アルメニア王さん、早速ですが我が国は今、危機的な状況にあるみたいですね。
我が軍の主力がペルシア軍に大敗北してな。かなりやばい状況にある。
このまま無駄にあがいても勝てる可能性は低いですしね。仕方ないかと。
だが、TabristanはBavandid家にとって本貫ともいえる地だぞ!?ここを明け渡したら先祖に申し訳が立たぬ!
あそこを治める女公爵はかつて王権低下を目論み、父上に逆らった獅子身中の虫(前話参照)。これ以上我々が犠牲を払い女狐を守る気にはなりません。
もう決めたことです。これ以上傷口が広がらないうちに和睦しましょう。
西暦1129年1月。Bavandid朝は敗北を認め、Saffarid朝に要求する土地を全て明け渡した。 これにより、アラビア帝国はペルシア内に保持していた領地の多くを喪失することとなった。
今に見ていろ…。
今回失った領地(赤枠)。いずれは取り戻してやるから首をらってまっていろ。
講和の条件なのだから仕方ないでしょう。どうしてそんなにTabrizにこだわるのですか?
アルメニア王さん、今更ですが、私はアラビア帝国皇帝ですよね?
いや、アラビア帝国の領域全体に私の威光は行き届いているのかなあなんて思いまして。
ですよね。我々がSaffarid朝に対して守勢一方なのもそのことが影響しているんじゃないでしょうか?
アラビア帝国の本来の領域全てにBavandid家の威が行き届いているのなら、正直ペルシアに優に勝る国力を得ているはずです。ですが、現状ではペルシアに国力で劣っている。それが何故かと考えたときに、我々に従わない勢力がアラビア帝国内に多く存在するからだと気づきました。
私はアラビア皇帝です。私に従わないけしからん勢力が領域内にいるなら、討伐するのが責務です。
ですので、私は当面の目標をアラビア帝国の再統合にしたいと思います。
なるほど。アラビア帝国が完全にまとまれば、ペルシア帝国でもかなわないだろう。さすがだな。
いえいえ。独立を貫く諸侯を併合して国力を高め、いずれはペルシアに侵攻したいと思いますよ。
Saffarid朝め絶対許さぬぞ。この手でいずれ滅ぼしてやる。
能力的にもtrait的にも申し分がない。まさに名君である。
まずはGalile地域の割譲を求めて、Galile公爵に宣戦布告します。
はい。アッバース一族は没落したとはいえ、いまだにアラビア帝国内に多くの領地を持っています。Galile公爵もそんな一族の1人です。
何代も前の当主の代にも経験したが、アッバース一族の血縁同盟は脅威だぞ(第8話参照)。
それも正解ですが、一番の力の源は領土の豊かさにあると思います。
その通りです。メソポタミアは現在アッバース一族に大部分を支配されています。この地域を我々が手にすれば、大幅に国力は増強されるでしょう。ペルシアへの復讐戦も控えている我々にとって、アッバース一族に喧嘩を売るのはなるべく早い方がいいのですよ。
では、どうしてメソポタミアにおるTigris公爵やバグダッド公爵ではなく、地中海に面するGalile公爵なのだ?メソポタミアを手に入れたいのなら戦を仕掛ける相手が違うのではないか?
まずは確実に勝てる相手から潰していきたいと思っています。Galile公爵はアッバース一族の中でも比較的小粒な領主です。
過去の栄光にしがみついて今を認めようとしない彼らに、時代の移り変わりというものを思い知らせてやりましょう。
西暦1133年。Manushihrはその生涯をかけることとなる一大事業「アッバース家討伐」を開始した。
次々と敵方で参戦するアッバース家の面々。
この戦にアッバース家領主の多くが参戦し、敵方はアラビア帝国に匹敵する兵力を有するに至る。 Manushihrは配下の将軍たちに敵の各個撃破を命令、総数では大兵であったものの分散していたアッバース連合軍は、アラビア軍に次々と倒されていった。 そして、アラビア軍がGalile地域の占領に入るに至り、大勢は決した。
西暦1140年。Manushihrは第2次アッバース家討伐を宣言し、エジプトのDamietta公爵に宣戦布告した。
この戦には再びアッバース一族の面々が敵方で参戦、またも激戦となる。
懲りない奴らめ…。
おらおらおらー!
まさに大戦果ですな。後は文明の源であるエジプトをまったり見物しながら戦勝点をためるとしますか。
この後アラビア軍は敵領土の占領を進めた。
そして戦の開始からわずか3年で勝利し、Damietta一帯を獲得したのであった。
これでエジプトの大部分を手に入れました。なので私はエジプト王を名乗ろうと思います。
由緒あるエジプト王に就くことでBavandid家の名声はさらに高まるな!
現在のアラビア帝国。まだまだ完全体には程遠い。
アルメニア王さんは祖父、父、私と3代にわたって良き相談役を務めてくれた。人には寿命があるゆえ仕方ないことだが、とても悲しい。
陛下にそう言っていただけて、父もあの世で喜んでいることでしょう。
うむ。愛人をつくったり、その愛人に子をはらませたり、平凡な日常を過ごしておるぞ!
数日後。
愛人とメッカに旅行に出かけてた。メッカでは白い虎が出るとのことで狩ってやろうとしたが、できなかった。非常に残念だ。
かくして次の戦に向けて、Bavandid家は休息?をとったのであった。
西暦1149年。Manushihrは第3次アッバース家討伐を宣言、ダマスカス公爵とアラビア公爵に同時に宣戦した。
事前準備を入念に行っていたアラビア帝国軍は有利に戦を展開する。 ところが…
大変です!Saffarid朝がアゼルバイジャンを求めて宣戦布告してきました!
またお前らか…。
ほう。ペルシア皇帝め、我々が戦をしている今が有利と判断したか。
この時、我々はSaffarid朝に対する勝利を確信していました。
陛下はペルシアに対する備えに絶対的な自信をもっていたのです。
思えば、この時期の我々はSaffarid朝に目を向けすぎるばかり、真の敵国に気付くことができていませんでした。
「彼の国」はササン朝の時代から、常に好敵手であり、そして最も憎むべき宿敵でありました。
真打ち登場…orz。