人のみで構成されている部隊ならばその合計士気は3×1000人=3000最大士気である)

・士気は一人死亡すると6ポイント減少する。 (例:合計士気3000の部隊で50人の損害発生。50人×6ポイント=300なので300ポイントの士気ダメージを受ける。%に換算するとこの例示においては10%士気が減少する)

・撤退のルールに従って最大士気値の25%を下回ると撤退を開始する。

実戦編

retinueが登場してから幾らか戦術要素に幅が出てきたCK2。 基本的にこの項目ではそのretinueを利用してどのように戦闘に生かすかを考えていきましょう。

※retinues=DLC「Legacy of Rome」を導入すれば用いることの出来る常備軍システム。

以前のバージョンでは偏ったretinue(常備軍)編成戦術を利用して3倍の数のモンゴル軍を撃破することも可能でした。 しかしバージョン2.2以降はretinueの定数とボーナスが減少し、コストが上昇しています。 現実問題として以前のverと同数だけretinueを雇える帝国なら余計なことを考えずとも数で押せるというのが現状、以下に戦術要素を生かすべきなのでしょうか。

retinueで自軍に足りない兵種を補強する? ……大抵騎兵になると思いますが、高いコストが必要なので数を揃えるのが至難の技でしょう。

筆者がフォーラムやredditなどの記事を読む限り、戦果を上げるためのretinueオンリー軍の基本思想は以下のような要素がメジャーなようです。

(ⅰ)戦術を限定させる。 あえて兵種を偏らせて必殺戦術が出やすいようにする。 相性に引っかかっても損害が増えるだけで与えるダメージは減らないので選択の幅は狭めてしまう。 そもそも選択肢が多数あってもどれを選ぶかはランダムなので選択肢を狭めてもさほどデメリットがない。 (相手も人間で操作していて偏った構成に対応できるなら話は別だが大抵NPCは満遍なく兵種を揃えている為、発動される戦術も広く均等であると思われる)

(ⅱ)戦術の補正を受ける兵種の数を増やす。 幾らチャージを発動しても重騎兵の数は大抵少ないので恩恵を受ける総人数はさほどではない。 それよりも数を揃えやすい弓兵や槍兵、軽騎兵などを活用した組み合わせを作る。

どのような組み合わせが有効なのか。 国ごとに異なりますし試行錯誤してみるのも面白いところですがredditにあったretinue考察スレの例示をひとつ紹介します。


英国式ロングボウ&槍兵部隊(English/welsh文化国)

・使用retinue cap:約10000 槍兵250:弓兵50のDefence retinue、弓兵250のLongbow retinueを使用。

・構成:槍兵3000人(割合42.8%)、弓兵4000人(57.2%) 合計7000人

・指揮官:English / Welsh文化

・戦術パターン(数字は選択率)

前哨戦:Volley(斉射)37%、Massive Longbow Volley(ロングボウ斉射)55%、 Charge Undefended(突撃からの白兵移行戦術)8%

白兵戦:Barrage75%(森林地形では60%),Force Back/Stand fast(固守)25%(森林では40%)

・想定ダメージ

前哨戦:

Massive Longbow Volleyの場合(弓兵) 1.2 (retinue補正)x4.20(戦術補正)x5(前哨戦攻撃力)x0.015x4000 (弓兵数)=1512ダメージ/日

Volleyの場合(弓兵) 1080ダメージ/日

白兵戦: barrage 弓兵144ダメージ/日 槍兵225ダメージ/日 計369ダメージ/日

対モンゴル用戦術。 高い前哨戦火力で敵の士気を崩壊させ、白兵戦にもつれこんだ場合は前哨戦に戻す戦術が出るまで槍兵で耐え抜くコンセプト。 Massive Longbow Volley発動時の1512ダメージは弓騎兵オンリーならば1日辺り378人の損害を与えることができる。 相手がHarass(嫌がらせ)を選択すれば更に+300%の火力が見込める。 一度発動すれば同じ戦術を18日継続するので白兵戦に突入する前に士気崩壊しているはずである。

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redditにあった上記構成の倍となる20000retinue capを用いたパターン。
指揮官無しでも強い。

以上、比較的メジャーなイギリス文化限定ロングボウ編成でした。 このように兵種を偏らせて特定の戦術発動率を高めて高ダメージを安定して出すこともできるということです。 retinueが弱体化したので以前ほど破壊力はありませんが、特定の翼(Flank)に限定して偏ったretinue編成部隊を構築してみると実用的かもしれません。

訂正

2014/12/15更新時の「03 月刊 gotland times!」にて誤った記述があったので修整しました。 修正箇所は以下の通りです。

(誤) 士気が壊滅した部隊は撤退する。 (正) 士気が25%以下になった場合(白旗状態)このフェイズに移行する。 この状態で5日経過するか士気が壊滅(0%)した部隊は撤退する。 敵を倒した部隊は士気が残っている敵がいる場合は側面攻撃に移行し、いない場合は撤退中の敵に追撃をかける。

(誤) 白兵戦突撃での移行は10日前後、それ以外は15日後 (正) 初手に取る戦術の長さ、移行方法で変化するので定まった日数はない。

修正前にこれらの記述を読んでしまった方々に誤解を与えてしまったことを深くお詫び申し上げます。

編集後記(解説というか言い訳)

2ch,CK2スレにあった「よくわからない戦闘戦術」をベースにパラドフォーラム、redditスレを巡ってみましたが検証と英語読解力不足なので正しいかどうか保障できません。 現実にこの戦術講座を書いている間にも読み取れていなかったり誤解に基づく記述をしていたので気付いていない誤りがまだあるはずです。 更に引用と私見を混ぜてるので余計誤りが増えていると思われます。 明らかに間違っている記述がございましたらコメント欄にて指摘していただけると幸いです。


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