各種データ

 Casus Belli(開戦事由)は、他の貴族や宗教指導者など、支配者達が認める宣戦布告の大義名分である。

 他のパラドックス・インタラクティヴのゲーム同様、CK2に於いても開戦には常に適切な「CB」が必要となる。そして行使したCBによって戦勝時に得られるものや、敗戦時に失うものは異なる。また、戦争に誰が同盟者として参戦する事ができるのかも異なる。

 同じ宗教に属し道徳規範を共有する支配者に対して一方的な理由で宣戦する事は、いかなる場合も不正義であり専横と看做される。しかし、多神教徒などはその様な制限に縛られる事無く望む相手に宣戦する事ができる……尤も、征服行が行き過ぎれば『Holy War(聖戦)』のリスクを負う事になるが。

 一つの対象に複数のCBを持つ場合もあり、それぞれに異なる達成目標と報酬がある。『de jure claim(デジュリ請求)』や『holy war(聖戦)』などは常に行使可能だが、『excommunication war(破門戦争)』など、一時的なCBも存在する。所属する宗教や所有する称号に応じて様々なタイプのCBがあり、自身の行動や外的要因によっても変化する。一つの対象に一度に行使できるCBは一つまでで、目的に合ったCBの選択が必要となるだろう。

 殆どの戦争はその勝敗を問わず攻撃側に、終戦から10年間の一方向的なTruce(不戦期間)を与え(戦争がinconclusive end【不確定な終戦】を迎えた場合はその限りではない)、それはその戦争の攻撃側リーダーの画面で確認できる。Truceは各勢力の支配者の間に働くもので、攻撃側・防御側のどちらかの支配者が死んだ場合、Truceは終わる。Truceを無視して宣戦をすることは自分のvassals(封臣)以外で同じ宗教に属する全ての支配者達のOpinion(評価)を下げ、現在値の半分+200のPrestige(威信)を消費する事になる。

 ★以下の解説は、自身が宣戦布告者(つまり攻撃側)であるものとして表記している。  ★編集者が日本語版未所持の為、用語の和訳は独自のものとなっています。日本語版に合わせた修正をお待ちしています!

1. Claim Wars(請求戦争)

Claim(請求権の行使)

 反乱を除いた最も多くの戦争はこのClaim(請求権)の行使によって行われる。  所有していない称号(Title)に対する請求権を有している場合、それを行使する事で開戦する事ができる。

 有り得る結果は以下。  ・戦勝によってそのTitleと100点のPrestige(威信)を獲得する。  ・White Peace(白紙停戦)の場合、100点のPrestigeを喪失する。  ・敗戦した場合、そのTitleへのClaimと、200点のPrestigeを喪失する。

Claim All(全請求権の行使)

 キャラクターが複数の「Strong Claims(強い請求権)」を有している場合、それらを一度に行使する事が可能である。これによって、10年のTruceを挟まずとも複数のTitleを求める戦争が可能である。

 ※この宣戦事由を用いて開戦した戦争を遂行中に、その戦争相手の持つ(当然相手の配下の領土も含む)領土に宰相などを用いてClaimを作成して、そのまま戦争に勝利した場合、戦争中に作成されたClaimも割譲の対象となっています。

Claim for Other(他者の請求権の行使)

 自分のCourtiers(廷臣)やVassals(封臣)達の有する請求権を行使する事もできる。

 ・勝利した場合、そのCourtier・VassalはそのTitleを獲得し、自身への評価が大きく高まる(+100)。また、自身は100点のPrestigeを得る。  ・敗北した場合、その賠償は自身が行わなければならない。

 注意:このCBによって自身のVassalでもDynasty(王朝)でもない者がde jure外の領地を得た場合、彼らは自身のVassalではなくなる。  また、自身と同ランクの称号を得た場合、彼らは自身から独立した勢力となる。

De Jure(デジュリ請求)

