カロリング家の宮廷の一室で陰謀の花が咲こうとしていた・・・・・・
クックック、Herbertの長男を暗殺すれば次期当主は俺だ
誰が次期当主だって?
兄上! なに人の部屋に黙って入ってんだ!
貴様に忠告に来た、お前の計画は露見済みだ
な、何のことですかな(汗)
世継ぎに何かあれば貴様は同族殺しの汚名を着た上で処刑だ
そう言い残しHerbertはバタンと扉を閉め出て言った
・・・・・・おのれ、誰があの馬鹿に密告(チクリ)やがった
この恨みあいつの嫁を寝取って晴らさせてもらおう(ニヤリ)
数か月後・・・・・・
あなた私・・・・・・懐妊しました!
・・・・・・どうやって、俺、覚えないんだけど
ま、また寝取られなのか!? 俺は寝取られ王子なのか!?
なに言ってるの、あなたが酔って帰った日にエッチしたじゃない
記憶にないぞ
仕事で忙しくてしてないだろ
俺溜まってるんだ、そう言って無理やり(シクシク)
そ、そうだっけ? すまん
わずかに疑念は残ったが、Herbertはそれ以上深く追求する事はなかった
1071年9月(Herbert39歳) ノルマンディ公爵ウイリアムが戦争に勝利しイングランド王(征服王)となった
近隣の公爵が王となる この事件に衝撃を受けたHerbertは 征服王ウイリアムこそ我がライバルと呼ぶようになった
1071年11月(Herbert39歳) イングランド・フランス運命の開戦
兄者フランス王より出兵の命が来ましたぞ
我がライバルとの戦争か・・・・・・面白い!
Herbertは558人の精鋭を率いて参戦 この出陣がヨーロッパの命運を変える事になるとは誰も知る由はなかった
1072年2月(Herbert40歳) 疑惑の御子 ウォレス誕生 フランス王室の血を引く御子の誕生である
1072年8月(Herbert40歳) 事件は戦場で起こった(イングランドVSフランス)
征服王! 久しぶりだな
おお、カロリング殿ではないか
貴殿の首をもらい受ける
よかろう取れるものなら取って見よ
戦場で会いまみえた二人の英雄 だが、その力量の差は歴然としていた Herbertは無謀にも稀代の英雄に戦いを挑んでしまったのである!! 互いの馬を駆り急速に接近する二人 一瞬の交錯・・・・・・ 征服王はおのが手に握る馬上槍がHerbertを貫くと確信した瞬間 Herbertの馬は足を折り転げた、征服王の馬はそのあおりを受け転倒! Herbertは何とか起き上がり征服王に歩み寄り愕然とした!!
あうあう(よだれダラダラ)
ええと、大丈夫ですか?
あうあう(よだれダラダラ)
・・・・・・(こ、これは殺すべきか見逃すべきか?)
王様~!!
突然の乱入者にHerbertは一撃で弾き飛ばされた 乱入者は重傷の征服王に駆け寄りあからさまに涙を流したが・・・・・・
王様おいたわしやぁ~、フッ、ふぁ~ふぁっはっは
突然、笑い出した男を見てHerbertは気でも狂ったのかと思った
おい、英雄の勝負に割り込むとはどういう了見だ!
俺は近衛隊隊長のcopsige、王の守護者だ
残念だな、征服王はその様だ。王を守れなかったな
ふっ、守れなかったんじゃない、守らなかったのだ!!
はぁ、負けよしみ言ってんじゃねぇぞ
貴様ごときの武勇で征服王に重傷を負わせたのは奇跡だ
褒めてやろう
ふざけるな、征服王に勝ったんだから俺の武勇は天下一だ!
たわごとを。なら、試して見るか?
copsigeがキラリと剣を抜く 直後、イングラド兵が次々と押し寄せて来た それを見てHerbertは逃げ出した
覚えてろ、次に会ったらただでは済まさぬぞ!
後にこの一騎打ちはHerbertが征服王に勝利し重傷を負わせ、 征服王に情けをかけた美談として語りつがれた(カロリング家史書より)
重傷を負った征服王は無能力者となって帰国の途に就いた 征服王がイングランドに帰国して1月後・・・・・・
1072年9月(Herbert40歳) 征服王ウイリアム崩御 新イングランド王には意外な人物が即位した 近衛隊長copsige――彼こそが新たなるイングランドの指導者である
近衛隊長copsigeは帰国後、 地方の伯爵に任命されていた世継ぎの王太子を宮殿に呼び寄せた そして、その武力で脳に一撃を入れ征服王と同じ無能力者にした
そして二人に次期王を近衛隊長copsigeにすると言う 証書に印を押させたのである
後の話であるが4年後にイングランド王copsigeは 先王、征服王の一族の大半を粛清した
やがてcopsige王に追い詰められた征服王の一族は 最後の本拠地ノルマンディを拠点に一族の存亡を懸けた反乱を起こす事になる
次回:第4話