私が摂政に選ばれるとは……わざわざ故郷を捨てた甲斐があったというものだ。
彼の名前はインゲ。先年崩御したカリヨタスが見出したノルドの男です。
力自慢の男がモテるノルド社会では天才的な陰謀家である彼に居場所はありませんでした。
そこでバルト海を渡り、このリトアニア=ポーランド王国で密偵頭を務めていたのです。
先代王には取り立ててもらった恩がある。
私の智謀でサルナス陛下を支え、この国を世界一の大国にするのだ。
しかしカリヨタス様はわけのわからんカバのような生き物を傍に置いて国政について相談していた。
更に伝え聞く話では鼠やら狼やらが当然のように出てくる始末。
童話や御伽噺に頼るドレゴヴィッチ家の悪習を断つのも私の仕事となるだろう。
インゲは優秀な男でした。
しかし彼にとって神という概念は人が利用する道具だという認識だったのです。
この摂政に育てられた新王サルナスは古き神を信じぬものとなりました
果たしてドレゴヴィッチ家はどこへ向かうのでしょうか?
治世の始めはペルクナス団への献金が慣習化した。
まずやらねばならぬことはペルクナス団を呼び出す為の信仰稼ぎ。
つまり献金だ。
そして先王の死で途絶えてしまったハンガリー反乱鎮圧を申し出る。
967年 / 激戦は続く
インゲ殿。叛徒が暴れている時にポメラニア王国に宣戦布告とは何を考えているのです。
彼女の名前はジエダ。先代王カリヨタスの妾であり現王サルナスの教育係を勤める女性です。
リトアニア=ポーランド王国は王位を巡っての兄弟間における血生臭い抗争というものがほとんどありませんでした。
末子相続制度では次期王を暗殺したところで王が更に子供を作れば全ての苦労が水の泡だからです。
更に王の本妻、妾は自分以外の子供を教育し後見人となる義務を背負っていました。
そして次期王が誕生した際、教育者だった者はこう呼ばれます。
母后(mother of kings)
この地位は王の実の母親より上であり、王も敬意を払うべき存在と看做されていました
その為、王の女達は子を産み、育て、更に他人が産み落とした子供を教育するという超人じみたバイタリティーが必要でした。
やっぱり敵地はツライナー
更に反乱が増える。
貴方の役目は領地を保全、維持し王に滞りなく引き渡すことです。
余計な侵略はよしなさい。
ご心配なく。
これは滞りなく引き渡す為に必要な戦いなのです。
(やっべ、結構反乱多いな)
そうだといいのですが……。
私は陛下の教育タイムなのでこれにて失礼。
この戦争の結果、帝位創設が可能となった。
だがまだ帝位は創設しないぞ。
サルナス王の即位直前にぱーっと帝国宣言をして盛り上げて勢いに乗るんだ!
969年 / ぱーっと反乱も起こされました。
やはりカリヨタス様が征服した土地の支配者は次代になると反乱を起こしましたか。
ええ、まだ改宗が進んでいない地域もありますからね。
土地くれてありがとう!補正もある程度の時間経過か代をまたぐと消えちゃいますから。
ルティシア、ワラキア方面が反乱の中心のようですが……おや、ワラキア方面で唯一反乱を起こしていない領主がいますね。
えっ!?(全員投獄できたほうがラクなのになー)
ああ……なるほど、ここの領主は……。
Radimich家 / 前話通り、ドレゴヴィッチ家に因縁のある家です。
まだ領主が成人していないので派閥に参加できなかったわけですか。
カリヨタス王の遺言もありますから有り難い話ですよ。
さて……オシオキの時間だ!
オシオキ! / 途中白紙和平提案してきたが文字通り蹴った。
971年 / 2年かけて反乱鎮圧。牢屋には金塊がいっぱい転がった。
末子相続だと暗殺合戦そんなに起きない代わりに当然のように親族から反乱起こされるけどしょうがないよね。
でもドレゴヴィッチ家の領主様は改宗 or 領土を一つ取ってその領主の子供に渡すコンボで対処することにしよう。
元領主の子供に領土を継承させる?それに何の意味があるのですか?
ジエダ様も摂政期間中は派閥に参加できないって先ほどおっしゃってたでしょ?
