神聖ローマ皇帝Erich II世
宰相・ロタリンギア王Giselbert
リトアニア王女Ere
神聖ローマ皇帝Erich II世はイタリア半島の制覇を達成し、キリスト教世界全体に覇を唱えようとしていたのだった。
Erich II世は学問を好み、シュトゥットガルトの大学の拡充を行ったほか、度々帝国各所に設置されていた大学の教授たちと活発な議論を行った。 これを理由に彼は「賢帝Erich」と称されるようになった*1。
宰相!
なんでしょう?
目標まで、あと一歩、というところだな。
あと一歩、ですか?イタリア半島の統一は成りました。民衆はもうビールを乾杯してますがね。
甘いね。
そうですか?最早、我々と対等に渡り合うような敵はどこにもいません。
そうではないのだよ。君は我々の立場を解っているのか?
もちろんです。我らが帝国は、カトリックの盟主です。
違うよ。我々は、キリスト教全体の盟主となったのだ。
確かに、そうかも知れません。
我々は、キリスト教世界のほとんどを支配下に収めている。
その通りです。
我々以外の独立国は、リトアニア王国くらいのものだろう。
チュートン騎士団もいます。
そうだが、彼らは要請をすればすぐに臣従するだろう。
カトリック、テングリ、シーア派が世界の三大宗教に成長しつつある。テングリは改革されると有力な宗教となりやすいようだ。 キリスト教勢力はコーカサス地方、ブルガリア、東アフリカにも残存しているが、いずれもイスラムの支配下にある。
当面の目標はキリスト教世界の一体化である。その為には、今が正念場なのだ。
ということは、リトアニアを攻めるのですね。
そういうことになるな。
では早速、とりかかりましょう。リトアニア王国の請求権を持っているのはこの17名です*2。
本章で重要な位置を占めるTikshayka、Ere、Ihantiは見つけやすい位置に配置したので、見つけてみて下さい。
結構たくさんいるではないか。その中で強い請求権を持っているのは誰かいるのか?
少々、お待ちを。
Giselbertは取り寄せてあったリトアニア王国の継承法と王家の家系図を開くと、黙ったままで膨大な資料を読み漁り始めた。
該当する人物はふたり、おります。
ほう。
一人目はレペリ伯Tikshaykaです。
10年ほど前にモンゴル人との戦いで戦死した豪胆王Virdyanの遺児で、現在11歳です。
なるほど。
選挙分割相続のしきたりに則って、レベリ伯領を相続しています。
それはリトアニア領内なのだね。
ええ。
では使えんな。宮廷に招く理由が思いつかぬからね。もう一人はだれだい?
はい。Tikshaykaの姉のEreです。
彼女しかあるまい。すぐに宮廷に呼び寄せるのだ。
それが、彼女はそれを拒否しているのですよ。
ちゃんと贈答品は持っていったのだろうね。
無論です。もう諦めましょう。最初から無理だったんです。
うむ……。まだ早い。Ereは結婚しているのか?
ええ。
ではその旦那を呼び寄せるように手配してみてくれ。
了解しました。
Ereの夫、Toomは直接の主であるヘウムノ伯との折り合いが悪く*3、賢帝Erichの仕官要請に即座に応じてきた。
Toom殿は無事、シュトゥットガルトに到着しました。
リトアニア王との戦争を匂わしたからね。ヘウムノ伯になれると思っていることだろうね。
陛下も人が悪い。
そうかも知れん。それで、Ere夫人も到着したのか?
実は既にここに連れて来てあります。
こんにちわ。はじめまして!皇帝陛下、私をリトアニア女王にしてくれるって、本当なの?
もちろんだよ。
やった!嬉しい!
宰相、さっそく取り掛かってくれ。
待ってください。彼女は女性です。
そうだとも。いまさら何を言っているんだ?
