初心者による初心者のためのブルグンド王国

本章の登場人物

ruprecht3.jpg プロヴァンス公Ruprecht konstanze2.jpg 妻Konstanze von Habsburg

amaneus1.jpg 長男=ヴェネッサン伯Amaneus amaneus2.jpg 末弟=シュヴァーベン公Amaneus philipp.jpg 宰相=バルセロナ伯Philipp de Vienne   tree.jpg

これまでのあらすじ

プロヴァンスとジェノヴァの公位を無事に統合したRuprecht。ところが、彼の死後の家督を巡って長男と異母弟との間で熾烈な争いが生じようとしていたのだった。

AmaneusとAmaneus (1260年)

ruprecht3.jpg しかし、静かだな。 konstanze2.jpg そうでしょうか? ruprecht3.jpg 何ひとつ語ることもなく30年もの月日が流れた。 konstanze2.jpg ええ。でも、裏では色々な物事が蠢いています。 ruprecht3.jpg その通りだ。 konstanze2.jpg 妻というのは何も政治を見ていない訳でもないのです。 ruprecht3.jpg わははは。そうかも知れぬ。 konstanze2.jpg 私たちはこの間に歳だけを重ね、周りの状況は何も変わりません。 ruprecht3.jpg 継承問題だけが大きく頭をもたげている訳だな。 konstanze2.jpg そうです。 ruprecht3.jpg 裏で動いている連中には儂も気づいておる。     plot.jpg      ruprecht3.jpg 痛快としか言えぬものよ。 konstanze2.jpg 痛快、ですか? ruprecht3.jpg 息子にはヴェネッサン伯領をくれてやったが、命を狙われる。 konstanze2.jpg とても面白いとは思えませんけど。 ruprecht3.jpg 弟は複数の公国の支配などと古い言いがかりで軍団を率いて攻めてくる。 konstanze2.jpg ……それも全く笑えません。 ruprecht3.jpg よく考えてもみなさい。今、私が死んだとして息子が相続できるのは直轄領だけだ。 konstanze2.jpg ええ。 ruprecht3.jpg 国が割れたとして、弟の領地が増える訳でもない。 konstanze2.jpg それもそうです。 ruprecht3.jpg 彼らは足を引っ張り合っているつもりだろうが、実際は自らの足を引っ張っているようなものだ。実に愉快ではないか。 konstanze2.jpg ……。しかし、ご自身の命が狙われているのですよ。それに実際に戦争にまでなった。   war2.jpg

プロヴァンスへ向け行軍するシュヴァーベン兵

  ruprecht3.jpg この家督争いにどのように決着を付けるかに、我がボソン家の命運は掛かっているのだ。表象の事象に流されてはならぬ。 konstanze2.jpg なるほど。 ruprecht3.jpg その行く末を見ることが出来ないと考えると、私は残念でならないよ。

プロヴァンス、ジェノヴァ、バルセロナの3公爵を兼ねたRuprechtは自らの後継者争いに関して常に大きな心労を抱えていた*1。 その割に、彼は存外に長命であり、1260年にこの世を去るまで67歳の天寿を全うしたのだった。    


    プロヴァンス、アルル城。

philipp.jpg 今日は皆様、よくお集まりになられました。 amaneus1.jpg 父上が亡くなったとはいえ、わが国の将来を思えばいつまでも偲んでばかりはいられませんから。 amaneus2.jpg 兄上の死去はいかにも悲しいが、確かに、国の家督は重要な問題だ。 philipp.jpg そうでしょう。Ruprecht様はその死を前にして一通の遺言状を遺しておいでです。 amaneus2.jpg それは本物なのだろうな? philipp.jpg もちろんです。皆様、相続はこの遺言状に従うということでよろしいですかな? amaneus1.jpg 構わん、構わん。早々に決めるとしよう。 philipp.jpg では、読み上げますよ。  

遺言状

私の死後、我が遺領は、Amaneusが一括して相続することとする。

プロヴァンス、ジェノヴァ、バルセロナの公Ruprecht

 

amaneus1.jpg amaneus2.jpg よし!   philipp.jpg うーん。これは困りました。Amaneusではどちらを指しているのか分かりません。 amaneus1.jpg また父さんの気まぐれが出たね。 amaneus2.jpg さしずめ、死の床の思いつきで筆を入れようと思っていたのを忘れたのだろう。 philipp.jpg しかし、家督の相続はこの場で決めないといけません。 amaneus2.jpg Philipp、君は知っていたんだろう。何て書かれているかを。 philipp.jpg いえ、滅相も無い。 amaneus2.jpg でもまさか、じゃんけんで決める訳にもいかないだろう? amaneus1.jpg 家系で言ったら長男の俺を指しているというのが筋だと思うが……。 amaneus2.jpg そうかな?わが国で長子相続が採用されたことは数世紀の間で一度もない。 amaneus1.jpg お父さん自身がお祖父さんの長男だったでしょ? amaneus2.jpg それは選挙で選ばれたんだって聞いたが。 philipp.jpg まぁ、おふたりとも。待ってください。 amaneus2.jpg 待つ?そんなことできないね。 philipp.jpg ここはひとつ、冷静になりましょう。おふたりの年齢はいくつになりますか? amaneus2.jpg 49歳だ。 amaneus1.jpg 48歳になった。 philipp.jpg シュヴァーベン公の方が年長ということですな。 amaneus1.jpg そうだけど……。 philipp.jpg シュヴァーベン公が跡目を取り、プロヴァンスの領地を併せれば、晴れてブルグンド王を名乗ることができます。 amaneus2.jpg その通りだ。 philipp.jpg その上で、ヴェネッサン伯は新王国の相続人となる。ヴェネッサン伯としてもこの方法でないと王位には就けません。 amaneus1.jpg 納得がいくとは言えぬな……。だが、一族の繁栄のためにはやむを得ぬかも知れぬ。 philipp.jpg ここは私に免じて、シュヴァーベン公の相続を認めてはくれませんか? amaneus1.jpg 仕方がなかろう。     こうしてシュヴァーベン公Amaneusは兄Ruprechtの跡を継ぎ、プロヴァンス、ジェノヴァ、そしてバルセロナの公となった。 その数ヶ月後にAmaneusはブルグンド王への即位を宣言し、シュトゥットガルト郊外で戴冠したのだった。 ヴェネッサン伯Amaneusは王太子となったが、Amaneus王に先んじて死去したため、王位の相続はならなかった。

