バージョン2.1.6から鉄人モードがやりやすくなりました。 その中で取れる実績に「The One Who Brings Benefit」というものがあります。 これはゾロアスター教徒でペルシア帝国を再興すると解除される実績なのですが、 開始時からゾロアスター教徒のプレイ国家として選択可能なのが、カスピ海東岸に位置するカレン家です。 (一応その配下の伯爵でもプレイはできますが……) しかしこの実績、実質挑戦可能なカレン家の初期立地状況から、それなりに難易度が高いです。 その理由は以下を御覧ください。
カレン家の周辺は、北の遊牧民を除いてほぼムスリムです。 さらにアッバース朝が健在な時代であるため、カリフの権威も高く、四方から聖戦を喰らいます。 しかしペルシア帝国(黄色)を再興するには、その侵攻を跳ね返し、逆にムスリム達を駆逐しなければなりません。
ゲーム開始して20日経たないうちに、①のサーマーン朝から大体聖戦CBを喰らいます。 ただサーマーン朝に対しては初期のイベント兵力の差で優位には立ちやすいです。
ですが問題なのが②のサッファール朝です。 867年シナリオでは史実のサッファール朝開祖ヤアクーブが当主なのですが、
上記のように彼は史実での活躍から、武力のみ固定の24である上にイベント兵力として維持費無しの8000人が追加で与えられています。 一応、我がカレン家にも当主の初期武力依存で3000~4000程度のイベント兵があるのですが、それでも総動員で6000程度、傭兵を足しても8000~9000が限界です。 サーマーン朝と遊んでいる間に、史実でもやられ役であった③のターヒル朝が、大体にして開幕宣戦されて食われます。丸ごと食われます。 ターヒル朝は動員兵力1500程度、スンニ派同士なので援軍も無いため、サッファール朝のイベント兵力8000人は対して傷つかずに温存されるのです。 そして併合後、サッファール朝の総兵力は13000程度に肥大しており、サーマーン朝との緒戦を乗り切ったカレン家に矛先が向いた場合には、もはやどうしようもありません。
アッバース朝の動員力とサッファール朝の史実補正が強力であるため、カレン家戦略の基本の一つは北の遊牧民⑤を食っていって力を蓄えることです。 聖戦CBは公爵領単位でしか奪われないため、食われるよりも多くを北から奪うということです。 ユダヤのハザールと似たような発想かもしれませんね。
ですがこの方針では、どうしても南方イスラーム国家の同士討ちを待つといった受け身な対応になりがちです。 また後に中央アジアに湧いてくる脅威(モンゴルとか)が直撃します。 さらに言うと、ゾロアスター教の聖地はすべてペルシア帝国内にありますが、これの大部分を放置することになってしまいます。 宗教的権威が低いまま何十年も雌伏する場合、異端や改宗の遅れにより反乱軍が頻発する可能性が高いです。広大で移動の大変な草原で。
あと、筆者は今回のAARの前に鉄人チンギスで西ヨーロッパ征服実績を取ったばかりですので、草原プレイはあまりしたくないというのもあり、この戦略は取りません。
スンニ派に改宗してしまい、力を蓄えてしかる後にゾロアスター教に戻るという戦略もあります。 わざと改宗を失敗させたり聖戦で負けたりして意図的にスンニ派の権威を下げたり、婚姻関係やプロット、派閥を利用して内部から食い破るのも良いでしょう。 初期状態でカレン家はサーマーン朝、サッファール朝のどちらにも臣従できます。
ですがこの場合、カレン家であえてプレイする意味が無くなるような気もします。 ムスリムへの改宗から復帰というのであれば、実はサーマーン朝は元ゾロアスター神官の家系であるため、RP的にはそっちのが熱い展開な気もします。 (サーマーン朝だとカレン家のイベント兵力3000が脅威ですが)
そもそも最初から強力な国家で地盤を固めてからゾロアスター教に変えるならば、実績を取ること自体は楽ですからね。 英wikiではマジャール人なんかがオススメされています。というのもハンガリー建国後にイベント兵が与えられるため、有利だということです。
