「過ぎたことを嘆いても、仕方があるまい。それより、この状況の打開が先決だ」
「戦時につき、戴冠式は行わない。先王の葬儀も可能な限り簡略化する。死者への餞には、何よりも敵の血がふさわしかろう」
「異教諸侯の助力があるとはいえ、結局は一公爵に過ぎませんから」
「反乱を起こしたのは、先王に対してですので……。ああ、やっぱりわたしがあの時に気づいていれば……」
「停戦期間が明ければ、彼奴はまた反乱を起こすだろう。……少々、時はかかるがな」
「では、公についてはそうするとして、今後の方針は如何にしましょ」
「ふむ。……我が王国の正当な領地は、未だ回復されていない。北方に異教徒の蛮族どもがのさばっているからな」
「王国の正統領地は、全て奪回したな。イングランドと戦争をしているようだが?」
「ノルウェーから要請が来たので、形式だけ参戦してます。……さて、当面の目標は達成しましたが」
「わかっている。奴らの強さの理由は宗教だ。CBが聖戦のために近くのスオミ諸侯がわらわらと群がってくる。またMODで追加している宗教騎士団も出てくる。これが手強い」
「つまり、長期戦は不利だ。他の諸侯が介入する前に、速攻で決める。」
「敵の領地を見てみろ。1プロビに1つの所領しかないところがほとんどだ。そして諸侯のほとんどが2,ないし1プロビ……」
「故に戦略はこうだ。まず1プロビのみの諸侯から潰していく。1領地のみだ、ゴリ押しもできる」
「そうして数を減らし、こちらの戦力を高めた後に2プロビ諸侯も叩くのだ」
「弱いところから順に叩いていく。聞いてみれば、単純な作戦ですね」
異教徒公の反乱は失敗、公エリクの身柄は王国首都グリプスフォルムへと護送された。 その後の彼の消息を知るものはいない。
「一番大きいところを、な。細かいものはまだあるが、問題はあるまい。これで一層外征に力を入れられるな」
「そうだ。スオミ共も弱ってきた。2プロビ所領の諸侯も今なら攻められる」
「南のデンマークも王権の奪い合いで分裂状態だ。付け入る隙はある」
「ああ、そうでした。……ロックンロール、タァァァァァイム!」
「……ふう、すっきりした。イスラームに対し、十字軍が結成されました。我が国にも参軍の要請が」
「連中を叩くのにもいい加減飽きた。アフリカ旅行は、休暇にはうってつけだろう?」
「そうですねぇ……。てか、いいんですかこんな所にいて。戦争は?」
「傭兵隊長同士で意見が対立してる。諸侯も指揮権を譲らずに、個々で動いているらしい。纏める人間がいないんだ」
「占領地を略奪して回るぞ。そこそこに分捕り品を集めて、さっさと帰ろう」
インゲ1世の予感は的中し、統一した戦線を組み上げられないキリスト教軍は各個に撃破されていく。 第1次十字軍は、イェルサレムに辿り着く前に崩壊した。
「ええ。一部をルーシやノルウェーにハイエナされましたが、フィンランドの大部分を制圧しました。王号も創設できますが?」
ステンキル朝第2代 インゲ1世 度重なる征服戦争に打ち勝ち、王国の領土を飛躍的に増大させた。 異教徒を倒しキリスト教の振興を進めた彼を、人々は『列福王』と呼んだ。 享年58歳。
3代目 アルネ1世に主の祝福を!