 自身や封臣がDuchy(公爵級の称号・公領)を有している場合、或いは自身がKingdom(国王級の称号・王国)やEmpire(皇帝級の称号・帝国)を有している場合、De Jure(デジュリ*1)でありながら他勢力が支配している領地を請求する事ができる。その勢力が自身のDe Jure内に複数の領地を有している場合も、一度には一つのCounty(伯爵級の称号・伯領*2)に対してのみ請求可能。

 通常の請求権とは異なり、この請求権はDuchy/Kindom/EmpireのTitleを喪失しない限り失われない。敗戦は200点のPrestigeの喪失と、膨大な金銭的賠償を科すが、Truceが終わり次第(或いはTruceを破って)、De Jure CBを再度行使する事が可能である。

 少々ややこしいが、このCBによる戦争に勝利した場合、CBの対象となったCountyの支配者がどの様な状態であったかでCountyの扱いが変わる。

 ・そのCountyの支配者が他にもCountyを有している場合、そのCountyをusurp(剥奪)し、自身(或いは請求権を行使されたVassal)が直接獲得する。

 ・そのCountyの支配者が他にCountyを持たず、自身と同ランク以上のTitleを有していない場合、自身(或いは請求権を行使されたVassal)のVassalとなる(Usurpはされない)。

 ・そのCountyの支配者が他にCountyを持たず、自信と同ランク以上のTitleを有している場合、そのCountyをusurpし、自身(或いは請求権を行使されたVassal)が直接獲得する。そして元の支配者はUnlanded(領地無し)となり、上位の称号は全て破壊される*3

 戦闘の結果、Title以外には以下の変化が起こる。  ・戦勝は100点のPrestigeを与える。また、Vassalの請求権を行使した場合にはやはりそのVassalからの評価が大きく高まる(+100)。  ・White Piece(白紙停戦)の場合、自身は100点のPrestigeを喪失し、防御側は 50 + (50÷防御側参戦者数)のPrestigeを獲得する。  ・敗戦した場合、Prestigeの変化は(White Piece時の)倍であり、自身は年収の四倍の賠償金を防御側に支払う事になる。

County Claims(伯領内請求)

 稀に、あるCountyを自身やVassalが支配しているのに、そのCounty内のminor holdings(より小さな土地。「Barony/男爵領」「Temple/寺院」「City/都市」がある)を他勢力や独立勢力の者が支配している場合がある(各Holdingsに表示されている紋章の右側が所属勢力であるので、それで確認可能である。同じものが並んでいる場合は独立勢力である)。こういう時、その勢力に対してそのHoldingの支配権を請求する事ができる。戦闘結果によるPrestigeの変化はCountyの場合の半分で計算され、戦勝時には称号は必ず剥奪となる(Vassalにはならない)。

Dispute Succession(継承戦争)

 前王(前帝)の死後五年以内で、王位(帝位)継承権の3位以内であった場合、自身はPretenderと看做される。もしも自身がLiege(主君)の王位に対するPretender(係争者)であるか、或いは自身の支配する誰かが何れかの王位のPretenderである場合、このCBが行使可能である。

 ・勝利した場合、自身(或いは自身の後援したPretender)がその王位を簒奪する。この際、Crown Authority(王権)は一段階低下する。  ・白紙停戦は不可能である。  ・敗北した場合、200点のPrestigeとその王位(帝位)へのClaim(請求権)を喪失し、投獄される。

2. For Vassals(封臣用のCB)

Independence(独立戦争)

 誰かのVassal(封臣)である限り、Liege(主君)との戦争に勝利する事で独立を勝ち取る事ができる。自身の元のLiegeが誰かのVassalである場合(例:自分が伯爵で、王の封臣である公爵から独立を目指している場合)、自身は独立する代わりにより高いLiegeのVassalとなる。

 ・勝利した場合、上記の通り元のLiegeの支配から解放され、独立、或いはより上位のLiegeのVassalとなるが、この時に元のLiegeがKing(国王)或いはEmperor(皇帝)であった場合、その王権が一段階低下する。  ・白紙停戦の場合、100点のPrestige(威信)を失う。  ・敗北した場合、200点のPrestigeを失い、投獄される。

 Change CB(後述)と同様、このCBは自身の直接のLiegeに対してのみ行使可能。

Depose Liege(退位要求戦争)