それを聞いて閃いたのですよ。
元領主の歳若い子供に領地渡せば領土くれてありがとう!&成人するまで反乱起こさないという二つの要素で統治の安定化に繋がります。
統治期間の長さでopinion補正を受けられるのでその時間稼ぎでもありますね。
例え叛徒であってもドレゴヴィッチ家の人間には領主候補をどんどん作ってもらわないといけません。
だからドレゴヴィッチ家の叛徒には子供に領土を譲って早期に引退してもらう方向にしました。
幼王サルナスのデータ / enviousがついた。
君主として微妙なtraitだらけのサルナス
ジエダは辛抱強く彼に接しました。
口うるさいジエダでしたが明るく正直で社交的な婆や(外交28)にサルナスは心を開いていたようです
970年 / 東の地でセルジュークが立ち上がったらしい。
973年 / ヴァイキングの時代がやってきた?
友達ができたり
サルナス12歳 / 多少マシになってきた。
もう一人のドレゴヴィッチ家出身の王 / しょっちゅう反乱鎮圧に呼び出されるのでopinion高い
ランパートにhysing陛下と同年代の仲間も増えてきて……婆やは嬉しゅうございます。
ジルダ様……あのクソガk、じゃなくてやんちゃなサルナス陛下をここまでまともに育てていただき感謝しております。
あらインゲ殿。摂政から外れてから忙しそうにしていましたが何をしていらしたのかしら?
サルナス陛下も14歳。もはや成人と呼ばれる日も近づいております。
はい。
……リトアニア=ポーランド王国は明日からヴェンディッシュ帝国と称します。
977年 / ヴェンディッシュ帝国誕生。
ヴェンディッシュ帝国ですか?
どうみてもウェンディッシュ帝国としか読めませんけど。
どっちかはわかりませんがヴェンド人の帝国という意味なのでヴェンディッシュ帝国でいいやってことにしました。
そして皇帝となられたサルナス陛下の最初の仕事は先代の遺言を執行してもらうことです。
先代王カリヨタスの遺言。それはこの時を待たねば成せぬものでした。
(前話の回想)
我が家の家訓は「借りは必ず返す」だ。
大首長に対する借りが首長級領土、しかも利子をつけていないなんて許されることじゃないんだよ。
ワラキア大首長Radimich家当主。
ワラキア王isbul誕生。
ドレゴヴィッチ家の帝国で始めて王位を得たものは意外なことに一族以外の氏族からでした。
こうしてドレゴヴィッチ家サルナスはかつてradimich家に受けた恩を何倍にもして返したのです。
本当は独立王にしたかったのですがビザンチンかドレゴヴィッチ朝ハンガリーに食べられては意味がありません。
これでドレゴヴィッチに味方するものも増えるでしょう。
ドレゴヴィッチが求める者を貸し出せば王位ですら手に入ると喧伝されたのですからね。
※注:ゲーム的にそんな要素はありません。ロールプレイです。
ワラキア王就任は世間向けの政治的パフォーマンスです。
次に一族向けのパフォーマンスも執り行いましょう。
サルナスの兄tarvydas(個人的に神スキルのオーガナイザー持ち) / ボヘミア王就任。
tarvydas殿はカリヨタス様の長男が前の反乱に参加して王位へ挑戦した際にも弟である陛下の為に武勇を奮ってくださいました。
順当な人事ですね。
ワラキア王は例外です。
基本はドレゴヴィッチ家の人間が王位、大首長位に就くのがこの帝国の法律ですよ。
外交もどうなることかと思ったが教育traitで及第点に
977年、こうしてドレゴヴィッチ家の帝国は誕生し、皇帝は成人となりました
反乱鎮圧と帝国の安定に寄与した摂政評議会は解散され、サルナス皇帝の波乱に満ちた治世はここから始まります
この位巨大化するとシムシティをプレイしている気分になりますね。 住民(配下の領主)の苦情(反乱、暴動)を処理しつつ人口(house prestige)を増やすゲーム。それがCK2だ! たまに東からモンゴルやらティムールやらセルジュークやらの災害が来る仕様となっております。(西からもオプションによっては災害ONになっております)
アイソーポス物語 第八話 「傲慢なる帝国/後編」に続く。