帝国の継承法は、領地を持っていない女性に新たに封土を与えることを禁じています。
そうだったな。
予め領土を与えられないので、彼女をリトアニア女王に立てても、帝国の版図には入りませんよ。
わかっておる。まぁ、黙って見ていてくれ。
はぁ……。
待ちきれないわね。
賢帝ErichはEre Kukkのリトアニア女王即位を求めて兵を挙げ、半年の間にリトアニア南部を制圧した。
リトアニア王Raakは白旗を揚げ、Ereはリトアニア女王として戴冠した。
しかし、その戴冠式に出席していたErich帝は信じられないことを口にしたのだった。
Ere女王は身重です。とても女王の任は務まらないでしょう。王位に相応しいのは彼女ではない。Ihantiなのです!
なんですって!!!
ErichはすぐさまEre女王に対する宣戦を布告し、ノルウェー王領内の伯爵のひとり、Ihanti Hamalainenの王位継承を主張して一度撤収させた軍隊を再度編成し、リトアニア王国領に進軍させた。女王に就いたばかりのEreが憤慨したのも頷ける。なにせ、つい昨日まで自らの王位を主張して戦争をしていた頼るべき盟友が突然、刃を向けてきたのだった訳だから。
Ereはまったく何の抵抗もできないままに降伏した。それは、1452年12月のことだった。
Erich II世はヨーロッパ全土に君臨する皇帝となった。
まったく、弱い請求権を主張して国を奪うだけのためにEreをリトアニア王に祭り上げたというのですね?
その通りだ。こうすれば誰も文句は言わないのだろう?
しかし、随分と乱暴です。いったいどうして、そんなに急いでいたのです?
いや……、なんとなくね。私には残された時間が少ない、そういう気がしたのだよ。
まだ40歳を迎えたばかりだというのに……。
別に、死期を悟っている訳ではないのだけどね。何か、根源的な焦燥を感じていたのさ。
未婚の女性キャラを宮廷に呼び寄せるには、Invite to Courtコマンドを使用する以外に、宮廷内の男性キャラとの結婚を斡旋することもできるというのは以前に説明した通りですが、既婚の女性キャラを呼び寄せたい場合は、本人ではなく、夫をInvite to Courtコマンドで呼び寄せるという方法もあります。所領を持っているのでなければ、家族は連れ立って動くため、夫を呼び寄せることで妻も宮廷に呼び寄せられる事になるのです。 同様に、未成年のキャラを呼び寄せたい場合は、直接Invite to Courtコマンドは使えないので、親を呼び寄せます。なお、封土を持っているキャラをこれらの方法で呼び寄せることはできません。
バスク文化やカタル派固有の相続法であるAbsolute Cognaticによる男女均等の相続システムを採用している場合を除いて、すでに別の封土を保有しているのでなければ、臣下の女性に新たな(土地つきの)爵位を授けることはできません。このため、土地なしの女性キャラの請求権を主張して他国を侵略することは、同族でもない限り困難です。しかし、この場合、女性を即位させることそのものに意義があります。女性が即位することによって、男性キャラの持つ弱い請求権を行使することができるようになるからです*4。これを利用して「強い請求権を持つ女性キャラ」「弱い請求権を持つ男性キャラ」の2名の請求者を確保することができれば、征服を敢行することができるのです。 なお、一度戦争をした国家と、和平締結直後に再度戦争をするということになるのですが、CK2では停戦や和平などは国同士の条約ではなく、当主同士の個人的な契約とみなされるため、和平による停戦期間が設定されるのはあくまでも元の当主だけで、あらたに即位させた人物との停戦は成立していません。このため、この方法を用いても停戦破棄ペナルティの対象とはなりません。
デフォルトの設定だと、1453年の元旦を迎えた時点でGame Overとなり、それ以上日付を進めることは出来ません。 セーブデータを弄ると終了年月日を変更することも可能なようですが、今プレイではセーブデータを弄ることはしていませんから、これを以って本編は完結となります。