「代々陰謀値が低いのは伝統になってきてますが、さすがに0は怖いですね。主に暗殺が」
「そうならないよう、外交でカバーするさ。ペンは剣より強し、だ」
「一応帝国の領地ということで、納得しているのだろう。陸では分断されているが、黒海でつながってるしな」
「そうですね。……それともうひとつ、実はイタリア半島も酷い有様でして」
「ええ。南伊はカプア共和国以外、イスラムに沈んでます。それとボヘミア王国が帝国から分離した時に、トスカーナ公爵位を保持していたらしく」
「多分そうでしょね。おかげで分断されたイタリア諸侯が何個か独立に成功してます」
「イタリアの統一は遥か彼方、か。それにしても、イスラム勢の台頭は著しいな」
「そうですね。西地中海でも同じような状況です。カスティーリャが延命してるのとフランスが頑張ってるぶんマシですが」
「さて、他所は他所でやっていただいて。今後の目標を決めましょうか」
「反乱祭りしてたので、正統領のコラ州を猫ババしようと。先王の時にふっかけました」
「百パー勝てるんで、気にしないでいーです。それより、どうやってノルウェー領を頂きます?」
「うん。手っ取り早いのは婚姻政策で乗っ取るのなんだけど、これは使えんね」
「反乱してる理由が、王朝が交代したことによる相続争いなんだよ。だから、どっちが勝つかわかるまでうかつにやれない。それ以上に、両方共うちの息子に適齢の娘がいないのも原因だけど」
「それも考えたけど……要求者の殆どがこっちに来るのを拒否しているんだ」
「地道に、請求権を捏造していくしかないね。……宰相!行って来い!」
「一族以外のやつは領地ひっぺがして適当な一族に与えといて。一族の領主は後継確認して放置」
「旧デンマークの大部分と首都周辺直轄にしてる、こっちの敵じゃないよ。酷いプロビだと、男爵領1つだけとかだし」
「風邪……かなぁ。熱はないような気がするんだけど。(ペタペタ)自分でおでこ触っても分かんないなぁ」
「言い分があるなら聞きますよ。どこでうつされたんです?城下の娼館ですか?」
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羊<めぇー(しっぽふりふり)
「おや、はぐれ羊か。よしよし、かわいいな。どこの羊飼いのものだ?」
羊<めぇー(しっぽふりふり)
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「ヤった。すごい気持よかった。羊飼いたちはいつもあんないいものを味わっていたのか……」
ステンキル朝第4代 アケ1世 王位についてまもなく病に倒れる。4年間の統治はあまりに短く、彼は何を成すこともなくこの世を去った。 伝説では、家畜たちを愛する心優しき王だったという。 享年37歳。
5代目 アルネ2世に主の祝福を!