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創立時のブルグンド王国の版図

キャラのステータスなど

Amaneus, count of Venessin(Fortune Builder)
外交5 戦術4 管財6 謀略3 学問2
Humble Slothful Arbitary Patient Lustful
Amaneus, duke of Swabia(Fortune Builder)
外交8 戦術6 管財11 謀略4 学問9
Scholar Decietful Slothful Kind Gluttonous Patient Brave

ふたりのAmaneusはどちらもSlothful(怠惰)なFortune Builderですが、ヴェネッサン伯はArbitary(気まぐれ)を併せて臣下opinion-20となるのに対して、シュヴァーベン公はBrave(勇敢)、Kind(親切)でカバーされて臣下opinion+10となっている点が対照的です。能力値に関しても、いずれもぱっとしませんが、シュヴァーベン公が全体的にひとまわり優秀といえます。

Philipp de Vienne, count of Barcelona(Grey Eminence)
外交24 戦術9 管財9 謀略9 学問15
Genius Kind Just Gluttonous Greedy Zealous

Philippは配下の下級貴族にQuick持ちの娘を嫁がせてできた子で、Genius持ちで優良traitを持ち、悪いtraitを持たない所を評価され、バルセロナ伯位を与えられました。Ruprechtの妹Mariaとの女系結婚を通じてボソン一門に列しています。ちなみに、ブルグンド王となったAmaneusとは友人関係にあり、この相続を巡って根回しに奔走したのは彼だったのかもしれません。

年長者相続による領土の拡張

年長者相続制(Seniority)は版図の拡張には便利な制度です。王朝内の人物のうちもっとも高齢の人物が総ての爵位を相続するため、相続人が既に他の爵位を保有している場合(特に版図外の領地であれば)、死去した当主の領国と相続する人物の領国とが統合される結果となります。誰が相続人となるのかが分かりづらいという欠点がありますが、これにはキャラクター検索機能を使うと良いでしょう。「Search All」「Men」とした上でプレイしている王朝名を入力し、年齢でソートを掛けます。

list2.jpg   相続に際して、女性*2、聖職者(司教領を持つ者)、司教領の後継者は候補から除外されます。司教叙任権を握っている場合、この仕様を利用して、自身の配下である相続人候補を司教領の後継者に指名してしまうことで候補から除外し、版図外の人物に意図的に相続させることができます。   今プレイでは、当初、選挙制によるシュヴァーベン公の家督相続を狙ってみたのですが、票の流れが安定しなかったため、思い切って年長者相続に切り替えています。結果、1つの歳の違いを理由に現当主の長男を差し置いて版図外の人物が領土を継承するという普通には起こりそうも無い継承となってしまいました。実は、アンコナ家の系統で最年長者がいたのですが、都合よく司教領の後継者に指名されており(上の図のなかのMartin)、相続権を持っていなかったため、首尾よくシュヴァーベンとプロヴァンスの統合が成されました。この結果、ゲーム開始当初から目標としていた王位の獲得を実現しました。代替わりごとに相続法を変えるというのは何となくリアリティに欠ける気もしますが、権力者にとって都合が良いように解釈されていくという点ではむしろリアルなのかも知れません。

婚姻関係

RuprechtにはふたりのAmaneusの他に3人の妹と2人の娘がいました。

長妹Adelheid:ボソン家の傍流、シチリア家のマルタ伯に嫁入り。 次妹Cothilda:ピサ共和国支配下のサルディーニャ公家に嫁入り。 三妹Maria :父がその才能に惚れ込んだPhilipp de Vienneを婿に取る。バルセロナ・ボソン家の礎となる。 末弟Amaneus :シュヴァーベン公。

長男Amaneus :ヴェネッサン伯。 長女Gudrun :ノイエンブルク朝傍系の皇帝であったRuprecht V世の三男Johannを婿に取る。 次女Agnes :ボヘミア王子に嫁入り。後にボヘミア王妃となる。

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シュヴァーベン公Amaneusの家督相続には特にRuprechtの子女からの反発が大きく、この後の家督争いは様々な駆け引きのもとに進んでいくこととなります。


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*1 実際にstressedのtraitを抱えています。
*2 正確にいえば、候補にはなるのですが順位が下位になるため実質的に除外されるので、候補者が少ない場合は女性の相続もあり得ます。

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