「別に継がなくていいのですよ。インゲはインゲ、アルネはアルネです」
「そうか……そうだな。わたしは、わたしのできることをやろう」
「先王時代の拡大は急でしたからね。異教諸侯も手が回らずそのままだったようです」
「どうやら反乱を企てているのは異教諸侯と、ご即位に不満の一族の方のようですね」
「親族に関しては金で押さえつけよ。異教徒は放置して反乱を起こさせろ。領地を奪って一門の子弟に配るのだ」
「一世代我慢すれば次の世代からはわりと安定する。怖いのは同族結婚を繰り返しかねないところだがな」
「これで国内はまず安泰だろう。……ところで、わたしはなぜ怪我をしているのだ?」
「武芸に自信があるからって反乱軍に先頭で突っ込んだりするからですよ」
「この期に及んでも王位を巡って姉弟げんかなぞしておったのだ、あたりまえであろう」
「そういえば、即位から10年経過したので法律を動かしました。国主の権威を高に、継承法を長子相続制に変更」
「更に先王時代の忘れ形見、フィンランド王位を創設。これでこの国は、スウェーデン=デンマーク=フィンランド連合王国となりました」
「そうだな……それにしても困った。もうやることが殆ど無いぞ……」
「さて、何をして過ごそう……こまった、ほんとうに………こまっ……」
ステンキル朝第3代 アルネ1世 デンマークを破り、同国の王位を簒奪。既に実効支配していたフィンランドの王位と合わせ、三重王国を形成した。 父インゲ王の征服地の整備を進め、スウェーデンの支配を確固たるものにした。 享年52歳。
4代目 アケ1世の道に光あれ!