神聖ローマ皇帝Dietmar
妻Karlotte(3人目の妻)。庶流の出。
アラゴン王、デンマーク王Hesso
宰相Hartmann
ボソン朝神聖ローマ帝国はポーランド、デンマーク、トスカーナを獲得する一方、ハンガリーには再び黄金のオルドの侵入を許し、カトリックの手から喪ってしまったのだった。
殿、どうしたのです?表情がすぐれないみたいですが。
Karlotte、実は、少々困ったことがあってね。
そうですか。ぜひお話を聞かせて頂きたい。
女の君を巻き込む訳にもいかんだろう。
殿は約束したはずです。私に隠し事はしないって。
それとこれとは違うのではないか?
いいえ、違いません。どうせ戦争のことなのでしょう?
そうだ。
殿はこう見えて優しい心の持ち主ですから。さぞ心を痛めておいででしょう。
実は、アラゴンとヘルレが戦争を始めてね……。
内戦ね。穏やかな話ではないけど、そんなに特別なことではないわ。
今回は事情が少し複雑なんだ。
複雑?
ああ。まずは関係者を紹介しないといけないな。最初の当事者はアラゴン王Hesso II世だ。
アラゴン王Hesso II世。デンマーク王を兼ねる。 神聖ローマ皇帝Lotharの孫。父のHesso I世からアラゴンとデンマークの王位を継承している。
Hessoはブルグンド女王のKriemhildに援軍を要請した。
ブルグンド女王Kriemhild。神聖ローマ皇帝Adalbertの曾孫。
なるほど。どちらも我々の親戚ということね。
そうだ。だが、話はこれでは済まない。彼らが攻撃している相手も我が一族なのだ。
ヘルレ公Kuno。ヴェネッサン家出身。アラゴン、バレンシア、ヘルレの公位を兼ねる。 また、母はザクセン女公Friedricaであり、Kuno自身、ザクセン公の世継ぎである。
ザクセンとヘルレが連合したら確かにアラゴン=ブルグンド連合とも対抗できるわね。
更に言えば、ブランデンブルク公とセビリア公もヘルレ公の側に立って参戦している。いずれも一族のメンバーだ。
あらまぁ。
まったく、内戦を防止するために一族が主要な領地を抑えるようにしてきたのだが……。
これでは全く意味がないわね。まずHesso殿を呼び出してみたらいかがです?
そうするしか無いだろうな。
皇帝、お呼びでしょうか?
君は、帝国領内で戦争をしていると聞いたが。
ええ。その通りですよ。
帝国領内での私戦は禁じているのを知らないのか*1?
私戦ですか?お言葉ですが、これは、アラゴン王としての責務ですよ。
分からないのか?戦争は違法だと言っているのだ。
臣下ではあっても私は王なのです。
そんなことは関係ない。
それに、アラゴンもデンマークも法的には帝国の領土ではありません。
だが、君は私の臣下なのだ。
臣下ではあっても、私はアラゴン王としてバレンシアを治める責任があるのです。
勝手なことを言うでない。
話はこれだけですか?だったら私はもう帰りますよ。
ずいぶん勝手な言い草でしたね。
ああ。だが、困ったことに彼が帝位の後継者なのだ。
え?
強硬派だが、大きな派閥を抱えているからね。選挙権のある諸侯の1/3でも抑えれば当選できるのさ。
でも、それでは戦争をしていた相手は納得しません。
そうだ。だから、分裂の危機だということさ。
そんな……。
おや、こんな時分に来客のようだ。
陛下。
どうした、宰相?
いえ、例の件の首尾は、どうやら整いそうでございます。
そうか!これで一歩前進だ!
しかし、皇帝の平和主義は素晴らしいです。世の人は「紳士帝」と呼んでいると聞きますよ。
これだけ戦争をして平和主義もあるまい。
それが世間の評価だということです。
ところで、例のこととは何です?
皇后様にお伝えするものではございません。
まあ、良い。丁度この話をしていたところだった。今後、我が帝国は、世襲の帝国となるということだ。
世襲制?でも、それは諸侯の反対が大きいのでは?
その為に根回しをしてきたのですよ。
しかし、選挙制は帝国の伝統だと思うのですが……。
まあ、伝統は変わるというものさ。それに、こうしなければ危機的な状況はいっそう悪化するばかりだろう。
じゃあ、一件落着ね。
そうともいかないのですよ。まずはアラゴン王たちの戦争を終わらせる方法を考えないと。
そうなのか?
ええ。戦時中の相続法改正は無効だという取り決めがありましてね。
むむむむむ。
Dietmarの代で長子相続を採択しました。相続法の変更には10年以上の在位、国内の和平(内戦が行なわれておらず、国自体も外国と戦争をしていない)、総ての封臣の評価が0以上、といった条件をクリアする必要があります。これに加え、長子相続に変更するためには王権がhigh以上であることが必要です。
独立していない国家では最も困難なのは王権の条件です。王権は臣下が勝手に変更できるものではなく、主君が変更するのを待つ以外に上昇させる手段がないためです。派閥を組んで王権を下げる戦争を起こすことはできますが、逆はできません。独立国家であれば、王権は地道に上昇させることが可能です。それ以外の条件も小国の場合は、比較的簡単に実現できるので、相続法の変更は国家規模が拡大する前に行うのが楽です。
国の規模が大きくなると困難は増大します。
step 1:王権の上昇 王権を上昇させるのは1代の当主につき1回までに制限されています。そのたびに帝国議会を通る必要があるため、過半数の封臣の賛同を得る必要があります。また、封臣はたびたび王権を低下させる闘争を起こすので、これらに打ち勝ち続ける必要があります。
step 2:封臣のopinion opinionがマイナスの封臣がいてはいけません。問題は王権を上昇させると封臣opinionに-30のペナルティがつき、王権がhighだとさらに-20のペナルティがつくことです。
王権の上昇と封臣のopinionは相容れない場合が多い。
大帝国でこれを実現するのは簡単ではありませんが、DietmarはJust、Kind、Brave、Gregariousで臣下のopinionに+35の基礎値が与えられ、state diplomacyによる+16と併せれば相殺できており、何もせずともほとんどの封臣のopinionはプラスでした。
step3:戦争の停止 自らの戦争を終了することは簡単ですが、臣下の戦争を止めるのは簡単ではありません。王権を上昇させれば、臣下による宣戦布告は制限できますが、これにも例外があるのです。帝国のde jureから外れた王国には王国独自の王権が設定されます。これに伴い、帝国のde jure外の王は帝国の王権法にかかわらず、帝国内の他の諸侯に対して自由に宣戦布告を行うことができるのです。このため、拡張プレイではde jure外の王国を支配下に収める機会が多く、内戦を停止することが難しい場合があります。特に、封臣同士の戦争には主君として一方に加担することができないため、タイミングを待つしか方法はありません。
帝国内の内戦は以前から見られましたが、ボソン家の諸侯が増加するに従ってその規模は拡大していきました。これは「同じ王朝」を理由にした同盟関係がより複雑になり、援軍要請がより広い範囲で可能になったことが原因と思われます。諸侯が内戦により疲弊すること自体は独立派閥の抑制につながるので問題はないのですが、継承法の変更が大変行いづらくなるという意味では厄介です。