 他に誰も自身のLiegeにこのCBを行使しておらず、自身のLiegeもまた誰にもこのCBを行使していない時、自身はこのCBを行使する事で自身のLiegeの退位を要求する事ができる。

 ・勝利した場合、自身のLiegeを退位させ、Heir(継承予定者)のうちで自身にとって最も好ましい者に継承させる事ができる。また、LiegeがKing或いはEmperorである場合、その王権が一段階低下する。  ・白紙停戦の場合、100点のPrestigeを失う。  ・敗北した場合、200点のPrestigeを失い、投獄される。

 Change CB(後述)と同様、このCBは自身の直接のLiegeに対してのみ行使可能。

Overthrow Ruler(反抗戦争)

 自身へのImprisonment(投獄)が失敗した場合や、Title(称号)のRevoke(没取)を拒否した場合、Liegeへの "War Against Tyranny(専横への反抗)" 或いは "Revolt Against the Rule(支配への反逆)" という反乱戦争になる*4。この戦争に勝利した場合、Liegeは退位し、King或いはEmperorの場合、王権が一段階低下する。

Faction and Plot CBs(派閥・陰謀によるCB)

 自身がVassalであり、十分な支持者・共謀者を得て条件を満たし、陰謀を実行した場合、多くの場合は戦争が開始される。  (この項目は書き掛けです。情報は完全ではありません)

Change Laws(法律の変更)

 以下の派閥によって行使可能になる。  ・Lower Crown Authority(王権の低下を求める)  ・Change Seniority Succession Law(年長者相続法への変更を求める)  ・Change Primogeniture Succession Law(長子相続法への変更を求める)  ・Change Feudal Elective Succession Law(封建選挙制相続法への変更を求める)  ・Change Gavelkind Succession Law(分割相続法への変更を求める)

Claim on Liege(主君への請求権の行使)

Claim on Vassal(封臣への請求権の行使)

Weaken Vassal(封臣の弱体化)

3.Religious CBs(宗教戦争)

General(基本的な宗教的CB)

Holy War(聖戦)

 自身の属するReligion(宗教)が、ある勢力支配者を「Infidel(異教徒)」或いは「Heretic(異端者)」と看做している場合、その支配下にあるDuchy(公爵領)を求める宗教戦争を開始する事ができる。イスラム教徒は他宗派のイスラム教徒に対してもこれが可能である(Sunni【スンニ派】 vs Shia【シーア派】など)。  このCBを行使するには、自身は標的とするDuchyに隣接した領地(或いはDuchy内の領地)を支配していなくてはならない。攻撃側か防御側がイスラム教徒であるか、1100年以降ならば、海域2つ分まで対岸にあるDuchyを標的にする事もできる。

 ・勝利した場合、50点のPrestigeと、標的にしたDuchyのうちで防御側勢力の支配していた全ての領地を(攻撃側が占領したか、或いは誰にも占領されていない限り)獲得できる*5。また、その領地の中に自身と同じ宗教の者が支配している領地がある場合、その支配者は自身のVassalになる。  ・白紙停戦の場合、50点のPiety(信仰)と100点のPrestige(威信)を喪失する。  ・敗北した場合、150点のPietyと200点のPrestigeを喪失し、賠償金を支払う事になる。

 また、勝者の宗教は20年間、3%のMoral Authority(倫理的権威)の上昇を獲得し、敗者は逆に20年間、3%のMoral Authorityの低下を被る。この増減は累積する。

 注意:このCBを行使した場合、防御側勢力の近隣勢力のうち、防御側勢力と同宗教の勢力が(非常に高い確率で)援護参戦する。その為、「聖戦」を行う場合は、標的にしたい勢力の近隣勢力をチェックし、彼らが他の戦争にかまけているタイミングを見計らうのが良いだろう。また、如何なる宗教戦争に於いても、高いPiety(信仰)を持っている者を標的にする場合、彼らが宗教騎士団を召喚する可能性がある事も忘れてはならない。

