さあ、いよいよレコンキスタの完成だ。
ムラビート朝を討ち果たすぞ。
- まて、ムラビート朝は内乱が終わり、力を蓄えている。 いま戦うのは分が悪い。時期を待つべきだ。
勇者は敵を選ばない。むしろ強敵を倒してこその勇者だ。
トーナメントの勝者達よ、力を見せろ。
突撃だ!
- 敵は3万を超える兵を出してきた。 万を超える損害で敗退した。
- 敵は万単位の援軍を続々と送ってくる。また敗退した。
- もう傭兵はすべて雇用した。これで負けたら次はない。
どうだ。9人を生け捕る大戦果だぞ。
敵も敗北を認めた。セビリアは俺のものだ。
宮廷も戦勝で沸き立っているだろう。
……どうした。なぜみな渋い顔をする。
- これだけの死傷者が出て喜ぶ人はいない。 派手に傭兵を雇ったせいで、蓄えも残り少なくなった。
くそっ、これまではみな、楽しんでいたではないか。
戦争も、トーナメントも。なぜだ。
- みんなは娯楽と勝利とお金が好きなんだ。 無謀な勇気と損害は嫌いだ。 ……ストレスが溜まったようだ。
いいだろう。グラナダも取り返して、俺がレコンキスタを達成する。
永遠の名誉と全世界の賞賛を勝ち取ってやる。
あと少しでイベリア半島統一だ。
どうした、賞賛はまだか。
……みな、なぜ黙っている
- 勝ち方が大事だといったはずだ。 方法を選ばないおまえの勝利は、犠牲が大きすぎる。
周りがよそよそしい。
俺はみなのために、命を削って戦っているのに!
なぜだ、なんでうまくいかないんだ。
- 鬱病を患ってしまった。
(……ブツブツ)息子か。
息子のできが悪いから、みなが俺を笑っているのか……
- これはひどい。こんなのが次の国王か。怠惰強欲肥満。 「自分の欲望を満たすことにしか興味がないデブの怠け者」ということか。
- 死んだ。鬱病が悪化したのだろうか。 彼の功績は小さくない。 イベリア半島をほぼ統一して、王国の基盤を固めた。 その反面、騎士文化や戦争に浪費をし、配下に恨まれた。 文化は栄えたがツケを後世に残したといえる。 輝かしい少年時代からは、想像もつかない死に方だった。 人生とはわからないものだ。 それにしても、次の国王の能力は最低だ。 この国はどうなってしまうのか。