本プレイでは、正面からムスリム達を相手取って死闘を繰り広げる方向で行きます。 この場合のポイントは2つあります。
1.どの順番で戦うか 2.サッファール朝のイベント兵力8000を如何にして削り切るか
もう一度、勢力図を示しながら解説します。
聖戦CBでは防御側は隣接する同宗教の勢力を援軍に呼び寄せます。 ですので隣接勢力にムスリムの少ない①サーマーン朝が鉄板だと考えます。 ②サッファール朝は開幕で③ターヒル朝に宣戦するため、どちらも援軍には来ません。 ただし、首尾よくサーマーン朝からヒヴァなりを奪えてもその後が問題です。 ここで自分の兵力を消耗していてはサッファールに負けますし、かといって④のタバリスタン太守(実はシーア派なので援軍皆無)を食おうにも、 アッバース朝と隣接するというリスクを負います。ジハード無しでも普通に聖戦しかけてきますから。 ③ターヒル朝をサッファール朝と分割する形で食うのも手ですが、相手の動員兵力が多すぎて包囲の主導権を奪いにくく、旨味は多くありません。
やはり最序盤は2が難問となってきます。地形を活かしながら分断し、各個撃破するという戦術もあるでしょうが、消耗が激しいため拡張が遅れやすいです。 すると④を食ったアッバース朝といつの間にか隣接しているということに……。
そこで今回は、失敗したら即最初からやり直し、が前提の奇策を使おうと思います。 最序盤戦略だからできることでもあるでしょうが。
まずサーマーン朝に臣従します。 外交使節の到着までタイムラグがありますが、その数日の間にサーマーン朝自体から宣戦布告されない限りは、臣従はほぼ成功します。
そして首都をGruganへ遷都、ユダヤ人から300金借り、傭兵を2000弱雇いましょう。 返事を待つ間など、イベント兵力と合わせて、サッファール朝との国境まで移動させておきます。
無事に臣従成功したら、RevokeなりされないうちにFactionで選挙王政派閥を結成します。 イベント兵力と傭兵のおかげで、カレン家だけで最後通牒がつけられるようになります。 双方の当主のMartial値によってイベント兵力が変動するのですが、カレン家当主は武力が14程度もあれば4000以上の兵力を与えられます。 傭兵も合わせると一人で300~400%稼ぐこともできます。当然、高いほど戦争にならずに要求が通りやすくなります。 (なんかオドアケル的なことが起こってるようにも見えますがね)
選挙王政が通ったら、次は当主Vandadを王にする派閥を一人で結成、即最後通牒を突きつけます。 この二つの要求がそれぞれ、2割~3割程度の確率で通るので10回以上程度のやり直しでスタートラインに立てます。 ちなみに上の図は失敗した時のSSですので、兵力数など次回からの本編とは異なっています。
二回目の要求についてですが、これは場合によっては最後通牒後の戦争で奪い取っても良いと考えています。 というのもこれは次回の初代当主編で説明しますが、わざと簒奪戦争で数年時間をかけることによって、資金ブーストの底上げがはかれる面もあるからです。
王国になったことで動員可能な兵力で、殴りあっているターヒル、サッファール朝に同時に襲いかかります。漁夫の利を狙うという意味では一般的な発想ですね。 サッファール朝の力を削ぎつつ勢力拡大も行うため、それぞれに対して最も多くの領土を奪える聖戦を宣言します。
ですが、実はこの時点でカレン家の動員兵力は大して増えていません。簒奪者とみなされているため、サーマーン朝の旧臣は即座に王位返還を求める派閥が確実にできます。 時間経過で上昇する兵士量では派閥側に軍配があがるため、最後通牒を突きつけられるのも時間の問題でしか無いのです。
では、そのような状況の中で、なぜあえて聖戦を行うのか。 ここからがプレイヤーチートでも何でもありの奇策です。それも次回からの本編で解説しましょう(黒笑)。
これにて最序盤戦略の説明は以上です。 それでは、20回程度のやり直しの末に到達した本編へ、進んでいきましょう。