 一部宗教ではこのCBの扱いが異なる。  ・Jains(ジャイナ教徒)は例外的にこのCBを全く行使する事ができない。  ・Buddist(仏教徒)はDuchyではなくCountyを対象とし、De Jure Claimと同様に、そのCountyの支配者をVassalにし得る。また、勝敗によってMoral Authorityは変化せず、Truceは10年ではなく5年である。そして防御側近隣の同宗教者が参戦する事もない。  ・Unreformed Pagan(未改革多神教徒)はこのCBを行使できないが、Reformed(改革済)ならば可能である。PaganがこのCBを行使する場合、100点のPietyを消費するが、Truceは5年で済む。

Crusade, Jihad and Great Holy War(十字軍、ジハード、大聖戦)

 このCBは最低でも5%以上のMoral Authorityを維持しているReligious Leader(宗教指導者)によってのみ行使可能な、特別なCBである。このCBは異教徒・異端者の支配するKingdom De Jure(王国デジュリ)一つを指定し、その中の異教徒・異端者の支配下にある全ての領地を目標とする。

 ・勝利した場合、攻撃側参戦者の内で最もWar Contribution(戦争貢献度)の高かった者にそのKingdomと、獲得された全領地のTitle(王号)が与えられる。Kingdomが既に同宗教者のものであった場合、領地のみが与えられる。加えて、攻撃側宗教のMoral Authorityは20年間、10%の上昇を得て、参戦者達は500点のPietyと1000点のPrestigeをContributionの百分率に応じて分け与えられる。防御側は100点のPietyをリーダーが喪失し、20年間、10%のMoral Authorityの低下を被る事になる。

 ・白紙停戦の場合、攻撃側はリーダーが100点のPietyの喪失と、20年間、5%のMoral Authorityの低下を被る。防御側はリーダーが200点のPrestigeと100点のPietyを獲得し、20年間、2.5%のMoral Authorityの上昇を得る。

 ・敗北した場合、攻撃側は200点のPietyをリーダーが喪失し、20年間、10%のMoral Authorityの低下を被る。防御側は20年間、5%のMoral Authorityの上昇を獲得し、リーダーは100点のPietyを得て、参戦者は150点のPietyと300点のPrestigeをContributionの百分率に応じて分け与えられる。

 このCBが行使可能になる条件は宗教によって異なる。条件が満たされ、このCBがアンロックされる時にはそれを示すイベント表示がポップアップして報せてくれる。  ・キリスト教のCrusade(十字軍)とイスラム教のJihad(ジハード)は11~12世紀に可能になるが、特定のHoly Sites(聖地)が異教徒・異端者の支配下にある場合はより早く開始される可能性もある。  ・Reformed Pagan(改革多神教)のGreat Holy War(大聖戦)は、CrusadeとJihadの両方が行われてから10年内にアンロックされる。  ・Jewish(ユダヤ教)やZoroastrian(ゾロアスター教)のGreat Holy Warは宗教指導者の復位が達成され次第行使可能になる。  ・Fraticelli(フラティチェリ派)のCrusadeやIbadi(イバード派)のJihadは、宗教指導者が成立していれば、通常のCrusadeやJihadがアンロックされる条件で行使可能になる。  ・インド系宗教(仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教)と東方キリスト教(正教会、合性論、ネストリウス派)はこの分野のCBを全く持たない。

(この記事は書きかけです。求む、協力者……!)


*1 「慣習領地」、いわば「本来の領地」。対義語は「De Facto(実効領地)」で、そちらは実際に支配している領地を意味する。
*2 CK2ではこの「County/伯爵級の称号・伯領」を単位としてマップ上のProvince(領地)が設定されており、伯爵級の称号を支配する事がその領地を実効支配している事を意味する。
*3 どんな場合でも、公爵級以上の称号を持つ為には一つ以上の伯爵級の称号を有していなければならない。
*4 どちらになるかはその行為が正当なものだったかどうかによる。専横である場合は前者、正当である場合は後者となる。
*5 つまり、防御側が同時に別の戦争も行っていて、そちらの戦争で敵対している勢力に占領されている領地は獲得できない。

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